
「価格と見栄えを求める一般消費者像」(健全な農産物に関心が薄い消費者)
(健全な農産物や食のことを消費者は知ろうとしない)
一般消費者層はスーパーなどで安価なそして見てくれの良い野菜を探し求めています。
スーパーには化学肥料・除草剤・農薬を恒常的に使用した慣行野菜(市場の95%以上)が並んでいます。
他方では、ネット画面では様々な情報が飛び交い、有機生産者(販売者)は様々なホームページで自社の農産物の安全性や健全性を紹介をしております。
特定消費者層(3%未満)はそれを信じて高いお金を支払って購入しています。
勿論、特定消費者層もスーパーでも農産物を購入しています。それが現在のマーケットです。
高い農産物、それはほぼ有機農産物と言ってよろしいでしょう。それは有機専門の卸販売業者か、生産者からの直接購入のどちらかで2%未満しかない特定市場(健全性を求める消費者層)は成り立っております。
有機JAS規程(化学合成の農薬は禁止)も有機物を使っていれば有機野菜であると言ういい加減な定義がありますので、どんな有機物を使っていても、有機物を使えばそれは有機野菜であり、除草剤・農薬を多用している化学肥料で栽培している野菜と健全性と言う意味では同等なのかもしれません。
その理由は配合飼料の中に化学物質・抗生物質が相当な量混入していることや蓄糞多投による高塩基濃度の肥料施肥による硝酸態窒素過多(毒害)のケースも多いからです。
一方、自然栽培生産者は農業者の0.1%未満しかおりませんから、自然栽培農産物は販売する市場さえありません。これは消費者が生産者を探し求めて直接購入しているだけです。
自然農は家庭菜園の世界であり、自立した農業者が行うのが自ら作った堆肥を使う自然栽培です。
ネット社会では自然栽培農産物へ特定消費者層が傾き始めているように映ります。
一部の消費者は野菜の健全性を求めて家庭菜園を始める人が増えているのでしょう。
自然栽培に至っては何が自然栽培なのかさえ分からないケースも多く、自然栽培と言う農法の定義は不透明なのです。
自然農と言っている方もおられますが、そもそも持ち込まない・持ち出さないと言う概念上の自然農では安定的な農産物生産は難しく、自然農は元々自給自足の家庭菜園なのです。
そんな現状の中で、自称詐称の有機野菜もあり、自称詐称の自然野菜もあります。
これでは消費者も何を信じて良いのかわかりません。
安全性を真摯に守って生産している有機農家も居ますのに、全体として日本の有機JAS野菜に信用が置けなくなったからでしょう。
でもその情報ですらほとんどの消費者は知りませんし、そもそもが日本人は健全な農産物への関心が圧倒的に薄いのです。
当農園は男は私含めて3人しかいません。女性の人数は7人です。
改めて、むかし野菜の自然農産物の定義を示しておきます。
当農園では草・葉っぱ・木の破砕屑と少量の牛糞〈発酵促進〉と焼き灰・苦土石灰・牡蠣殻しか畑に入れません。それも草木堆肥として発酵させたものです。
高窒素になり易い米糠・油粕・鶏糞・豚糞なども使いません。
畑の健全性を維持していくために農園では化学物質を畑に入れないように注意しており、高窒素栽培とならないように低窒素原料である草・葉っぱ・木屑などの自然素材を使って、微生物や菌類によってひたすら土を育てる農業です。
安全性・健全性は当たり前であり、ミネラル分豊富な栄養価に富んだ美味しい農産物生産を目指しております。
それはホームページやブログで現場写真を添えてすべて公開しております。本来、健全性を歌う場合は消費者へその農法を全面公開すべきです。
皆様には、様々なネット情報を確認する際には、何を使った有機栽培なのか、あるいは、自然栽培なのか確かめて見られた方がよろしいかと思います。
要は信用できる生産者かどうかをご自分の目で、感性で見分けるしか無いのです。
その意味では消費者も生産者も概念に踊らされることなく、肥料のこと、窒素過多による硝酸態窒素のこと、除草剤のこと、農薬のこと、土壌のこと、野菜の生理のこと、そして自然環境のことをもっと学んでいくべきだと思いますし、少なくとも知ろうとして欲しいのです。
むかし野菜の邑では全国の消費者への定期購入をメインで行っておりますが、ささやかな規模ではありますが、マルシェも定期開催しております。
そこには様々な価値観を持たれたお客様がお見えになります。
黒板の価格表示を穴のあくほど眺めては少量買っていかれるお客様や価格表などは一切見らずに買い物籠に入れていく常連のお客様もおられます。
中には何故こんなにお高いの!と聞かれる方もおられます。
安全性を追求している農産物は、労力や手間を価格に直してみると、慣行栽培と比較して少なくとも2倍以上の価格でないと成り立たないものです。
さらに加えて食の健全性・栄養価・美味しさを追求しようとすれば、慣行栽培農産物と比較すれば3倍以上の価格設定でないと継続できないのです。
高いものにはそれなりの理由があり、安いものにはそれなりの訳があるのです。
高品質農産物の生産には除草剤・農薬・除草剤を恒常的に使用する慣行栽培と比較すれば、実に3~5倍以上の労力と手間がかかっているのです。
自然環境を守り、土壌を汚さず、健全な農産物を届けたいと考えている有機農業者の手間と労力そして努力を知ろうとしない消費者の意識が有機マーケットの低迷を招いており、国の無為無策は、そうした消費者の意識の低さを投影したものだと思います。