昨日届いたディアラバDVD限定版。
今回は『銀の薔薇』シュウバージョン。
枕元PCに移して、寝落ち用リストとRejetオンリーリストに入れて、再生したのは今朝。
シャッフルして、スタート。
一曲目は…『銀の薔薇』スバルバージョン。。。
え、えーと…キミはスバルバージョンかけるの嫌がってたじゃないか。
何故にトップで流す?
1時間半ほど、時々うつらうつらしながら聞く。
おかしい、シュウバージョンが出てこない。
スバルの2回目が流れる。
リストを開いて見てみたら…ずーーーーっと下の方にポツンポツンと。。。
今度はシュウを聞かせないつもりか!(爆)


というところで、今日はこちらの感想を。



BAD MEDICINE VOL.6 東條海里

ボイスは日野聡さん


ではでは、いつものように、ネタばれは困るって人や
こういうのって興味ないんだよねって人は
このまま回れ右してお帰りくださいね。
























今回で最後となるBAD MEDICINE。
最後を締めくくるのは東條先生。
東條先生は美術の先生です。
とても綺麗な長い髪に眼帯で左目を隠している。
ミステリアスな雰囲気を持った人。

ミロのヴィーナスを描くところから物語はスタートします。
情景としては、教室の真ん中にミロのヴィーナス。
その回りを取り囲むように生徒が座り描いていく。
どうやら、わたしの位置からは欠損している腕が目につくようで…。
あちこちで声をかけながら、わたしの方へ近づいてくる東條先生。
手が止まっているわたしに気が付き、『どうしましたか?』と声をかけてくる。
ここでわたし、欠けている腕が気になって…という風に話を振っているけれど…。

私、わたしのことが少しわかってきました。

わたしは他の生徒たちみたいに『良い子』じゃない。
厳格な私立校に通っている他の生徒たちは、自分とは異質に思える。
そこそこ仲良くしているけど、今までの学校の友達とのような関係にはなっていない。
どこか一線を画した関係。
勉強も今までよりもちょっと難しい。
美術も好きじゃない。
先生たちはみんなカッコよくて、優しくて、何だか『理想の男性』って感じ。
そんな先生たちに会えるから、少しだけどお話しもできるから、転校生である自分のことを覚えてくれてて気にかけてくれたりするから。
それが楽しみで学校に来てる。
…けど、やっぱり…自分を繕っているのって疲れる。

そんな中、一日校内スケッチ会が開かれた。
校内のどこでスケッチしてもいいし、時間内に完成しなくたっていい。
人目につかないところで少しのんびりとストレスを解消して、あとは適当に描いて提出しちゃえばいい。
(先生、甘そうだし)

こんな風にちょっとずるい考えを持ってるし、遊びたい思いも持ってるし、厳しい校則だってくだらないと思ってる。
(適当にバレないように…)

それなのに、サボっているところを東條先生に見つかってしまった。
(あぁ、なんて間が悪い…)
咄嗟に言い訳が口から出る。
最初に集合してから散開することを聞き漏らしていた、と。
スケッチの場所を探していたところ、だと。
スケッチの道具を持っていないことを追及されると、
『場所を決めてから持ってくるつもりで、向こうに置いてある』、と。

声は優しげだけど、片目が隠されているからか表情が読めない。
けれど…どうやらわたしの言い訳を信じてくれたみたいだ。
わたしだけ先生の特別な場所に連れて行ってくれるというので、サボることは諦めよう。
素敵な先生を独占できるんだもの。

青い薔薇が咲き誇る薔薇園。
先生はしきりにわたしの髪の毛がキレイだと褒める。
触れて…髪の毛に口づけて…
先生と共有する秘密の時間、そして秘密の場所。




もちろん、先生はわたしの言葉に騙されてなんかいない。
嘘だと知っていて、その嘘に付き合っていただけ。
『授業の無断欠席』は当然『特別指導』の理由になる。

呼び出され、初めて足を踏み入れた特別指導室。
中に居たのは、東條先生。
ハサミを片手に、いつもと様子が違う先生が恐ろしい。
ミステリアスな美しさを持った先生は、その回りに狂気を孕んだ空気を纏っている。

そう、痛いことをされるとか、酷いことを言われるとか、そういう怖さではなくて、何をされるのか分からない、何を考えているのか分からないという、先の見えない恐怖。
狂気による恐怖。



ここで、私にとっても、わたしにとっても、衝撃的な事実を知ることになります。

この聖クリストファー学園の理事長が東條先生だったということ。
なるほど、納得です。
ここまで厳しい校則。
違反者には容赦しない罰を与える、お仕置きと躾を施す『特別指導』。
全ては、東條先生の『美』への拘りが作り出したもの。

外見の美しさ。
見た目を飾る美しさ。
彼が求めているのは、飾らない美しさと、それに見合った内面の美しさ。

キレイな髪の毛を持っているわたしだけど、その内面は?
自分がよく見られるためなら、嘘をつくのも厭わない。
ストレスがたまれば、授業をさぼっても心は痛まない。
カッコいい先生にキレイだと思われたいから、見つからない程度に違反したっていいじゃないか。
特定の先生と自分だけ仲良くしてるという優越感。




私が、このシリーズに妙に心惹かれてしまった理由はここにあるのかもしれない。

心に一点の曇りもない、なんてことは言えない。

素直に言えばいいのに、不用意な言い訳をしたこともある。
自分が優位に立ちたいが故に、ライバルを憎んだこともある。
自分のことは棚に上げて、責めたこともある。
本心を偽って良い顔したことだってある。
自分の心に言い訳をしつつ、嘘をついたことも、結果裏切ったこともある。

自分の心の傷には、人に傷つけられたものの他に、自分で傷つけてしまったものがある。
自分でつけた傷に気がつかないフリをしていても、それを見つめなければ治すことはできない。

自分の中の黒い部分、汚い部分は見たくない、見せたくない。

けれど、そこを見つめていかなければ、本当の自分は分からないし、傷を癒すこともできないし、向上もできない。

そう、ただ前に進むのではなく、下に進むのでもなく…、私は上へと進んで行きたいから。


きっと、何度もBADの先生たちに会いたいと思ったのは、何度も聞いているのは、自分の心を開放する手伝いをしてくれているから、なんだと思う。
奇しくも昨日引いたカードで『自分を許して』というものが出た。


私は、『幸せになってはいけない』と思い込んでいた自分、思い込まされていた自分から解放されたいんだ。

先生たちに叱られ、導かれ、そして…許されたいんだ。

「もう、いいんだよ」と…愛されたいんだ。


掴めそうで掴めない。
指の隙間から砂が零れ落ちていくように…逃げていく感覚。
このシリーズ最初の志奴先生の時から、常に感じていた『掴めない想い』。
最終巻で、ようやく手にすることができました。







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