日航・全日空、伊丹─成田線の廃止拒否──関空移管で利用増見込めず
日本航空と全日本空輸は8日、大阪府が空港ビジョン策定のために開いた意見交換会で、橋下徹知事が求めている大阪国際(伊丹)空港と成田空港を結ぶ路線廃止を拒否した。同知事が伊丹から移す先とする関西国際空港では利用増が見込めず採算確保が困難なためだ。国内大手2社がそろって「ノー」を表明したことで、伊丹の機能縮小をテコに関空活性化を目指す知事の戦略は壁にぶち当たった。
意見交換会は関西3空港のあり方に関して府が年内にも取りまとめる空港ビジョンのために開催。学識経験者に意見を聞いた5日に続き、この日は航空会社、日本旅行業協会、関空会社といった業界関係者にヒアリングした。
このなかで日航の佐藤学執行役員は「客のニーズを踏まえないで(伊丹―成田線の廃止を)強制的にやるのは違うのでは」と話し、単価が高いビジネス客を中心に2社合計で年間約37万人が利用する同路線を堅持する意向を表明。全日空の岡田晃執行役員も「需要を最優先すべきだ」と主張した。
佐藤氏は「関空発着の不採算路線を合わせると07年度は100億円を超える赤字だった」と指摘。2005年に伊丹から関空に移した北海道や東北、九州向けなどの路線が不採算に陥ったことを例に挙げ「成田線が伊丹から関空に移った場合、需要を維持できるとは思えない」との認識を示した。
日航と全日空は11月以降、関空発着の複数の国内線・国際線で廃止や減便を順次実施している。さらに日航は関空と北海道、青森を結ぶ計5路線を09年度以降の廃止に向けて調整中。全日空も関空と松山、高知をつなぐ路線の廃止・減便を検討している。
日航の佐藤氏は09年4月から関空と成田を結ぶ路線開設を検討していることを説明して理解を求めたが、知事と関空会社の平野忠邦副社長は「伊丹―成田線を残したままでは意味がない」と主張。逆に知事は「関空で出国手続きできる点を考えると関空―成田線はむしろ利便性が高い」と迫ったが、航空2社は納得しなかった。
関空の活性化を重視する橋下知事は7月にぶち上げた「伊丹空港廃止」論を経済界の反発などで取り下げたものの、関空救済には伊丹の機能縮小が必要だと訴え続けてきた。大手2社との対立の構図がはっきりしたことで、路線の開設や廃止に直接的な権限を持たない府は新たな関空浮揚策の検討を迫られることになりそうだ。
