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セビーリャにあるカテドラル(大聖堂)を訪れました。
ここも人気の観光エリアなのか観光客の列が長かった。

この大聖堂の内部にはコロンブスの墓があることで知られています。
そしてドミニカ共和国にもファロ・ア・コロンと呼ばれるかなり立派な
コロンブスの墓がありましてよくスペインとドミニカ共和国でどちらに遺体が
あるのかという論争があります。

↓(ドミニカのファロ・ア・コロン)
http://blogs.yahoo.co.jp/skpanic/47283180.html


そんな話を聞いていたので大聖堂に来たのは一度ここのコロンブスの墓を
見て見たかったという理由で大聖堂自体はサラッと見るぐらいでいいかなと
思っていました。
というのもドミニカ共和国にもヒグエイという町にかなり大きい大聖堂が
ありますしそれ以外にも中南米の様々な国で大聖堂を見ていたので
「どこも似たようなものだろう」と
思っていましたが良い意味で期待を裏切られました。













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このセビーリャの大聖堂に足を踏み入れて驚嘆したのが天にも届くのでは
ないかと思うようなものすごい高さ。
こんな高い大聖堂を当時の建築技術でどのように建てたのだろうと思うぐらい
ものすごい迫力の内部の高さと広さでした。
相当すごい大きさとは聞いてはいましたがここまでとは。。。
中南米の大聖堂と比較してもそのけた違いの大きさに終始見上げてばかりで
これは本当に百聞は一見にしかずだなぁと思いました。

この大聖堂は1401年に開かれた教会の議会の決定で
「後世の人々が我々を正気の沙汰ではないと思うほど巨大な教会を建てよう」という
コンセプトで建設が行われたそうです。
当時の欧州の教会は自らの権威を高めるために競争するように教会の
高さ、大きさ、装飾の豪華さを極めたと言われています。

上記に書きましたが中南米にある教会もどこもその土地の権威の象徴を表すために
相当立派な建物が多いです。例えハイチやガイアナのような西半球で最も貧しいと
言われていてしっかりした建物も少ないような国でも教会だけは立派でした。


教会がそこまで権威にこだわるのは何故でしょうか。この巨大なセビーリャの教会を
見ていてもやや病的な迫力すら感じます。

中世のヨーロッパで各地域を統一していた存在として「王様」という存在がいました。
王様の権力は絶対で税金を民衆から取り立てそれを時には激しく無駄使いなどを
する、もしくは自らの領土を広げたいために戦争をしてそのための
戦費もまた重税で賄う。民衆は苦しむ、そういう時代が長くつづいていたわけです。

でも大事なことは「何で王様がそんなに勝手なことができるのか」ということです。
中世の時代に「王様」の明確な法律があったわけではありません。
そこで登場するのが「神」という存在なわけです。
当時は王様は神の現存世界における使いという名目でこのような民衆から重税を
取り立てて苦しめたとしても民衆としては従う必要があるという「建前」が
存在していたのです。

王様としては自らが神からの使いということを正当化していく必要があります。
それが何らかの理由でできなくなるとイギリスの市民革命のように王様と言えども
民衆からギロチンで首をはねられるからです。
王様も必死です。自分が裸の王様でないことを「常に」民衆に知らしめないと
いけませんよね。
そのために王様が最も重要視したのができたのがこの教会という存在です。

やがて王様はこうして教会をうまく味方につけて
皇帝としての地位をローマ教皇(カトリック教会)から
譲り受けたりその見返りといて教皇側は王様から領地をもらいうけたろして
お互いが手を組み合いものすごい権力や財産を蓄えるようになるのです。
当然教会が王様に対して神の使いであることを正当化していく責任を持つために
教会も必然的により高い権威をどうしても必要としたのです。
当時ヨーロッパ中の教会はお互いに教会の高さなどを競い合ったそうですが
必要以上のこのような権威を高める
その裏にはこのような王様=神の使いであるという建前を守るためでも
あったのだと想像されます。(もちろん王様から見返りといて領土や多額の財産を
譲与されたのでそれだけの財力があったからこのような立派な建物を建てることが
できるというのもあると思いますが)

そしてキリスト教徒が支配する欧州の国に仮にイスラム教徒が攻め込んでくると
王様としては一大事なわけです。なぜなら自らはカトリック教会(キリスト教会)
からお墨つきをもらい、そのお墨付きの上で国民から自由に税金を
取り立てていたのにイスラム教徒に支配されたら王様のお墨付きも
もうなくなってしまいます。
本来宗教というのは誰が何を信じて心のよりどころにするのかというのは
その人の自由であるはずですが(少なくとも我々現代の日本人の感覚ではそうでしょう)
王様としては自らの国の民衆が何の宗教を信じるかは自らの
権力の「理由づけ」とも関係してくるわけだから
自由な信仰を許すことがこの頃から許されなくなったしそのために
異端訊問が行われたり、イスラム教徒やユダヤ教徒、ゾロアスター教などの異教徒が
自らの領土に侵入してくるのは一大事となっていったのです。


この構造を理解していくと世界がほんの少しだけ見えてくる気がします。
自分はニュースなどを見ていたり過去の歴史を見ていても
宗教と言う学問と遠い日本で教育を受けたせいか
この宗教間の争いだけはとても謎が多くて
なぜこんなことが起こるのか昔はよく理解ができませんでした。


1)何故当時からキリスト教徒とイスラム教徒があれだけ
殺し合いの争いをしたりユダヤ教徒が差別されたりするのか


2)何故ペルーの宗教裁判所のようなものが存在したり残虐ともいえる異端訊問
や拷問が存在したのか、そこまでしてキリスト教徒に改宗する必要があったのか。


(ペルーの宗教裁判所博物館と残虐な拷問の様子)
http://blogs.yahoo.co.jp/skpanic/44290894.html


3)何故新世界(今のドミニカ共和国)に到着したコロンブスが黄金を探す目的以上に
現地人のキリスト教徒への改宗に熱心に取り組む必要があったのか。


4)世界は何故今でもいたる所で異教徒同士の戦争があるのか


この王と教会、ローマ教皇などの関係性を理解するのは個人的にとても大事だと思っています。
何故ならこれを理解していくと世界のこういう構造だけでなく
日本の天皇制や靖国神社の問題などもとても
分かりやすくなりますしマスコミからの情報ではなく
「自分の頭で」考えられるようになるのではと思います。
(我々日本人はそもそも「天皇は何故偉いのですか?」と聞かれて
答えられる人はかなり少ない)

世界で起こっていることは意外と我々は表面の情報しか見えてない
ことがほとんどですがこれからも少しでも世界を理解していければ
と感じています。













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パイプオルガンも装飾がすごく凝っていて立派だった。










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イエスキリスト像。












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コロンブスの墓。
コロンブスの遺体は彼の遺言に沿ってドミニカの首都サントドミンゴの教会に
埋葬されたというのが通説ですが
最近はスペイン側が抗議してセビーリャのこの大聖堂にあるという論争があります。
実際遺体はセビーリャにあるのかサントドミンゴにあるのか自分も見たことないので
分からないですが、
1体を取り合うわけにもいかないだろうしソロモンの知恵ではないですが
上半身はセビーリャ、下半身はサントドミンゴにある
という審判をすればどちらにも観光客が集まるのではなどと思ったりも。











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装飾品の展示。














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大聖堂の中庭に出ると隣には「ヒラルダの塔」と呼ばれる場所があります。
12世紀末にモスクのミナレットとして建設された塔です。











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このヒラルダの塔に上ってみます。高さは97m。










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ひたすら登りましたので相当疲れましたが
高さ34階!までありました。












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塔の一番上に出ました。セビーリャの街を一望できてとても
気持ちの良い場所だった。















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