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エピドード14 米粒に絵や字を書く

エピソード14「米粒に絵や字を書く」



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 前らかヒロヤマガタは手を動かすのが好きだといってきましたが、同様に、細かい作業も大好きだそうです。

 19歳で初めて上京して、広告会社で、よく徹夜でデザインの仕事をしていたときに、ふと、商業美術ではなく、自分の描きたいものを思い切り描いてみたいという衝動に良く駆られたという。でも、仕事は山ほどたまっているし、本当に自分が描きたい絵を描く余裕もない。そこで考えついたのが、小さい絵を描くことであった。

 そこで使われたのが、サイコロです。一番小さい5mm角のサイコロを買ってきて、一とか六とかいうサイコロの目の中に一つ一つ描きたい絵を描くというのです。大きくても一つ1mm1.5mmのサイコロの目に描くのです。買ってきたサイコロの目に赤や黒で塗料が塗られており、それをベンジンでふき取り白くして、極細のキャンバスにする。筆はもちろん、面相筆で、毛は2本か3本使って(筆も自分で作ったらしい)、例えば1の目には女性の肖像、4の目には一つ一つの目に春、夏、秋、冬という四季の風景をあしらうとか、楽しみながら描いていたそうです。このころは若くて、体力もあったので、山積みの仕事の合間に、そういう細かいながらも、自分の好きな絵を描くと、疲れも取れてスッキリしたそうです。

 さらに、サイコロにあきると、今度は米粒に描くようになる。

よく精米した、ツヤのある米粒のほうが絵の具はノリやすく、ありあわせの米粒から描きやすそうな米粒を選び、そこに、絵や字をかいた。顔料は墨を使う。しかも、感ではなく、目で見ながらチャント描いていたそうです。だれかに見せたりするための仕事でもなんでもなく、細かい自分の絵を描きたいだけであった。ひらがなやアルファベットだったら、米粒一つに最大130字くらいは書いていたそうです。

 

「今、僕が描いている絵ね、あの一枚の絵の中には、人生劇場の小さな小さなミニ・ストーリーが、それこそ、何ダースもパックされているわけで、米粒の絵や字は、あの中にも生きているんじゃなにかな」