203号室の隣人は鍵束一つ残して消えた。

CV:榊恭一郎

 

 

≪シチュ作品感想の注意事項≫

ネタバレが困る、嫌いという方、こういうのに興味がない方はスキップすることをお勧めします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サークル:parasite gardenさんから2月22日にダウンロード発売されたお話です。

現在、1000ダウンロードを超えていて、300DL特典、500DL特典のショートストーリーが追加同梱されています。

この”内容追加”のダウンロードはマイページで再ダウンロードをすることでもらえます。

 

サークルさんの名前からも想像がつくように、病み(闇)系作品が多いサークルさんです。

(とりあえず、私が聞いたことあるものはみんなそっちサイド)

 

このサークルさんは本当に丁寧に作ってます。

初期の作品は音周りがイマイチだったんですが、途中からダミヘちゃんを使ってくれてます。

キャスティングもどんどん演技達者な方を起用してきてる。

 

そして、何よりもシナリオです。

今回も1時間半という長編なんですが、途中でだれることもなく、『もう終わりなの?』って感じるくらい。

それだけ、物語の中にぐいぐい引き込まれるってことなんでしょう。

 

 

 

 

今回の彼は鞍馬凪人(くらまなぎと)さん。

『わたし』のお隣の部屋に住んでいます。

いつもニコニコしていて優しくて太陽のような人。

 

彼は時々大きなスーツケースを持って旅行に行くようで…。

少々謎めいたところもあるけれど、頻繁に顔を合わせているうちに少しずつ世間話をするようになっていた。

もっとも、出社時間を彼の行動時間に合わせたりして、頑張って頻度を上げているんだけど。

彼の郵便受けに『お仕事お疲れさま』なんてメッセージを入れたこともある。

『ゴミ出しは夜派』という彼が出したゴミに分別ミスがあるのを見つけ、メッセージを入れたこともある。

 

そんなある日。

彼がゴミ出しに出たところでバッタリ。

何気ない会話の中で”ストーカー”の話になった。

 

『僕にもね、ストーカーがいるんだよ』

 

彼が語ったものは…わたしがそっと入れたメッセージのこと。

今の今まで、ストーカー行為だと思わずしてきたことだけど…

冷静に考えたら、これは紛れもなくストーカー行為。

それらのことを明るく語る彼に訊いてみた。

 

「警察には知らせたんですか?」

 

大したことじゃないから知らせないと、朗らかに答える。

が…気のせいだろうか。

あのメッセージの主が、わたしだと知っているんじゃないかと思わせる素振りが見え隠れする。

 

好きになった人だけど…

このまま、ここに住み続けることはできない。

すぐに引っ越しをすることにした。

 

引っ越しの挨拶の菓子折を持って、隣を訪ねた。

急に引っ越すということに、かなりビックリしている。

 

『せっかく少しずつ仲良くなってきたと思ってたのに…』

 

お茶でも…と誘われたけれど、断った。

ところが、彼に囚われ部屋に引きずり込まれる。

 

のちに、管理人さんが彼の部屋を訪ねてきた時に、『隣の部屋の前に鍵が落ちていてドアも開いていた』と言っていたところをみると、自分の部屋の鍵を開けて中に入ろうとしたところで捕まってしまったってことなんでしょう。

 

彼の部屋で真実が明かされる。

 

彼はわたしがストーカーだと知ってました。

でも、彼がわたしのことを知ったのはもっとずっと前。

 

以前、わたしが住んでいた路線でわたしのことを見つけたんだそうです。

しばらくすると電車でみかけなくなった。

そこから徹底的に調べ上げた。

引っ越し先の隣には別の人が住んでいた。

どういう手を使ったのか、その人を追い出して自分が”隣人”になった。

 

『嬉しくてたまらなかったよ。ストーカーしていたら、キミも僕のことをストーカーしてきたからね』

 

『僕たちは両思いだね』

 

こんな話を聞かされて、「うん、両思いだね💗」なんて思えるはずがない。

彼の部屋一面に貼られているわたしの写真。

彼が所有しているダッチワイフはわたしにそっくりで、わたしが捨てた服が着せてある。

 

…この人は変な人だ。

…この人は危険。

 

話し方も、常に明るく優しげ。

こんな粘着質で異常な話をしているのに、ごく当たり前なことを話しているかのよう。

 

 

というところで、声のお話。

榊恭一郎さんの声幅の高い方の可愛い感じの声を使ってます。

穏やかで天真爛漫でっていう感じ。

『わたし』が彼に反抗して、怒らせた?とビクビクするようなシーンでも声を荒げることはない。

 

『メッ』

 

って言うだけ。

ただ一度だけ…。

ワントーン低くなって命令形の口調になる時があるんだけど、通常が明るい声だから震え上がるほど怖かった。

『わたし』もよっぽど怖かったんでしょう。

彼の言うとおりに行動してました。

 

 

 

 

彼の言葉の中に、組織的なものの匂いがあります。

たくさん撮られている写真は『ブログに載せる』という。

ただ、誰でも見れるのではなく『会員制』みたい。

 

『あ~、でも…キミの写真は載せたくないなぁ。他の子のように商品じゃないからね』

 

『だけど、見せびらかしたいって気もするな』

 

彼は真剣に悩んでるみたいだけど、”他の子”と”商品”という言葉に気を取られてしまいました。

彼がこういうことをするのは『わたし』が初めてじゃないんだ、ということ。

 

『わたし』は薬で眠らされて大きなスーツケースに入れられた。

 

 

 

 

300DL特典の内容はお風呂。

本編の途中、彼の部屋での出来事です。

 

500DL特典は本編終了後。

どこか分からない家に監禁されているお話。

 

彼が言う『商品』はもちろん女の子。

今までも『商品』を仕入れてきて、ブログで情報を掲載し、薬漬けにして売りさばいている。

彼の仲間の中には薬の専門家もいるようで…。

 

「おうちに帰りたい」

 

女の子に泣かれるのが苦手だという彼は薬を使ってくる。

『商品』と違って『壊したくない』から使用量は少なめ。

それでも、かなりの効き目だと思われる。

『わたし』は途中で気絶してしまったのだけど、この薬の中和剤というか、解毒薬というか、そんなものを薬を扱ってる人に処方してもらってる。

それらを考えても、結構大がかりな組織が存在してる気配が漂う。

 

 

きっと、この先、解放されることはない。

完全なるBADエンドです。

暴力的なことは嫌いという彼なので、痛いことはされないです。

あんなに明るくて暴力も振るわれないのに、彼のいいなりになってしまうという。

たぶん、たった1ヶ所の『怖いと感じた言葉』が見事なまでに影響してるんだと思う。

あの朗らかさが彼の異常さを際立たせてる。

 

 

 

 

次回作のダウンロード開始はもうそろそろかな。

次もなかなか楽しみな作品になってそうです。

(個人的に”透”という文字が入っていてニヤニヤしてる)

 

 

 

 

 


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