ミックステープをリリースしました。


Youtubeで全曲聴けるし、
サンクラからはダウンロードもできます、
お好きに楽しんで欲しいかぎり。

ちなみにサンクラは聴く専だったんたけど、この機会に有料登録して、しかも間違って年契してしまったのでこれは今後も使っていくべきなのか…

今から話す趣旨の一つ目は割とライトでファン向け、二つ目は割と大きめで音楽と社会の関係に興味ある人向けなので悪しからずです。分けて書きます。

まぁ、趣旨の一つは、
「18,9の頃やってた、ビートを作ってラップして、色んなクラブやアーティストに渡す」
という事の現代版をやりたかったわけで、

フリーで手軽に聴けるので、これがラッパーとしての再評価や、トラックメイカーとしての新しい評価、そして既に応援してくれているファンへの恩返しになればいいな、と一石三鳥のプロジェクトです。

フィーチャリングアーティストは、
フラットに今やりたい人、今だから必要な声、これからのきっかけにしてくれそうなヤツ、と声をかけていきました。皆快諾してくれて本当に良かった。

SALU、Moment Joon、Hideyoshi、Novel Core、Reddy、心からありがとう!!

そして何より、フリーダウンロードをオフィシャルでやるなんて事を許してくれた俺のスタッフもありがとう!!

形に残したい、活動を応援したいと思ってくれるめちゃくちゃありがたい人たちは、
もし良かったら、グッズとか出るので買ってください笑。
21日から、サブスクと合わせてiTunesでも販売開始するけど、タダでダウンロード出来たものを後から有償で売るなんて、もう完全に制作費応援活動でしかないので、もし買ってくれる好き者がいるなら心から二重に感謝します…。

とはいえ。
ブログの最後にも言うけど、
金銭の面ではフリーだけど、
時間を頂いているのは確かなので、
作品とライブとアティチュードで、
しっかりとお返しさせてもらいますよ。

さて、

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そしてもう一つの趣旨は、きっと現状の価値観を壊したかったのだと思う。

「日本でウケるもの」「海外でウケるもの」
なんて言葉が未だに強くあるように、

音楽やミュージシャンを取り巻く環境は、日本とそれ以外の国で大きく違う。

CDやテレビが隆盛を極めていた頃、僕は小学生くらいだろうか。


「日本と海外」みたいな事は言われていたけど、割とその時言われる海外って、アメリカがほとんど、追ってイギリスであったように思う。


日本やJ-POPがアジアのエンターテイメントリーダーであった事は恐らく間違いなかったのであろう。微妙にリアルタイムじゃないからわからない所もあるけど、間違いなく国内での「ミュージシャン、音楽家」の影響力や存在感はデカかった。HIPHOPも、「韓国でも2000年代初期までは皆日本のHIPHOPを聴いてたよ」と最近会った韓国人に聞いた。


その後時が経ち、タワーレコードがアメリカから姿を消し、アップルが参入し、

世界の音楽家達は向かう方向を変えた。

アメリカではビルボードが配信をチャートにいち早く(の様な気がする)組み込んだり、
韓国では内需が厳しくなり日本を含め海外での活動を強めることが死活問題になっていった。

日本ではまだCDやテレビの力が強く、ミュージシャンは潤っていたし、CDチャートも有力視されていた。


更に時代が進んだ。

「配信でどうせ儲からないしこのままだと皆死んじゃうから、ツアーやグッズで儲けよう!」
と、アメリカのミュージシャン…特に仲間内でパッと作ってパッと出せるラッパー達が、フリーで楽曲を出しまくった。

韓国はなんやかんやありながらK-POPを日本に根付かせ、その影響力の大きさからアメリカのアワードにも呼ばれたりする様になっていったし、実際アメリカのミュージシャンがフィーチャリングやプロデュースで入る事も増えた。

更に時代が進み現代。

アメリカではChance The RapperはついにCDを出さずにグラミーで世界一の存在になった。

韓国のアーティストは全米1位、世界1位を獲得するに至り、大きくなるムーブメントの中で韓国のみならず中国、インドネシア、とアジアのラッパー達は88risingなんかが顕著で、現在世界中から注目を集めて、88risingは今度北米ツアーを回るらしい。(日本からゲストでKOHHも回るらしい)

別に、悲観的になっているわけではない。
ただ羨ましいだけだったりするわけでもない。
現状自分の生活が精神面も金銭面も恵まれているのは確かだし、環境に感謝したい。

なにも、
「世界に取り残されてるなんてカッコ悪い!」
と言いたいわけではない。
なんて記事も上がっていたけど、まぁそれは事実だと思うけど、なってしまったものはしょうがない。

なんやかんやで僕は今も日本の音楽を愛しています。
聴いてるしね。米津玄師、三浦大知、w-inds.、、、KOHH、SALU、Punpee、、、ほら、さいこー。


ただ、
「よそはよそ、うちはうち」
これはいい言葉でもあるけど危険な言葉だ。
「日本には日本の良さがある」
のは間違いないんだけど、いよいよただそれだけでは済まされない状況が隣にある。

もう少し詳しく説明しよう。

僕はきっとこのまま、今の流れにただ身を任せていても、
なんとかなると思う。
幸い生活力も高いので、音楽以外にも色々仕事したりしてなんとかなる自信もある。


しかし、音楽シーンは、今後の若手はどうなるだろう。


欧米や韓国くらいしかわからんけど、
音楽家の影響力っていうのはどんどん高まっていて、
それこそCDの時より強いと思う。

「世界を変える25人」
みたいな記事が出る時には、ベンチャー企業の社長達に混ざってラッパーが一人、二人は確実にいる。

ケンドリックラマーはピューリッツァー賞を取るし、
Jay-Zはソングライターとして殿堂入りしたりする。

日本の音楽家は、
自分の認識が確かなら、ここ数年X JAPANやミスチル、サザンを越える様な影響力のある人は出てきていない気がする。

これがヤバイ。

断言するけどこの状況が続くと、

CDシングルを出すミュージシャンは減るのは確実なので、
それ以外の収入を得る方法が無い以上音楽だけで活動を続けられなくなるミュージシャンが増え、
その残ったミュージシャンも楽曲が全国的に伝わる手段や影響力を持たない、

簡単に言うと我々が大好きな日本の音楽は、その数もクオリティも影響力も落ちて行く(可能性が高い)。

そんな感じになると思う。というか、冷静に見ても20年前と比べると明らかにそうなっているわけで。

あんまこんな事言いたくないけど、
現状すでに、若手であらゆる面で成功してる日本人、見たことないよ!
同世代で他の仕事してる奴と比べても。


ただ一つ、
それでも音楽は無くならないし、ミュージシャンがゼロになるってこたぁないだろう。
きっと素晴らしい曲やびっくりするアクションを起こす人は絶対にいる。

それでも、相対的に、
次第にリスナーの皆が聴く音楽が日本の物ではなくなって行くだろうし、
そうなると若くて才能がある人は早いうちに音楽で生計を立てることを諦めるというのも確かだろう。
海外で早めに活動を始める人も増えるかもね、それはいいことだと思うけど。KOHHが早めにアメリカ住んであっちで活動してるのとかは先駆けかもね。

話まとめると!

俺は日本のイケてる音楽が死ぬまで聴きたいの!

ただ単に、おじいちゃんになってもイケてる日本の若手の音楽が聴きたいし、願わくばそいつが世界中でめっちゃリスペクトされてて欲しい!

そして俺はそいつよりリスペクトされるスキルと影響力を保っていたい!笑


というだけなのだ。全然世代違う若手と対バンとかしたいし。

そんな俺の夢が叶わなさそうなら、叶う様にアクションをしたいよね。


さて、

今回のミックステープが日本の状況を変える?
そんな力は今の俺は持っていないよ。

ただ、
バタフライエフェクトよろしく、
数年後に大きな何かになって返ってくる可能性はあるよね。
それが他の誰かであっても嬉しいし、
自分でありたいのも正直なところでさ。

はて、
いったい今の状況の、何が悪いのか?

音楽業界?ベテラン?若手?
いや、今の状況は音楽だけの問題でも責任でもないよ。
政治?社会?人間関係?メンタルヘルス?インターネット?

君や俺の中にいるあの感情??

なんて、
俺は悪いもの探しをしたいんじゃないんだ。
憂国の志士になりたいわけでもないんだ。

ただ、一個でも多くネガティブな状況や感情から解き放たれたいんだ。

それが聴いてくれた人に伝播していけばいいな、と思うしそれが生業だよ。

FREE TOKYO.

ミックステープは、お金はフリーだけど、
たしかに聴いてくれたその時間は頂きました。

利子つけて、前向きな感情と価値観を与え続ける事を約束しよう!

…堅いか?やりなおそう。

たまにポップなの作って、
たまにハードなの作って、
すげーいいライブやって、

幸せにしてみせよう!

そんな感じでした。

2018.08.07
-SKY-HI