ルイマップを出たあと、またしばらく車は走り
なんだか道と不思議に交差するランプを上った先に
←イノベーション研究所
そんなのがあって
ジャンクションから分かれた取り付け道路がそもそも向かっている
ステーションらしきものの
更に先に左に分かれる道があって
進んだとこに
緑豊かな台地と
一階になんらかなマーケットらしきものだか
モールらしきものだかが入っている
駅前ロータリー周辺でひとつだけやたらに
立派なビルがあって。
で、そこにあるのが、変成ボディ研究所らしきとこ。
…エコノミックの連中も、同じことを考えてたりするんですけどね。
研究所の中にいるメガネ男とクール男の
片方のクール男が話す。
…連中の実装してるのは、僕達のほうだと
設定固定型リープと呼ばれてるもので、研究所で実装してるほうは、設定変換型リープだったり。
こんな話になると、すぐにクイズ女子…つまりはコードネームコンパスが食いついたりする。
…あー。設定固定型と設定変換型、ですよね?
設定固定型はリープ前の設定をループするタイプで、変換型は設定そのものを変成させる…
もう片方の、メガネ男が
楽しそうに笑った。
…君、理解が早いなあ。…ほんとにプリズンハウスの人?そっちにいてるより、研究所に来るほうが向いてると思うよ。こないだ、ひなたフォレスターヒルから1人来たし。
…あー。そんなん楽しいんですけど、行くと追い詰められ型反射光が暴走しちゃうんで。
…してもいいじゃん。結構こっちのメンて、そんなん多いよ?わりと、そんなタイプ好きなのも多いし。
…まー、そのうち行けたらいいんですけど、今はこの研究所ステージにいて、お話できてる、てのがなんか夢みたいで。
…そのうちおいでよ。…まあね、リープなんだけど、設定変換型だとボディ変換を伴う場合が多いんで、その変換を研究所と、研究所附設センターで請け負ってたりする。
うちは、ロイドタイプ変換の附設センター持ってたりするから、結構プリズンハウスタイプな変換
、よくケースで扱うよ。
えーと、なんだか
その堅苦しいセンターで
ウェア定着より、強烈な展開?
…そ。君のウェアを定着させるためには、未完成な君のロイド型ボディの人工表皮の部分をウェアと同質なタイプに変成させた上で、しっかり相互の素材が相互に真空に近い状態をキープできるように形成しないとね。
へ?
このワンダーランドコスチュームと
同質な
表皮?
ちょい…ちょい待って。
聞いていい?みづほ?
…あー。もちろん私も、同質化は終わってるよ。
コンパスも。
へ?
…じゃないと、ウェアが綺麗に伸びないから
その伸びて密度が少し低くなった部分と
通常の部分の密度グラデーションが作り出す
昇華光が出ないんだよね。
密度グラデーションには、しっかり表皮とウェアが擬似一体化してるのが不可欠だから。
そのあたりの造形美が昇華光に繋がったりするし。
…まあ、同質化が終わったら、すぐそっちの方が感覚的に安心すると思う。
今の君の状況て、ウェアだけが昇華光タイプになってて、ボディ表皮はまだそこまで変成してないんだよね。
その、人間タイプに近い状態に、そのウェアがあるから、ウェアの定着力が強すぎて引っ張られる感覚があると思うんだ。
あ。たしかに。
あっちこっちが、結構、大変。
…ロイドタイプ表皮変成後だと、定着力が均衡するから、ウェア着てるかどうか気にならなくなるくらい、ウェアが同質化する。
なんか似たよーな設定のアニメーション見たことあるような…
…ディフェンダータイプて、だいたい似たようなもんだからね。
で、それぞれのプリズン…つまりは、それぞれの義務遂行世界に着くけど、
そもそも他から見たら
やらされたらたまったもんじゃないような義務遂行でも
やるのが楽しくて仕方がない個体のほうの集団で各個プリズンが成立してるから
プリズン=牢獄、なイメージはまったくない。
人間世界だと、煉獄レベルに近い言い方されてるけどね。
うちの研究所がリープ先ワールドとして変成を取り扱うのは、いわば上位煉獄にあたる
抱擁ワールドのがほとんどだから
ますます、プリズンイメージないし。
へ?プリズンて、そういう意味?
てっきり、プリズム、的なもんかと…
…似たような性質の個体が作る、リープ先ワールドだよ。敢えて君たちみたいにプリズンをわかりやすく使ってないだけで。
で、今から附設センターに向かうから。
少し東のほうになるけど。