28年目の祈り | PTD ~ Pilot To Dispatch ~

PTD ~ Pilot To Dispatch ~

ヒコーキオヤジのひとりごと
 空の話、ときどきタイのネタ…

 1985年8月12日 午後6時56分…
日本航空123便が群馬県の山中に墜落した。
あれから28年が過ぎた。
 
 今年も北西の空が開け、山並みの見える
我が家のバルコニーから墜落地点に向かい、
冥福を祈ると共に航空安全へのご加護を
願い、手を合わせた。
 
 「安全」は、空に携わる者の合言葉であり、
課せられた義務でもある。そのために運航、
客室乗務員達は身を律し、日々厳しい訓練と
チェックに挑んでいる。ネジ1本の緩みも
見逃すまいと、整備士たちは今日も昼夜を
問わず目を光らせる。
 
 空は「安全」であたりまえ。でも、その
「あたりまえ」が我々が守るもの。そして目指し
続けるもの。今日が無事故だったからといって
明日がそうだとは限らない。安全を軽視した
者には厳しいしっぺ返しが待っている。
 
 いつもなら夕焼けが残る晴れた空に黒く
山並みが浮かぶ方角だったのだが、今日は
雨雲と雷鳴に山が隠されてしまっていた。
 
 「安全」に慢心した姿への犠牲者の涙で
なければ良いのだが…