とうとう、蹴られてしまいました。



あ、私じゃありませんよ?


覚えておいででしょうか。

以前書いた生徒さんの話です。(記憶にない方はここをクリック)



「こんなこと、先生にしか愚痴れないから」

と、始まった息子さんに関する愚痴。


それが、今回は・・・エスカレートしないといいなと思っていたのに・・・。




原因は母(生徒さん)が、

ピアノの下に敷くカーペットと脚立(今までのは壊れかけているから)を

通販で買ったと告げたこと。



「何でそんなものを買うんだ!」


と、いつものように大声で怒鳴る。


――だいたい、息子さん、あんたの稼いだお金じゃないんだから

   あんたに文句言う資格ないと思うけど


母も負けてません。

声を張り上げて怒鳴りかえしたら、脛のあたりを蹴られたんだそうです。


生徒さんが言うには「加減していたよう」だけれど。

蹴られたのが、昨日の何時のことか知らないけれど、

今日の午後の教室の時に、「ようやく痛みが引いてきた」と

言っていたところをみると、

結構力が入っていたんじゃないかと、想像できますよね。



前にも書きましたが、この息子さん。

働いていません。

専門学校を出て、勤めた会社を1年で解雇されたんだそうです。

息子さんが言うには、

「自分と同じ新入社員11人全員を解雇した」、と。

「次の年の新入社員をとらなくちゃいけないから、去年の人は全員解雇」

ってことになったんだ、と。



これって、こんなことってあるんでしょうか?

時期はバブル崩壊の頃ですが・・・私はちょっと疑ってます。



ま、とにかく、会社を解雇され、「ちょうどいい」と車の免許を取りに行く。


これは、いいでしょう。

免許はあった方がいいですからね。



「他の街に引っ越したら働く」


ちょっと意味が分かりませんが、

父親の仕事の関係で引っ越しの話がでていたそうなので。

ところが、引っ越し先でも仕事を探そうとしない。



「他の街に引っ越したら働く」


今度は家を建てての引っ越しだったのだけど、

やはり働く素振りは無い。

そうして、今に至っているわけですが・・・。




こんな息子でも、母親は庇うんです。(切ない親心ですね)

最初の就職の時に解雇されなければ・・・

あんなひどい会社にあたらなければ・・・


そうだったなら、きちんと仕事をしているに違いない、と。




でもね、一緒に解雇された他の10人、みんなが無職やってるとは思えない。

会社に失望したからといって、仕事をしない、という選択肢を選びはしない。

他の人たちは、頑張って仕事を探して就職したでしょう。


自分の生活のために

自分の大切にしたい世界を守るために


そう、生きていくために





100歩譲って、働きに出られないくらいの絶望を覚えたんだ、としたら。

だったら、自分の力で生きていけていないのだから、

40歳を過ぎても親の世話になっているのだから、

その親に暴力を振るう、暴言を吐くなんてことは、絶対にしちゃいけない。


年相応に(それ以上かもしれないが)物忘れが増えてきている母親に


「さっきもその話しただろ!!」

「何度も同じ話するな!!」



確かに私も、何度も何度も同じ話を聞かされます。


ビーズも、同じ編み方の繰り返しの部分でも、

何度も何度も同じ説明を繰り返します。

それこそ、「3分前にも同じことやったよね?」ってことでも。



「何回も同じことやってるのに、全然覚えなくてごめんなさいね」

って言われるけど、


「いつも、新鮮な気持ちでいいじゃないですか」

と、答えている。


だって、忘れちゃうんだから、仕方ないでしょ。

忘れるのは罪じゃない。

そこにイラつく必要はない。



自分だって、「この話誰かにしたけど、誰だか覚えてない」って話してみたら

「あ、この間聞いた」なんてことはよくあることだし。


次はこれをしなくちゃって思ってて、他のことを先にやったらすっかり忘れた、

なんてことだってある。



同じ話も、

「それだけ印象的なことだったんだな」って何度でも聞いてあげればいい。

話を聞いている時間や気持ちの余裕のない時は、

「この間もそう言ってたね」って言えばいい。

怒鳴って止めさせる必要なんて、どこにもない。




息子さんにこういうことを伝えられるのが一番良いのだろうけど・・・




生徒さんのミシンの調子が悪くなった時に、

ちょっとネットで直してもらえるお店を調べたことがあったんです。

息子さんが車で行ける距離の、お店の場所と電話番号をプリントアウトして、

そうしたら、

「俺がやるって言ってたんだから、余計な話ししてくるな!!」

と、怒鳴られちゃったとかで。。。


ミシン程度の話で、この反応なのだから、

もっと核心的な話になったら・・・・・・。




友達との付き合いも完璧に断ってしまっている。

ネットで他の人の考えを聞くこともない。




買い物には出歩くようなので、精神的な引きこもりとでもいうのでしょうか。




無力ですね。

何もできません。


私にできるのは、生徒さんの愚痴を聞いてあげることだけ。




ビーズ教室に来ることが楽しい、と言ってくれる。




じゃあ、せめて、ここにいるときだけでも。

一週間に一回だけど、

アクセサリーを作ってお喋りをして、笑って・・・

気分転換して、少しでも幸せな気分になってもらえたら・・・。





人を(親を)蹴った自分の足の痛みを、心の痛みを感じていてほしい。


後悔という傷を負っていてほしい。




もう二度と、こんなことがないように。








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