食に対する教え | 交心空間

交心空間

◇ 希有な脚本家の創作模様 ◇

 まーくんの子ども・りーさんも十一ヶ月を過ぎ、かわいらしい歯が二本生え
たとのこと……。おまけに好奇心旺盛なこの時期は、手にしたものをなんでも
口に入れたりで、先月もガラスの飾り物を壊したあと、口に入れて(まーくん
は)大慌てだったそうです。


 これは食べられないものなので、親として「ダメ」と教えていくのが当然で
すが、食べられるものでも、乳児幼児のころは、食べていて落としたものを拾
ってまた食べようとしたら、「ハバチイからポイしなさい」と言われて育った
記憶が、私にもあります。
 ところが小学校に入ったころでしょうか、外で食べていたものが落ちて、砂
がついたので「食べられない」と思ったときです。オフクロが拾って砂を払い
除けて渡したのです。
「砂がついとる」
「はろうて(払って)あるじゃない。死にゃせんよ」


 ──ドッヒャ~!


 以来、オフクロの『食に対する教え』が変わり、「時と場合、ものによって
は落ちたものでも食べられる。食べる……」となったのでした。(強)