都会へ帰る準備を進める子供の前に

チームメイトが現れた。


夏休みの最後の日曜日


あの、県庁の町のチームが

同じようなOB戦をやりたいと申し込んできたという。


県庁の町で優勝した世代が
小さな神社の町に負けたままでは

県庁の町の子供たちの方にシコリが残る。


だから、もう一度、やらせてほしい。


そんな話。


同じようなOB戦を優勝した後のチームは

喜んでそれを受けたという。


そして、あのチームとやるならば


メンバーの欠けた状態では自分たちも
相手も


満足しないだろう


そこで、帰る準備に追われているのは知っていて


最後の日曜日の試合に

都会の子供を呼びに来たのだ。


都会の子供はしばし考えてから


都会へ帰るのを、2日遅らせた。


新学期には間に合わないが


集落での日々を


大切にしたのである。