静岡空港「合格」
開港へ課題残る 立ち木問題「ねばり強く交渉」
国土交通省東京航空局は19日、静岡空港の工事完成検査の合格通知を県に交付し、静岡空港が正式に誕生した。民間機が運航する空港としては国内で98番目。今後正式に決まる6月4日の開港日に向け準備が加速するが、立ち木問題など課題もなお残る。
■開港準備
合格通知の交付後の19日夕、石川知事は記者会見し、「6月4日の開港が事実上確定した。これから航空各社もダイヤなどを届け出て、開港間近の機運が高まる」と語った。滑走路近くの立ち木が航空法の高さ制限に触れるため、滑走路が2500メートルから2200メートルに短縮された問題については、「完全運用に向けて、権利者との話し合いに何とか目鼻を付けたい」と述べた。
滑走路やエプロンなどは完成し、現在は約2000台を収容できる駐車場の整備などが進む。空港周辺の道路は、牧之原・金谷ルートや島田ルートなどが今月中に開通予定。空港に直接つながる1・2キロ区間は開港に合わせて開通する。
静岡空港に乗り入れる航空各社も、近く国交省に運賃やダイヤを申請する。日本航空(JAL)は、静岡空港でカウンター業務などにあたる社員に、他の空港で接客や機器の操作についての教育を行っている。
■課題
立ち木がある土地の地権者の大井寿生さん(49)は2月11日、石川知事と初めて面談し、「知事が責任をとって辞職すれば立ち木を除去する」と申し入れたが、知事は文書で拒否した。この後、県は航空法に基づいて3回にわたり、立ち木除去に向けた補償額の協議を試みているが、大井さんは補償額が示された文書を「まだ受け取れない」と話しているという。
立ち木の除去を求めて県が提訴すれば、決着までに相当の時間がかかるとみられる。石田博・県空港部地域共生室長は「さらにねばり強く交渉したい」と話す。
静岡―ソウル便を運航するアシアナ航空と大韓航空の静岡着、静岡発の間隔が10分しかない問題も解決していない。アシアナは、先にダイヤを発表したことなどを理由に発着時間の変更を拒否。大韓は25分程度の前倒しを県に提示しているが、それでも同時間帯に利用客が集中するため空港内の混雑を懸念する声がある。
JALの福岡便に適用される搭乗率保証制度についても、札幌便でJALと競合する全日空(ANA)や県議会から疑問の声が上がった。搭乗率が70%を下回ると県は新たな負担を強いられるだけに注目される。