墜ちたら困るが、降りてるんだ | PTD ~ Pilot To Dispatch ~

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ヒコーキオヤジのひとりごと
 空の話、ときどきタイのネタ…

 岩国から三沢に向かう在韓米軍の
A-10攻撃機が油圧系のトラブルで
岡山空港に緊急着陸した。昨日は
昨日で海兵隊のAV-8垂直離着陸型
攻撃機が嘉手納で緊急着陸した後に
火を噴いている。
 
 連日の米軍機のトラブルでメディアも
やや神経質になっているが、私から
言わせれば、「きちんと降りているの
だからいいじゃん」… である。
 
 パイロットの訓練は80%以上が緊急
事態の対応訓練だと言われる。自動車の
ようにちょっと路肩に寄せて停めるという
わけには行かないので、上空で何か
あったときの対処はそれこそ骨の髄まで
叩き込まれるぐらいに鍛えられている。
 
 今回も、その中のひとつの項目だろう。
システムトラブルにきちんと対処し、安全に
降りられる場所を見つけ、無線で状況を
報告して着陸している。
 
 墜ちたらそれこそ大惨事だが、着陸する
ぶんには何ら問題はないと思う。そのための
訓練だし、実際怪我人も出ていない。
 
 上で停まることの出来ない飛行機だから
こそ、少しの異常でもとりあえず降りようと
いうことになる。飛行場も、そういったことが
起こりうることを十分に想定している。
 
 無事是名馬、緊急着陸がないに越した
ことはないが、目の前で起きている事態に
目をつぶって(これぐらいなら大丈夫だろう…)
と飛び続けるほうがよっぽど危険であると
いうことをご理解いただければ…