うちの辺り、全然雨が降らないって言ってたのが嘘みたいに連日の雨。
集金ウィークになってから降ることないのに。。。
タイヤのパンクもあって、予定の半分の進み方です。
今日も、家を出た途端に雨が降り出し、新しく配布するのは無理となり、うちのマンションの2巡目ってことに。
時間も早いけど、これ以上はどうしようもないということで上がってきちゃいました。
(配布物を集金の後に届けるってのはNGなの)




さて、昨夜、聞いたのはもちろん今回感想を書く『帝國スタア』。
キャストトークで『2枚組に収まるかなぁ』と心配されてるくらいの超ボリューミー。

再生リストの総時間を見てみると・・・・・・・2.5時間。

このところ、何だかんだでベッドに入るのが1時になっていたから、心して早く行動。
無事に0時半にはヘッドホン装着のスタート状態に持ちこめました。
まあ、そこから考えて、普通に3時になりますね。
ちょっと聞き直ししたい部分なんかを聞いてるうちに3時40分。

ところがそこからちょっと眠れなくなりまして・・・(苦笑)
寝落ち用のRejet楽曲(約40分)を流し、途中時計を見たのが4時5分。
どうやら、その少し後くらいに眠れたようです。
が、5時45分には目が覚め、今度はエンドレスのリストに切り替えて、音に揺られながらうとうとしながら。。。
完全覚醒したのは7時15分。
寄せ集めても3時間に満たない睡眠時間だったせいか、作品世界で感じたことに起因するのか。
朝から睡眠を欲しているような、頭と身体が分離しているような、そんな一日でした。


ということで、今日はこちらの感想を。

感想もかなり長くなりましたので、心の準備をしてくださいね。(苦笑)



大正偶像浪漫『帝國スタア』伍番星 怜

ボイスは近藤隆さん。

ではでは、いつものように、ネタばれは嫌いだなって人や
こういうのって興味ないんだよねって人は
このまま回れ右してお帰りくださいね。
























『帝國スタア』最後となる1枚。

今までの4枚、私常々『これは病みCDではなくて成長CDだ』と言い続けてきました。

もちろん、これは5人同時進行の話ではなく、『わたし』と『帝國スタアの一人』との恋のお話。

だから、同じ時期(わたしがオーナーに就任た初日)から物語はスタートし、東京大震災の後というタイミングでエンドを迎える。

それでも、ここまで4枚のCD、4人を『イイ男』に成長させてきたという思いが『私』の中にある。

『だから、今度も、ね』

でもでも・・・・・・・半端ない無力感に打ちのめされることとなりました。








物語の始まりはわたしが通う女学校の校門前。
そこに立つ見覚えのある人は・・・・・・

彼、怜とは幼馴染みという間柄。
彼のお母様が病に伏せっていた時、わたしの父が主治医として屋敷に出入りしていた。
その関係で、わたしも頻繁に遊びに行かせてもらっていた。

『忘れちゃった?』

忘れるはずがない。
誰にも話したことないけど、わたしの・・・初恋の人なんだから。

彼のお母様が亡くなってから屋敷に顔を出すことは無くなった。
もう5,6年は経つのだろうか。
昔話をしながら、街を歩く。
相変わらず、含みのある言い方でわたしを翻弄しからかうけれど、以前にも増して素敵になっている。

『社交界で話題になっているよ』

と、わたしが大帝國劇場のオーナーに就任したことも知っていた。

『さあ、着いたよ』

そう、ここ。
大帝國劇場。
彼が扉を開ける。
ここから、今から始まる新しい一歩。

そして、彼が帝國スタアの伍番星だと告げられる。

オーナーになるんだから、帝國スタア達の名前と顔くらい確認しておこうよっていうツッコミを入れてみる。(苦笑)



怜は優しい。
わたしが困っていると手を差し伸べるし、守ってくれる。

『困ったことがあったら、オレを頼りなさい』

平民のオーナーだからとバカにされ、苛められていても、彼の優しさに救われる。
実際に頼ることはできなくても、気にかけて言葉をかけてくれるという、それだけで勇気が出る。


そんなある夜。
ドアを叩く音がする。
行ってみると・・・・・彼だ!

『確認もしないで開けたりしたらダメだよ』
と言いながらも、
『今夜、ここに泊めてくれない?』
と言い出す。

何でも、内緒にしていた帝國スタアの伍番星であるということがお父様に知られ、大喧嘩の末に追い出されたのだという。

この日から、彼はわたしの家に居候することになる。

一緒にいる時間が長くなると、ふとした違和感を感じ始める。
一見、普通なのだけど、言葉の端に、
『今、何て言ったの?』
というような、素直に意味を受け取れないものが垣間見える。

優しい彼といて安心なはず・・・なのに。
黒いもやのようなものに取り囲まれているような、不安を覚える。

一緒に暮らし始めてから、わたしの体調もあまり優れない。
吐き気に襲われることも、動機が激しくなることも、身体もだるく・・・・・なんか変。



物語が進むにつれて、ごくごく当たり前のことのように、何のためらいもなく秘密が明かされていきます。

わたしの体調の悪化は、怜によって少しずつ毒を盛られていたから。
怜にはすでに、この毒に対する耐性がついてしまっているのだとか。

このくらいの時期にわりと簡単に手に入れることができて、即効性が無く徐々に弱っていくというと、この毒はヒ素でしょうか?


彼が望むものは、『死』。
しかも、一人ではなく、『わたし』と共にじゃないと意味がないと思っている。

わたしが全てのことに絶望し、彼と共に死を望むことを願っている。

『死んじゃダメ』

そう言う度に、『おまえも分かってくれないのかい』ととても寂しそうで苦しそうな声で、彼の絶望がさらに強くなる。

彼は趣味として脚本を書いている。
出来上がったら読みたい、と伝え、少しでも彼が『生』に目を向けてくれるようにしてみる。




そんなある日、2人で帰宅すると家の中が荒らされていた。
盗まれたものは・・・大帝國劇場の権利書。

更に明かされた真実。
彼がわたしの家に来たのは、彼の父に権利書を奪い取れと命令されたから。
そして、妻の死の原因がわたしの父にあると逆恨みして、戦地へ行かせたのも、彼の父だった。

信じていた彼に最初から騙されていたことを知り、オーナーの立場も失い、絶望の淵に立つ。

彼が死へと誘う。

それでも、わたしは死にたくない。
希望を捨てたくないから。。。。。



クライマックスのシーン。
私はどうしようもない無力感に絶望し、泣いた。

わたしと共に死ぬことに意味を見出し固執していたはずの彼が、一人で死ぬと、書き終えた脚本を持ってきた。
玄関先に置き、立ち去ったのを確認して、ドアを開ける。
脚本を読む。
彼が、死に場所として選んだのは、大帝國劇場の梁の上。

やっぱり、彼を死なせるわけにはいかない。


彼は最初から一人で死ぬつもりなんかなくて、あの脚本はわたしをここにおびき寄せるための罠。
そして、彼の手には劇場の権利書が。
一瞬喜んだものの、再び絶望へと突き落とされる。
彼は、劇場内に火を放っていた。
舞台上に落とされ、燃えていく権利書。

深い絶望が『私』を支配する。

もう、何を言っても彼を変えることができない。
『生まれた時から死を望んでいた』という彼に『それでも生きろ』ということが、とても残酷なことなのではないかという歪んだ考えが浮かんでくる。

『生きていてほしい』という『わたし』の『私』の思いを押しつけるのはエゴイズムなのではないか。

燃えゆく劇場を見ながら、自分の力が及ばないことへの無力感と、彼を救えると信じていたことが、とてもおこがましいことのように感じた。

彼が感じていた無力感と絶望感。
それを、今、初めて共有できた。

作中のわたしも、私と同じことを考えていた。

もう、いいよ。
大好きなあなたと一緒に逝けるのなら・・・・それでもいい。
手を伸ばし、彼を抱きしめる・・・・
この温もりを決して忘れないように。


梁の崩れる音。
・・・・・・暗転。。。。

流れるエンディングコール。



実は、その後があります。

彼はわたしを抱え、まだ燃えていない梁へと飛び移り・・・・
火傷はしたものの、助かっている。
たぶん、これは8月31日の深夜。(日付が変わっているかもしれないな)
怜によって燃え落ちた大帝國劇場のはずなのだけど、東京大震災で辺り一面焼け野原となっている。

劇場の再建がどうなるのかは分からない。
けれど、怜は脚本を書いている。

自分でもわけも分からずに選んでしまった『生』の世界。
今でも生きることが苦しいと思うけれど、わたしと一緒ならそれも悪くないと思ってくれている。




長いお話ですから、大幅に端折ってるエピソードもあります。
(入水心中未遂事件とか)
いくつかある色っぽいシーンも端折ってます。
けど、これだけは言っておこうかな。

耳が弱いという自覚のある人は、悶絶を覚悟してください。



2.5時間。
それでも、ちっとも長いと感じない物語でした。

眠れなくなった理由ってのは、私が感じてしまった圧倒的な絶望と半端ない無力感。
そして、彼と共に逝ってもいいと思ってしまった自分の心。
死を望んだことってないのに、それなのに受け入れてもいいと思う瞬間があったのだという事実。
なんか、そういうことが渦巻いて、身体の中でプチ嵐が起きていたようです。








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