パンドラの箱 | PTD ~ Pilot To Dispatch ~

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ヒコーキオヤジのひとりごと
 空の話、ときどきタイのネタ…

 今から遡ること14年前の今日…
若い読者の方の中にはまだ生まれて
いなかった方もおいでだろう。
 
WTC  
 
 このとき当直だった私は時間の
経過を生で体験した。まさに地獄を見た。
 
 この日を境にアメリカから笑顔が
消えた。強いものの象徴、経済、軍事、
文化… 世界をリードする誇りと自信に
満ち溢れた「ジョン・ウェイン」のような
アメリカはもういない。
 
 この日、世界はパンドラの箱を開けて
しまった。「誰が」ではない。我々が
開けてしまったのだ。もとはといえば
イスラム教とキリスト教の2000年越しの
喧嘩のはずだったのだが、いつしか
世界を巻き込んで終わりのない殺し
合いになってしまった。
 
アメリカの子供
 
 私にはもう平和と言う言葉は見えない。
 
パレスチナの子供
 
 なぜならこの2人の子供たちが将来
手を取り合うなどということは絶対に
ありえないから… 
 
 ギリシャ神話のパンドラは、一度
閉めた箱を再び開け、最後に「希望」を
解き放ってしまった。彼女の最も重い
罪は、この「希望」を解き放ってしまった
ことだろう。
 
 「希望」があるうから、人々は絶望的な
戦いを続けてしまうのだろう。昨日も、
今日もそして明日も…
 
 再建が進んだ「そこ」は、もうグラウンド・
ゼロではない。しかし、「そこ」で悲劇は
起きたのだ。それは事実。14年前、私が
見た、それは事実。ただし、真実ではない。