購買力平価でドミニカ共和国が日本を既に上回っている、
そして日本が急速に発展途上国化しているという
問題について書きましたが
昨年日本に行った際に印象的だったこと。
それは銀座、つまり日本では一等地で
物価が最も高い場所で
牡蠣とステーキがのったカレーが2000円、
これがドミニカ共和国のあるデリバリー専門の
ステーキチャーハンより3割近く安かったことです。
デリバリー専門なので決してサントドミンゴでも高い
部類のレストランではありません。
それにも関わらず銀座の値段がステーキだけでなく
牡蠣までのっていて3割近く安い値段でした。
未だに日本人の多くがこういう問題意識について
疎いのに驚かされる。例えばドミニカ共和国の平均給料などを
見ているだけだとこのような問題に気づかされませんが
首都圏の都市部と地域の格差が非常に大きいからこそ平均化すると
分からなくなります。
またドミニカ共和国の雇用市場では日本と同じく
労働者において社会保険料が個々に発生し、その料率が
約10%(日本は18.3%)と高いためにこの社会保険料の
支払いを避けるために固定給を下げて他のコミッションなどの
販売手数料をほぼ固定給と同金額近くまで
払う企業が多いので総じて表面的なデータで出る平均給料では
実態が把握できないのです。特に政府が公表しているデータに
ついては首都のサントドミンゴではあてはまらないという
印象が強いです。
実感値としてうちの会社のスタッフの話を聞いていても
首都圏のサントドミンゴにおいては物価の上昇も激しく
給料がUS$1000ドルだと家族持ちの場合は
生活がかなり苦しくなっているという印象です。
かつてはドミニカ共和国で月給でUS$1000ドルも
あればかなり良い職業の部類でしたが今では遠い昔です。
自分がドミニカ共和国に来た当時は日本大使館やJICAに
勤めるローカルスタッフの給料は通常の企業と比べて
高くて良い職というのが常識でしたが
ここ数年でそのような常識も変わりつつあるのです。
日本という国全体が賃上げできる状況ではないため
当分この傾向が続きそうです。
自分の周囲でも日本でのこの年明けからの電気代の値上げの問題が
戦々恐々、騒がれています。
ただ問題はインフレが厳しいと言っても日本においてのインフレはこれでも
世界の国と比較してもインフレ幅はかなり少ない。
それは日本での賃上げそのものができる見込みがないのも
影響しています。
実際現状の終身雇用の制度が続く限りは
企業の立場として簡単に賃上げができない状況が続くわけですし
終身雇用が続く限りは残る選択肢としては「全員で貧しくなる」
道を選ぶしかないわけです。
我々日本人は本気でこの問題に
向き合わないと取り返しがつかなくなります。
このコメントでも「いつまで続くか」ではなく
本格的にこれから長年に渡り子供の代まで続いていく、
ようになりますがこうならないように本気で政治改革を
しないといけないのです。