光が降りてきたような感覚のまんま、
遠くに見えた山の方角へ向かう
なんとかカレッジゆき
…正確には、ウエストラクーン学術都市ゆきみたいなバスが走ってる。
なんとかカレッジは、学術都市の中にあるんじゃないかな?
わりとそんな行先標、多いし。
感覚だけじゃなくて、なんだか
雲の切れ間から虹の光でも射してきてるような
そんなプラズマっぽい世界が外には広がってる。
広めの川を渡るあたりで、ずっと見えている遠くの山がなんとなく近づいてきて
そこからかなーり走った、山の結構どまんなか。
アーティストビレッジの場所、て
そんなとこ。
とりあえずビレッジ入り口の事務所に行け、
だっけ?
…
…
なんだか山の向こうまで続いていきそーな
バスの走ってきた相当なバイパスみたいなのの
近くに
ログハウスみたいな建物があって
まー、
きっと、こんなんが事務所なんだよね。
…あ、そこの君。
へ?
…そこ歩いてる、君。
へ?
ここ、歩いちゃ、ダメ?
…じゃなくて、君、て移行システム利用者だよね?
あ。
なんとなく理解できた。
ま、こっちの世界て、そんな能力者だらけだし。メチャクチャ察知能力高いんだよね。
ほら、観光ツアーのみなさんがホテルに着いたら
なにがしか三角っぽい布切れ持ってお迎えに来るじゃん。
察知能力高い世界だから、きっと
まだ到着する前からいきなし案内人が来るんだって。
…ネオラクーンとオールドラクーンの細かい説明するから、来て。
声のするほうを見ると
コスプレーヤーぽい
ゲームキャラぽい
アニソンシンガーぽい…
…
えー。
…
アーティストビレッジて、
コスプレ村?
…あのさ、君たちの世界だとコスプレなんだろーけどさ。こっちだと、これが普通なんだよね。
へ?
この、なんだか
ラクーンゲート駅前のケーキ屋にクリスマスシーズンだけいそーなバイト店員を
限りなくアニキャラ化したよーなコスチューム、が…
普通?!
…私たちのほーから見たら、君たちのほーが
随分古くさい星の原始生命体コスプレなんだからさ。見てられないから早くこっち来て着替えて。
いやいや、けっこーなもん着てんだよ?
君、このブラックワンダーランド的なもん
着れる?
この流線光ウェア着るのて、半端なく勇気いるよ?
…それくらいのてさ、キャプチャーくらいのもんだからさ。こっちの世界だと、原始的キャラクターウェアなんだよね。イメージ世界上に自分を具現化する程度のテクノロジーだから。
は?!
原始的テクノロジー?!
…まーね。君たちの世界てさ、それくらいのレベル。こっちの世界は、イメージ世界上に存在するキャラクターに、自分の造形を完全に合わせることが出来たりするんだけど?
え?
つまり、君て、キャラクター?
…違うって。造形融合済ましたらこんなレベルじゃないし。これって、造形融合用の基礎ボディに過ぎないから。…で、早く。
なんだか微妙に腹立つ展開になって
ま、仕方ないから着いていったら
随分豪華なコンテナハウスの前に
更に1人の光り輝く少女がいた。