今朝未明、京浜東北線がとんでもない
ことをやらかした。回送電車だったから
よかったものの、営業電車だったら死人が
出ていたかもしれない。(まぁ、回送電車
だったから車両が軽くてあっさりひっくり
返ったんだろうとか、そもそも営業運転中は
線路作業はやらないだろうという話もあるが…)
現時点でわかっていることは
・どうやらこの回送電車が遅れていた
・作業責任者が回送電車の通過を確認
していなかった
・作業車が予定より早く線路に入ったらしい
ということぐらい。回送電車だから川崎駅で
停まらず、通過してきたために速度が高かったの
ではないかということや、作業車両によっては
線路を短絡しない(すなわちATSが何者かが
線路に入ったことを検知できない)ことから、
回送電車側の車上信号も変わらなかったで
あろうこと、そしておそらくこの作業責任者が
作業開始前に線路封鎖の措置をとらなかった
だろうと思われる(これは私の推察)ことなどが
複雑に絡み合って起きた事故だということはできる。
それでも、この事故は「回送電車の通過
確認」という、たった一つの確認事項を行えば
簡単に防げたはず。原因究明の中で、「誰が
悪かったのか?」ではなく、「何が悪かったのか?」
すなわち、「なぜ通過確認を行わずに線路作業を
開始したのか?」という、作業のシステム的な
部分の検証を行わなければこのような事故は
再発するだろう。「事故原因の鎖」が全部繋がって
初めて事故は起きる。その手前で、たった一つでも
いいからその鎖を断ち切ることができればそれで
いいのだ。そのシステムに欠陥があり、今回は
鎖が全部繋がった。「なぜ繋がってしまったか?」を
探ることが大事なのだ。
小さなミスの積み重ねで大きな事故が起きる
という、産業事故の典型的ともいえる今回の
事故から学び、飛行場の仕事をしている我々も、
滑走路周辺での作業を行う際には「~したはず」
ではなく、確実に「確認」することと、作業チェック
リストをきちんと項目一つ一つを実施できるよう、
週明けの職場での訓示事項にしたいと考えている。