若さゆえ… | 交心空間

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◇ 希有な脚本家の創作模様 ◇

 塾生のライ麦畑さんが創作過程の傍ら、こんな出来事があったと寄せてくれ
ました。


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 先日実家に帰ったときに、親と布団屋さんにいく機会がありました。そのと
き、たまたま無料整体サービスというのをお店がやっていまして、なんでもお
客さんにプロの整体師の技を受けてもらう、というサービスです。(なぜ布団
屋でやっているのかはちょっと謎でした。)


 僕はもともと猫背で、体も硬く(高校時代、体育測定で長座体前屈が学年で
ドベでした!)、これは絶好のチャンスと思い整体を受けました。整体師は中
年のおばちゃんでなごやかに雑談しながら整体を受けていました。すると、お
ばちゃんが突然、「あんた、心が硬いやろ」と言い出したのです。なんでも、
整体を何年もやっているから、その人の硬さがどこから来ているかわかるそう
で、僕は心の硬さから体の硬さが生まれているタイプなのだそうです。


 普通なら、「ほんまかいな」という話なのですが、実のところ「もっと人の
考えを受け入れなさい」という注意を僕はよく大人から受ける人間なのです。
 そんな僕の特性を体に触れるだけでわかるとは、おばちゃん、こわ!


                     【ライ麦畑さんのメールより】
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 若いころってそうかも知れません。つまり「自分の考えがどれだけ世の中に
通用するか」と、いい意味(チャレンジ精神旺盛)でも悪い意味(自信過剰)
でも、自分の考えを貫いてみたい時期なんでしょうね。
 貫いて、たとえそれが正しかったとしても、やはり人の考えや気持ちを受け
入れてそれを加味する。間違っていたと気づいたなら、何をどう間違えていか
に修正する。いずれにしてもそこへ辿り着かないと、いつまで経っても未熟な
ままでしょう。


 ──それにしてもおばちゃんの見抜きは、それだけ多くの人を診てきた賜物
なんでしょうね。理屈では説明できない、いわゆる「年輪」というやつですよ。