もう立春もずいぶん過ぎましたが、ようやく2学期の朝礼トーク、だから、9月初の話になります。で、どんなテーマから入ったかというと、やはり季節もの文化祭関連なのですが、まずは「編み物」です。10年来つづけているから、長く活動に関わっているみなさんには、それほどフレッシュなテーマではないかも知れませんが、とにかく、学校というのは、毎年数百人が入れ替わる組織、ということで、今年も、話しました。編み物はどんな意味においてダイバーシティなのか?-です。
AB おはようございます。スクール・ダイバーシティです。
A 今学期もよろしくお願いします。
さて、スクール・ダイバーシティの文化祭参加は、今年で10回目を迎えます。そして、この間ずっと続けているのは「編み物」の展示なのですが、今日は、そもそもなんで「編み物」なのかという話です。
B それは、「編み物」が、「あたりまえ」に感じているいろいろな「らしさ」を「感じ直す」きっかけになるような気がするからです。
A 「編み物といえば冬」とか、「マフラー」とか、「女性がやるもの」―という感じだと思いますが、こういった、いかにもな「らしさ」を「感じ直してやろう」ということです。
B 例えば、残暑の中、気温35度の編み物、大木(たいぼく)にも、机にも、椅子にも編み付けてみる。―やってみるとぜんぜん違和感がないのが分かります。
A そして、「夢中で編んでるときに、自分が男だとか女だとか考えますか?」ということもポイントです。
B つまり、こういう経験を共有することで、「らしさ」を問い直すきっかけをつかもう―というそんな企画が、スクール・ダイバーシティの「編み物」です。
A 普段とは違う動きをしてみる、いつもとは違う視点で見てみる―という、ちょっとしたことで、「あたりまえや」「らしさ」は永久不変ではないことを実感できます。
B いよいよ2学期がスタートします。行事も盛りだくさんです。自分以外は「みんな」うまく振る舞ってるように見えてしまう人もいるでしょう。
A でも、「ぎりぎり」「いっぱいいっぱい」な誰かは、教室にも、そして、職員室にも案外いるのではないでしょうか? そんなみなさん、心を無にして編み物、どうでしょう?
B ということで、いっしょに編み付けてくれる人がいたらうれしいし、家に毛糸が余っている人は、寄付をしていただけるとありがたいです。編みかけでもぜんぜんOKです。持ち寄り先は社会科久保田先生です。
AB 宜しくお願いします!
文化祭、体育祭と全力で参加して楽しくやり切る、言うことなし-という感じでこの2学期前半を過ごすことができるならば、それに越したことはないかも知れないわけですが、どうでしょう、そんな人ってどれくらいいるでしょう?
ここまで読んでもらえれば「編み物ってダイバーシティだよ―」というテーマに加えてもうひとつテーマが織り込まれていることにピンときていることと思います。こんな誰かが案外いるのでは?あるいは自分の中にこんな誰かみたいなマインドがあるのでは?という話です―大きな学校行事が続く2学期前半、楽しみというよりも「うまく振る舞えるか不安」というそんなマインドのことです。で、そんな誰かたちにも、「編み物」、おすすめですよ、という話でした。「編み物」、いろいろダイバーシティ、ということで、また。