目の前で、キスシーンを見たことありますか?
えぇ、もちろん、テレビや映画でなく。
小さな子供同士でもなく。
親と子でもなく。
わたし、あります。
それも、18歳の女の子同士。
わずか30センチの至近距離で。
北海道から出てきた私は、
あの当時は珍しかった「コンピュータ・グラフィックス」のある専門学校へ入学。
秘書科や観光科、情報処理科といったところが花形。
クラスの人数も多い。
対して、CG科は12人という小所帯。
12人中、女子は3人。
前にも、書いたことあったと思うけど、
男子3人、女子3人で仲良くなり、何となくグループに。
なぜ、この6人グループになったかというと、
切っ掛けは、たぶん私。
最初の授業のとき、コンピュータルームでのこと。
自由に座っていいということだったので、一人ポツンと座ってた女子の隣へ。
少し話をしていたら、趣味が似ていることに気が付いた。
趣味、そう「やおい」。(今はBLですね)
ふと前列のパソコン画面に目をやると、そこには「ミンキーもも」。
私はこっちに出てきて初めてパソコンに触れたのだけど、
この男子は、高校生の時からずっとやってるということで、
自宅で描いた絵のデータを持ってきていたんです。
「えー、上手」とか言いながら見ていたら、
私の後ろの列にいた女子も話に加わり、
さらにその子の隣に座ってた男子も加わり。
これで、5人。
もう一人は、一週間くらい経った頃。
何となく、数人くらいまとまって座ったりお喋りしたりしている中で、
一人だけ、ポツンと座っている男子。
簡単なプログラミングが終わると、他の人のを見て回れる自由な授業。
覗きに行って、そのまま、空いていた私の隣の席へ連れてきちゃった。
こうしてできた6人グループ。
いろいろ話しているうちに、分かってきたこと。
ミンキーももを描いていた男子は、2次元に恋するヲタ。
絵を見て寄って来た男子は、写真投稿雑誌にせっせと投稿しているカメラ小僧。
後ろの列にいた女子は、現役のH系青年雑誌の漫画家さん。
最初に声かけた子は同人誌作ってる。
ジャンルはもちろん、やおい。
絵も描けるけど、仲間に上手な人がいるから小説書いてる、と。
最後に仲間入りした男子は、
一度大学受験に失敗して専門に来たとかで一才年上。
そして、この女子二人。
この二人が、私の目の前30センチのところで。
場所は教室で、白板の裏で、キス。
しかも、思いっきりディープなやつ。
この二人、バイセクシャルだとのカミングアウトは最初のころにされていて・・・。
でも、なんで私まで白板の後ろに連れ込まれて、
ディープキスを見る羽目になったのか・・・。
もうね、昔過ぎて、どういう話の流れでそんなことになったのか・・・。
全然、覚えてない。
「とーこにもキスしたい」
って言われて、
「遠慮しとく」
って答えた記憶はあるけど。
同性同士だからどうの、異性同士だからどうの、
っていう括りが通用しないことを身をもって知ってたからか、
もともとの感性なのかは分からないが、
男女間に友情関係は存在すると思っている自分。
ところが、元亭主。
男女間に友情はあり得ないと考える人。
最初に声をかけた女子と、最後に声をかけた男子。
この二人と時間が合うこともあって特に仲良くしてたんだけど、
あぁ、あと観光科の男の先輩にも可愛がってもらったけど、
男子と二人で遊びに行くと話すと、
いろいろ、ねちねちとうるさかったから、
「女子とだよ」
って嘘つくことが多かったな。
まてよ?
じゃあ、下の子ができる前くらいに、度々かかってきた女性からの電話。
家にかかった電話は基本的に私が出ていたから、
何度か受けたことがあるんだけど。
「会社の同僚。友達だよ」
そうか、異性間に友情は存在しないって考えだったよね。
ということは・・・。
そういうこと・・・・・・・・・ですか?
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