クライマーズ・ハイ | ~ イチゴイチエ ~

クライマーズ・ハイ

昨日久々に映画館に観にいった。


「クライマーズ・ハイ」

日航123便関連の話ということと、
堤真一さんが出ているので。


ネタバレは極力排除しているつもりですが、
私見で「予備知識としてあったほうがいいかも」といった内容を記載してます。
もしそれら予備知識もいらんという場合は
読まないことをオススメします。



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この事故はボクがごく小さい頃に起こっており、
ちょうどその前後で北海道へ家族旅行に行っていたそうだ。


「東京でも寄って、もうちょっと遊んで帰るか。帰り飛行機にして」
という親父の意見もあったらしく、
(結局はそのまま帰ったらしいのだが)
もしかしたら確立はかなり低いにせよ、
この世にボクがいなかった可能性もある。

本当なんだかどうか真偽は不明だが、
こんな経緯を親父から聞いたことがあり、
日航の事故はボクにとってなぜだかいつもトゲのように
心にひっかかっているのだ。

事故自体の大きさ、凄惨さの為かもしれないが。




さて、映画。



「クライマーズ・ハイってもんは、本当にあるの?」

「・・・・・・怖かったな」

「怖い? 異常に興奮して、恐怖心が麻痺しちゃうんだろ?」

「解けた時が怖いんです。
貯め込んだ恐怖心が一気に噴き出して、一歩も動けなくなる。
体中の筋肉が強張って、動くという意思決定を拒絶するんです」

「だったら・・・・・・おれも体験した」

「いつ?」

「ジャンボが墜ちた一週間さ・・・・・・」


1985年8月12日――。





クライマーズ・ハイとは
…登山時に興奮状態が極限まで達し、高さへの恐怖感が麻痺してしまう状態。






内容は日航123便の事故があった日から
大体一週間ほどに焦点を当てた映画である。
舞台は群馬県にある架空の新聞社。



尚、原作は未読、かつ前情報一切無しで観ることにしました。

実際の飛行機の事故までの状況や、
機内の様子等、そういった場面は一切出てきません。

唯一映し出されるのは事故後、現場に行った記者のシーンのみ。
それ以外は基本的に新聞社内等で話が進展します。



感想から言うと、
現時点で今年公開の映画(全然観てないけど。爆)でダントツ。

かなり面白かったです。
前述の通り、事故の描写は殆どないので
実際の話は堤真一演じる主人公の人間ドラマなのです。

新聞紙面を作るに当たっての、上層部との軋轢・葛藤・苦悩
そういったものに焦点が当たってます。

なので事故自体、事故に関するドラマが観られると思ったら違います。



そして話がガンガン進むので相当集中しないと大変です。
またメインとなる舞台での編集室でのやり取りが激しくあり、
臨場感を出す為に言葉が早口だったりと言う事もあり
ついていけなくなる人も多くいるんじゃないかな?と感じました。


ただ臨場感は凄い。
おそらく同時に何台かカメラを回してるんじゃないかな?
役者の演じている緊張感がビシビシ伝わってきます。





また登場人物も一気に現れて進展。
個人的には前情報が少しあった方が良かったかも・・・と思いました。


公式サイトにあるもので、
「人物相関図」は観ておいても問題ないと思います。



http://climbershigh.gyao.jp/
 [ 公式サイト ]


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そして劇中「大久保連赤(おおくぼれんせき)」の単語が頻繁に出てきます。
連赤は「連合赤軍」と思われ「あさま山荘事件」の事かな?とわかったのですが、
「大久保?」

帰って調べたら「大久保清連続殺人事件」の事でした。

これと「連合赤軍リンチ事件」を合わせ、
地元群馬で1970年台にあった2大事件を「大久保連赤」と呼称してます。
小説だとちゃんと説明あるのかなー?

いずれも事件自体の概要は知っていたけど、
ボクらの年代ではまず知らないハズ。

ちゃんとした説明が無いまま、本当に頻繁に出てくるので、
「これ上手く説明入れられなかったのかなー」と思いました。





そしてタイトル「クライマーズ・ハイ」は山登りの用語で、
意味は前述した通り。

導入部分から山の場面、
途中も過去と現在を少しづつ交えて進みます。

何が「クライマーズ・ハイ」なのかを意識して観ると
さらにドキドキできると思います。



このくらいの予備知識があったほうがすんなり楽しめると思います。






俳優陣も最高です。
堤真一さんの演技には感嘆しました。

目を見張ったのが社会部県警キャップの佐山達哉役、堺雅人さん
これまで特に印象に残る映画が思い出せないのが不思議なくらい。
メチャメチャ凄いです。
やはりウリはあの目力でしょうか。


佐山達哉と地域報道班、神沢周作(滝藤賢一さん)、
この二人のみが現場へ行って戻ってくるのですが
彼らの表情、目に是非注目してください。




その他、ワンマン&セクハラな新聞社社長
すごーいネチっこい販売局長、
なにかと嫌がらせをかけてくる社会部部長等


「あー、こんなヤツ本当にいそう!!」というキャラ設定。

それの配役も絶妙だと思います。



突っ込み入れるとすれば、
冒頭導入後、タイトルのフォントが・・・

アクション映画かSFの物みたいでした。
うむむ。


それと、髙嶋政宏さん
途中でどっかいっちゃった?

はっきりとわからなかったのでスッキリしないです。


あと、実は家族の物語も若干交えてあるのですが、
最初の方と最後を含め
「必要だったのかなー」といった印象。

ちょっとブレてしまっていると感じました。
とくに最後のシーンは蛇足かも。



細かい「???」はあるものの傑作でした。


しかしながら内容が内容なだけに、
のめり込めない人には
「長い&意味不明」な映画かも。

ちょっと惜しいなぁ。



NHKが作ったドラマ版もあるらしいので、
そっちも機会があれば観てみたい。
残念ながら(?)そっちの方が評価がいい模様。汗



尚、123便の事故については
「墜落遺体」という本があるのですが、
どういう事故だったのか「現場」が克明に記されてあります。
知りたい方は是非。
ただし読まれるには相当の覚悟がが必要です。
墜落遺体




また、事故調査委員会の発表を基にしたFLASH

こちらもご覧になられた事がないがいましたら。

http://members.at.infoseek.co.jp/tinsukou114/JAL123.swf

コックピット内と管制とのやり取りも聞けます。