認知心理学者の研究報告によると、物理的な触感と、特定の価値判断の間にはメタファー(暗喩)関係が形成されていて、その人の行動に影響を与えているとのことです。
触感の違いが「判断」に影響 (Wired)
それによると、ある触感を感じると、暗黙の認知過程を経て、そのとき同時に行っている価値の判断や行動が、無意識のうちに特定の方向に変化するということです。
ある触感がどのような判断と関係付けられるかは、その人の成長過程での経験に基づいていると推察できます。
ここで問題としたいのは、触感もまた、広告や商品デザインなどにおいて、幅広い無意識下のPR手法の一つとして、応用可能であるということです。
そうした意識外での意図的な心的操作から、自己判断が受ける影響を小さくするためには、自己のそのようなプロセスをできるだけ意識化しておくことであり、暗黙の心的過程の存在について知っておく必要があるでしょう。
こうした触感の認知過程によく似た現象として、音楽と特定の判断の関係においても、同様の無意識の心的プロセスが成立するのではないかと、推測できます。「音に触れる」というような、共感覚的な表現が可能であることからも、その類似性が伺えます。
身近な例では、スーパーのBGMで購買行動が促進されたり、音楽の流れる喫茶店で商談がまとまったり、夜の音楽に満たされたバーで出会いが生まれたりと、実例もたくさんありますよね。
ただし、ある音楽が、どのような心理的過程と関係付けられているかということは、触感以上に個人差が大きいのでは、と予想できるのではないでしょうか。
それぞれの人の音楽趣向には多様性が存在し、それは音楽的経験の違いに基づいていると推測できるからです。
個人的な趣味としては…。活発ではあるけれど、がさつでやかましい音楽を好む人よりは、穏やかで美しい音楽を愛好する方と、できればお付き合いしたいものです。
Chuck Mangione " Feels So Good " (1978)
(2010-06-29 19:44:42)