岡南飛行場オーバーラン事故 | PTD ~ Pilot To Dispatch ~

PTD ~ Pilot To Dispatch ~

ヒコーキオヤジのひとりごと
 空の話、ときどきタイのネタ…

報道によれば、機長の言い分は、
 「着陸前、滑走路の中心付近に
  鳥が見えたので、よけようと
  してブレーキが遅れた」

 「着陸をやり直そうとした」
とのこと。
  → 共同通信

岡南事故2

 ゴーアラウンドをためらうな!って
いつも書くでしょ?(笑) 

 私も何度か降りたことがあるが、
こんな短い滑走路(確か4,000 ft 弱)で
滑走路上に鳥が見えて、気になったら
着陸復航でしょ?

 「よけようとして」…?
… どうやって?(笑)
 
 この機種とは違うが、私もかつて
サイテーションを飛ばしたことがある。
素直な機体で、「スローテーション」と
揶揄されるぐらい離着陸速度も遅く、
口の悪い教官によっては、セスナ172が
飛ばせればサイテーションは飛ばせると
豪語する人もいたほど、ジェット機の
入門機としても有名な機体だ。
 
 しかし、それでもジェットはジェット。
制動が遅れれば短い滑走路ならば
簡単に飛び出す。この機長は「機体に
損傷を与えるぐらいなら、5分余分に
燃料を消費するほうが安い」とか、
「外板に鳥が当たって修理するほうが
滑走路の向こう側へ飛び出すよりは
安い」といった考えはできなかったの
だろうか?

 ひとたび接地してスポイラーが
立ったり、エンジンの逆噴射を作動
させてしまっていたら、もう復航は
できない。もしそうだったならば、
腹をくくって鳥に突っ込んででも
減速を続けるしかなかったように
思う。離陸時ではないわけだから、
結果バードストライクになっても
墜落することはなかったわけだし、
まして、ドックインするために岡南へ
来ていたらしいから…
 
 一瞬の逡巡が明暗を分ける。
特にこのような状況では…
判断に感情を入れてはいけない。
あくまで理論で詰めろと言われているが、
なかなか難しいものだ。この機長だって
それなりの経験はあったに違いないし。

岡南事故

 しかし、きれいに着水しているね。
テレマーク姿勢も決まってる。
エンジンも冠水していないから、内装に
水が入っていなかったら引き揚げて
また飛べるんじゃないかな?