今日は遊覧。それもようやく叶った遊覧。
10ヶ月前、「ぜひ飛びましょう!」ということで
セットした1本のフライトがあった。多忙なお客様
3人がスケジュールを合わせてやっと作ってくださった
1日だったのだが、その日は風が強く、私の判断で
欠航としてしまったフライトだった。
訓練なら飛べる風だった。遊覧でも、飛んで
飛べない風ではなかった。でも、3人のうち、2人は
初めての小型機。期待も大い分、不安も大きいと
伺っていたので、思い切って中止にさせていただいた。
私の判断は間違っていなかったと思っているが、
それでも、この3人のスケジュールが再び合うまでに
10ヶ月もかかってしまった。
だから今日は晴れてほしかった。いや、曇って
いてもいいから、風だけは吹かないでほしかった。
結果… 私個人の感想では今年一番の天気。
朝方にあった雲も離陸時には晴れ、ほぼ快晴。
機体もトリムが合えばあとは自動操縦並みの
安定度。お見せしたかった場所、お客様が
ご覧になりたかった場所、全て回ることが出来た。
先週、先々週と台風が続き、正直不安でしかたが
なかった。予報は晴れと出ていたのだが、揺れたら
どうしよう… お客様の具合が悪くなったらどうしよう…
そうでなくても、小型機を嫌いにだけはなられて
ほしくない… 昨晩はよく眠れなかった。
そんな思いが通じたのか、今日は今年一番の
安定した空。錯綜機もなく、のんびりと関東平野を
回ってくることが出来た。
願いは叶う… 願えば叶う… なんか今年の
フライト運を使い切ったような一日だった。
無事に格納庫に戻り、エンジンを切ったときの
緊張からの開放と、どっと出た疲労感を癒して
くれたのは、お客様たちの最高の笑顔だった。
パイロットになって本当に幸せだと思える一瞬…