IMCとIFR | PTD ~ Pilot To Dispatch ~

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ヒコーキオヤジのひとりごと
 空の話、ときどきタイのネタ…

 IMC:計器気象状態
 IFR:計器飛行方式
 
 この2つの区別のできないパイロットが
意外と多いことに驚かされる昨今。
(なんか以前も書いた気がするが、別の
場所でかな?)
 
IMCというのは、視界あるいは雲高、または
そのどちらもが同時に規定値を下回り、
VFR(有視界飛行方式)で飛行しては
いけない状態になっていること。反意語は
VMC(有視界気象状態)である。NOAAの
National Weather Serviceでは、この境界を
「雲高 1,000 ft and/or 視程 3 mile」と
定めている。だから、気象観測値がこれを
下回ったら航空機はVFRで飛行することは
できない。飛行場側も、IMCになった場合には
日中でも飛行場灯台と滑走路灯を点灯して
自分の飛行場がIMCであることを知らせる。
 
 これに対し、IFRというのは飛行方式の
ことで、外界を目視で確認しながら自機の
位置を確認したり、他機との衝突を回避する
VFRと異なり、その航行の安全に航空管制が
責任を持つ飛行方式のことを指す。だから、
別にVMCの状況下でもIFRで飛行しても
構わない。(ただし、IFRで飛行中でも周囲が
VMCの場合には、機長に空中衝突防止の
見張り義務が生じる)
 
 これを混同し、「今日はIFRだから飛べない」
とか、快晴の日に「IMCでローカルエリアの
低空飛行訓練を行うからNOTAM出してくれ」
とか間抜けなことを言われると、(こいつ、
飛行訓練生の時に何をやってきたんだ?)と
思ってしまう。
 
 計器飛行証明を持っていないパイロットが
「今日はIMCだから飛べない」とか、通常の
航空路からかなり低い場所をレーダー誘導を
受けながら「IFRで」飛行するというのが正しい。
 
 言いたいことはわかるから黙って受け流して
ディスパッチしてやっているが、間違いは
間違い。願わくばこんな奴らが教官になったり
しないことを…