(昨日の続き)
表面的には指示の聞き間違えで
離陸を開始した自衛隊機よりも、
滑走路上にまだ先行機がいることを
わかっていながら接地したトランス
オーシャン機のほうがより深刻な
問題だと感じられる。着陸復航の
指示がなくても、
① 先行機が浮揚し、滑走路の
出発端を超える
② 先行機が浮揚、旋回し、
滑走路中心線が空く
③ 着陸機が滑走路から完全に出る
状態でなかったら機長は自らの意思で
復航を行うべきであったと私は考える。
根本的なところでは、復唱の重要性が
再びおろそかにされた可能性がある。
3年前の事故未遂の時も、主原因は
管制官が航空機からの間違った復唱を
聞き逃したことだった。自衛隊機が管制の
許可を誤認していたとしても、復唱が
間違っていればその場で訂正して離陸を
中止させればいいだけの話だし、仮に
復唱がきちんとされていて、全日空機と
自衛隊機の復唱が重なって聞き取れない
という状態だったならば、テネリフェの
再来になってもおかしくないところだった。
「誰が悪いのか」ではなく、「何が悪い
のか」を追求することが事故調査の根本
ではあるが、徳島・新千歳/千歳・那覇と、
立て続けに自衛隊-民間共用空港で
インシデントが続くと、航空管制の根本的な
システムに何か欠陥がるのかもしれないと
思ってしまう。ただ、徳島、千歳が自衛隊の
管制であるのに対し、那覇は航空局の
管制であるという違いはあるが…
2012年にも重大なミスを犯した那覇管制、
こればかりは「なんくるないさ」では済ま
されない。徹底した原因究明を望みたい。