文化祭終わりました――といっても少し前のことになってしまいましたが、今年も振り返りを共有しておきたいと思います。
前年に引き続き、今年もコロナに注意を払いながらの、入場制限の下での開催ということになりました。まあ、ダイバーシティの展示会場が人であふれかえるということは以前もなかったわけですけど、それでも、ぶらりとやってきた来場者がダイバーシティの生徒と話し込んだり、親子連れが編み物コーナーに居すわったり、ダイバーシティの卒業生たちがたむろしたりで、なんとなくにぎわいの場になってはいました。今回、来場者のほとんどはあらかじめ申し込んである受験生&その保護者ということで、1ヵ所にとどまって思いがけない時間を過ごす-という感じにはなりにくかったのかな、とも想像します。卒業生も原則入場不可、当日のイベント参加者だけが事前登録の上で来場を認められるとうルールでした。それでも来てくれた卒業生のみんな、ホントありがとう。
事前準備も含め、展示やゲリラニッティング編み付けの様子です。少しですが貼っておきます。
https://photos.app.goo.gl/fYPiHup2BNbFrVtv8
https://photos.app.goo.gl/rdeHLdqWAX1mTE7m6
https://photos.app.goo.gl/U18225L5bGs92G7u7
https://photos.app.goo.gl/U18225L5bGs92G7u7
これは展示準備完了直前の様子ということになります。実はこの写真のあと制服改革関連で作った部分などがあったんですけど、写真撮るの忘れてしまいました。すみません。そこには、来年度こそジェンダーレス選択制導入を!―ということが明示されています。性別にかかわらずこのパターンの中から好きに選択して組み合わせることができるというやり方のことです。
さて、トークイベントですが、今年度のトークは3本、スクール・ダイバーシティのトークライブとダイバーシティゼミ2本です。これまでと比べてもかなりの充実ぶりだったと思います。
①スクール・ダイバーシティトークライブ
「ダイバーシティポリス宣言?―“気づいた”をダイバーシティする」
2020年以降、スクール・ダイバーシティのトークライブは、それまでのイベントステージをやめて、展示会場(教室)でのトークライブというスタイルにしました。イベントステージは華やかですが、最長でも20分、スクリプト通りにやるという条件などがあって、どうしてもライブ感に欠けるし、とにかくしゃべり足りないということで、自分たちの展示スペースを使って、60-90分くらいのフリートークにしてみたというわけです。もちろん事前に何度もテーマをめぐってミーティングや勉強会を重ねるし、関連図書なんかも共有します。その上でそれまでの主要な議論を箇条書きで並べる感じのレジュメだけ用意してフリートークに臨むということになります。で、録画(と言ってもクオリティの低い録音という感じになりがちですが)を共有する――というイメージです。
トークの内容ですが、dunchなどミーティングの段階でナイスな議論を重ねていた1年生たちはじめ、しゃべりたいことたくさんありそうなメーンバーを文化祭特有の用事で欠きながらも、生徒4名、卒業生2名、教員4名、かなりのクオリティでしゃべり切ることができました。これまでの積み重ねがここで次々と実を結んだという感じでした。すごく楽しかったです。おお!ってなるようなひらめきもたくさん出てきたので、共有できればと思います。ただ、変えないといけないこと、瞬発的な対応の必要と難しさをあらためて実感したタイミングでもありました。ひきつづきめんどうくさいことをおもしろがりながら、重ねていきたいと思います。以下、今回のコンセプト。ダイジェストはあらためて載せようと思っています。
ダイバーシティポリス宣言?――「気づいた!」をダイバーシティする
コンセプト――2つの次元で考える
① ダイバーシティな観点でよく考えると「これ、マジか?」――という感じで、「気付き」を得ることがある。例えばいろいろな「あたりまえ」や「ルール」。男子の教室更衣や制服の規定とか。こういういろいろについて、「気付き」の、その先をさらにダイバーシティするということ。例えば、制服フリーデーとか、バリアフリーチェックとか、今考えてるプロジェクトなんかは、気付きのその先になると思う。これがひとつめの次元。もうひとつの次元はこんな感じ。
② ダイバーシティな観点を身に付けてると「こいつ、マジか?」という場面にしばしば遭遇するけど、そんなときいったいどうすればいいの? 瞬発的でナイスでダイバーシティな対抗ってどんな? 例えば、この春の出来事、「吉野家事件」。その場にいた教授はどうしたらよかったのか? 受講者たちはどんなリアクションがありえたのか? といったことを各自がもちよった実例をもとにしゃべってみる。何か使えるアイデアが出て来るとナイス。
③ 「ダイバーシティポリス宣言」という戦略
自分や他の誰かの差別や排除に繋がるようないろいろをスルーして後悔するよりも、ウザがられた方がよくないですか? でも、ウザがられてばかりじゃちょっとイヤだから、予防線を貼ってしまおう――ということで、「ダイバーシティポリス宣言」。
②公開ダイバーシティゼミ(1)
報告者 Iさん(卒業生、修士1年)
連続読書会「この本をダイバーシティする―河野真太郎『新しい声を聞くぼくたち』」②
[第三章]助力者と多文化主義―男性性のいくつかの生き残り戦略
連続読書会の2回目になります。生徒2名、卒業生1名、教員2名で、じっくりしゃべりました。マンガ、アニメ、映画の中の「新しい男らしさ」を読み解く最新ジェンダー論を読み解く!という感じになりました。ちょっと大人が夢中になりすぎたという感じで、生徒たちには悪かったけど、この点については、勉強やるほど、しゃべりたいことやピンと来ることは増えるんだという感触をつかんでくれるといいなと思います。この本、まだまだ続けてやっていきます。
③公開ダイバーシティゼミ(2)
報告者 Tさん(美大3年)
「美大性によるフォト・ オブザベーション」
「フォト・オブザベーション」という広い意味でのデザインの手法で「もやもや」の正体を突き止めにかかります。なんか違和感ある、もやる―—という何かを写真に収めて持ち寄ってみんなでその理由を共有&言語化する、対策を考えてみるという手法は、ダイバーシティなテーマのいろいろにダイレクトに応用できそうです。ということで、後半はちょうどコロナ前のdunchのようでした。ただ、これもおもしろくて大人がしゃべり過ぎました、すみません。しゃべりたいことしゃべれなかったみなさんは、次のプロジェクトで―ということで。
文化祭直前の木曜日のゲリラニッティングから片付け日まで、いろいろ協力、参加してくれたみなさんはもちろん、普段のdunchやメールでのやり取りなどを通じて文化祭への流れを作ってくれたみなさん、ありがとうございました。来年もやりますよ。
