どこかの町へ 誰かの元へ -4ページ目

どこかの町へ 誰かの元へ

まとまりのないものや、かたちのないものばっかです。









亡き母が見守ってるとか泣くよとか言われたところで動かぬ私



空の上或は土の奥深くいるってことに一応しておく



墓前にて元気ですかと問いかける元気じゃないから眠った人に



文系で大学院に進むこと反対された最後の喧嘩



合格に本人よりも引くくらい喜んでたのでそれは覚えてる



毎日を平和に過ごしたそのせいで最後の会話は覚えていません



12月初めのいつもの寒い朝やけにうるさい着信の音



病院で医者がいたって淡々と小説みたいな事を言ってた




突然に倒れ5日も昏睡しさようならって私だけが言う




カレンダー破って月末の私の誕生日にマルしていたあなた




「ありがとう」あなたに言ってるんじゃないあなたのかわりにみんなに言ったの




生きているだけで幸せなわけない
側に誰かがいてくれなくちゃ




不幸でも不健康でも不運でも
側にいるだけで笑ってられた




死ぬんだな私もいつかだって今
私を生んだ人が死んだよ




怖かった私がいつか死ぬことが
あなたがいない現実よりも




亡き人の未練ではなくこれからの
日々を案ずる生きている性



母一人いなくったって私って意外と普通に生きられちゃうんだ




あまりにも通夜に生徒が多く来て最後は私の顔も死んでた
  



参列者全員焼香終えるまでお経を何度唱えたのだろう




生徒らが口々に言う先生は老けない
だけど親は老けてく




感傷に浸っていても仕方ない
卒論締め切り通夜の一月後



パソコンにかじついてはふと線香ふわりとにおってぶわっと泣き出す



のうのうと生きてる友が
つぶやいた死ねで激怒しまとめて退会




遠くから会いに来てくれる母の友、親戚だけが本当の味方




「辛いでしょう?私がこんなに辛いのに、実の娘が無理しちゃダメよ」





笑うたびもっと泣けとか
手伝えば無理するなってなぜか怒られ





亡き人の悲しみから目をそらすため
仕事を取り合い全力でやる





することがない→
考える→母→もういない
→泣く→励まされる→また休まされる→




決めました呼ばれた葬儀では必ず
一番悲しむ奴をコキ使う




葬式でみんながよく働くわけは
誰かを失ったことがあるから




葬式で私を救い出したのは
寿司うまいって頬張る旧友




いい街に住んでるねってライン来て
初めて知った来てくれてた友




「じゃあ今度飲みにおいで」と送ったら
2秒で既読「遠すぎるムリ」




「交通費全額負担するのなら行ってもいいよ」「じゃあ来なくていい」





はれ物じゃなくてきちんと
生き物と扱ってくれて
どうもありがとう



人生で4番目にどうかしてた頃
こんなかんじで明日へつづく


#短歌 #連作