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エピソード3 サイクリング

エピソード3 『サイクリング』



 ヒロヤマガタの少年時代に一番好きなスポーツはサイクリングだった。

手を動かすのが大好きだったのと同じように足を動かし、ペダルを踏み続けるサイクリングに生理的な快感を感じていたようです。

 あまり知られていないが、近畿対抗にも出場するほどの長距離ランナーでもあった。子供の体力にしては長丁場の4000メートルという長い距離を走るマラソンは苦しくもあったが、無性に楽しかったと言っている。

 ちょうどヒロヤマガタが子供のころといえば、日本の高度経済成長の真っ只中で、ド田舎の郷里・醒井付近も、名神高速や、東海道新幹線の建設工事中のであった。

なかでも、名神高速道路が8割程完成したころに、自動車はもちろん人もいないまっさらな新品の広い道路を自転車で何度もサイクリングをしていた。

誰もいない広い高速道路を自分だけの道の様なきになって、ペダルを踏む快感はなんともいえなかったようです。

サーッ、サーッと耳元でうなる風の声だけを友達にして走り続けると、やがて未完成の道路は工事中のトンネルの所で通行禁止になっていた。トンネルの向こうには少年のヒロヤマガタにとっても未知の世界だった大都会、名古屋や東京に通じる高速道路が完成済みと聞いていて、気のせいかトンネルの向こうには一部完成している高速道路を走る車のどよめきが、かすかに聞こえたような気がした。

少年ヒロヤマガタは、まだ見ぬ世界への憧れを大切に抱きしめ、同時になにかしかの感傷にふけながら今来た道を帰路についた。


Life&Art Conciergeのブログ Life&Art Conciergeのブログ 『セーム川にて』より


後に、芥川龍之介の「トロッコ」という短編を読んだそのときの記憶やフィーリングを鮮明に思い出したようで、

「そうね、『トロッコ』みたいな絵、書いてみたいな。でも僕が描くと、情感の湿度が低い、カラッとした陽気な『トロッコ』になっちゃうかもね。」といっている。

さらに、サイクリングという言葉を使ったけれど、この世代の自転車は、現代の若い人たちにとっては、バイクや車みたいな存在で足代わりの必需品で、中高時代は登下校は言うまでもなく、どこに行くにも使っていたもので当たり前のものだったが、初めて乗れたときの感動や、初めて遠くの見知らぬ土地に行った時の感動は今でも鮮明に覚えているとも言っている。なかでも楽しかったのは、中学3年の時に、当時の仲間と自転車で琵琶湖1周旅行をしたこと。全部で約300キロ近くを23日かけて、仲間と笑いっぱなしで。おまけに、琵琶湖、特に奥琵琶湖の自然も満喫できて、最高に思い出深いサイクリングだった。



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     2004年         2002年

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