今年度最初のdunch(ダイバーシティ・ランチ・ミーティングの略称です)の話題など | スクール・ダイバーシティ

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成蹊高校生徒会の1パートとして活動しています。あらゆる多様性に気づく繊細さ、すべての多様性を受け止める寛容さ、疎外や差別とは対極にあるこんな価値観を少しでも広く共有したいと思って活動しています。

 高校は入学式、始業式とつづくバタバタな期間のただ中にあって、ちょっと強引に臨時danch(定例会あらためダイバーシティ・ランチ・ミーティングの略称です)を開催しました。なので、まずはそこでの議論を、続いて、今回もこの間に共有されたダイバーシティ・ネタをあげて行きます。

*臨時danchから①
 次のイベント決まりました。企画自体は以前紹介したと思いますが、こんな感じ。「ものづくりとジェンダー」。しかも成蹊中高家庭科とのコラボです。「教科」として協力してくれるのは家庭科がはじめてです。日程、進行など、急ピッチでつめていきたいと思います。同時進行で校内での宣伝も重要になるでしょう。「ものづくり」の何がどう「ジェンダー」なのかを考えたり実感したりすることのおもしろさを伝えたいと思います。
参考までに。http://ameblo.jp/sksd14/entry-12140149981.html

*臨時danchから②
 たぶん再来週(火)昼休みになると思うのですが、食堂でゲリラ的に「公開danch」をやろうということになりました。なので、ちょっと、リハまではいかないにしても、ダイバーシティな発想、議論ってこういうことだというような事例なんかはそろえたいところです。で、それに先立って、宣伝も必要だと考えていて、来週の木曜朝礼で少しまとまった時間をもらって「ダイバーシティってなんだ」的な空気を作っておきたいと考えています。宣伝という意味で最も重要なのは来週の「新入生歓迎会」でのアピールということになりますが、これについてはちょっと仕掛けも用意しているので、あらためて、結果をお知らせしたいと思っています。

*臨時danchから③
 わたしたちが学校に持ち掛けたイベント企画は何とかなりそうです。コンセプトは障害者差別解消法スタートを成蹊高校はどう受け止めるのか、という感じで、講演+ミニディスカッションをイメージしています。まだきちんと詰めてはいませんが、高2全員を対象にHRプラスアルファでできればと考えています。講演後のミニディスカッションはダイバーシティの3年のメンバー数人と講演者で講演内容について理解を深めていく、そんなイメージです。

*臨時danchから④
 わたしたちは、東京レインボープライド(trp)のパレードにボランティアとして参加しようということで、校内での声掛けを進めてきました。ずいぶんもたもたしてしまいましたが、いろいろな方のご好意もあってなんとか参加できそうです。せっかくの機会なのでポジティブなものをもたらしたり、受け取ったりといった経験にしていきたいと思いますし、来年度以降にもつなげたいと思っています。http://tokyorainbowpride.com/

 つづいて、ダイバーシティ・ネタを2つ。まずはジェンダー。女性のポジショニングの問題ですが、わたしたちはまだこんな地平にいるのかと思わざるをえないような、というか、ひょっとしたら逆行の中にいるのかもしれないとすら思える記事です。そして、わたしたちの社会が「ジェンダーギャップ指数」世界100位以降とされているのももっともと言わざるをえないということにもなるでしょう。

*ハーバードで学ぶ日本の女子学生が、将来の選択肢のひとつに「専業主婦」を想定していることが、他の学生たちを愕然とさせます。そしてそこまで驚かれたことに、今度は当の女子学生が愕然とするのです。
http://wol.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/122400041/021700003/?ST=mobile_f&nkns=woman%2F%3Fn_cid%3DLMNST001

*ジェンダーギャップ指数についてもあらためて挙げておきます。上位はほぼ北欧が独占中。
http://mw.nikkei.com/sp/#!/article/DGXLZO94172540Z11C15A1CR8000/
http://memorva.jp/ranking/world/wef_global_gender_gap_report_2014.php

*最後は「トイレで苦労してるLGBTがたくさんいる」という調査結果についてです。
http://this.kiji.is/89695943058423809

 いろいろなところを回ってこの調査についてのコメントを見てみると、ホント大変そうな話がたくさんあります。また、セクシャルマイノリティではない人たちにとっても、とくに男子トイレ「小」は使いにくいという声が少なくありません。まあ、その作りは「雑」過ぎるということですよね。だからちょっとした工夫で、使い心地が格段によくなるということは共有しておいていいでしょう。ある私立の学校(うちではないです…)では、視線が気にならないように便器の並ぶ角度に違いを付けているとのことです。

 一方で、はじめから議論するつもりのないような態度を拾うことも少しも難しくありません。「調子乗りすぎなんだよ、どうしてなんでもそっちに合わせなきゃいけねぇんだよ」という感じですが、でもそんな人だって、例えば、バリアフリーの建物ってハンディキャップを持つ人にとってだけでなく、健常者にとってもストレスが少なくて使いやすい、というロジックを握りつぶすことはできないでしょう。だから、こういう態度は、確信犯的な敵意の表明ですよね、なんか理屈ではないというか。マイノリティの声やそれに寄り添う声を聞くと自分が疎外・非難されているようにでも感じるということでしょうか。「いないはずのやつら」が声を上げることや、「いないはずのやつら」の声に応える者の存在に戸惑っているのでしょうか。

 先日、わたしたちの有志で(まあ、つねにそうなんですけど)「東京レインボープライド2016」のボランティア説明会に行ってきましたが、イベントの全体テーマとその説明は、マイノリティによる運動の盛り上がりに付随する理屈ではない敵意の可能性にさりげなく目を配っている感じで、覚悟と希望を同時に感知させるようなフレーズが鮮やかでした。これはボランティアがんばるでしょ!


Beyond the Rainbow ~LGBTブームを超えて~

「LGBT」が、ブームだという。理解が広まることは、いいことだ。
でも、ブームであろうがなかろうが「LGBT」は、ここにいる。
そもそも、「LGBT」という言葉以前に当たり前に、生きている。
多様な性的指向や性自認を、生きている。
ブームを超えて、これからも誇らしく生きていく。


ではまた。

tobe
 trpの公式マスコットのTOBEトビー