[1]白露とは
➊白露(はくろ)は…二十四節気の第15番目で,秋の3番目の節気。八月節(旧暦7月後半から8月前半)。
本格的な秋の訪れを感じさせる節気にあたり,「大気が冷えてきて,朝露が降り,白く輝くように見える頃」という意味です。
□秋の節気…㊀「立秋」㊁「処暑」㊂「白露」㊃「秋分」㊄「寒露」㊅「霜降」
⑴[定気法]では…太陽黄経が165度の時で,9月8日頃。
暦ではそれが起こる日ですが,天文学ではその瞬間とします。
2024年の「白露」は…9/7(土)12時11分=黄経165度の瞬間
=乙女座の太陽のピーク
⑵[恒気法]では…冬至から17/24年(約258.71日)後で9月6日頃。
⑶期間としての意味もあり,この日から,次の節気の秋分前日までです。
9月8日頃~22日頃にあたりますが,24節気は1年を太陽の動きに合わせて24等分して決められますので,1日程度前後します。
2024年の「白露」の期間は…太陽黄経:165度~180度=9/7(土)~21(土)です。
⑷白露前後の24節気の移り変わり…処暑(暑さがおさまる頃)→白露→秋分(昼夜の長さがほぼ同じになり,秋の夜長に向かう頃)
・処暑から数えて15日目頃。
➋どんな季節?
①『暦便覧』(江戸時代(天明7年)に出版された暦の解説図書)は…「陰気やうやく重りて、露にごりて白色となれば也」(意味:陰気(寒さや涼しさ)が増えて,陽気(暑さ)を上回り,水蒸気が結露して露になり,白く輝く)」と説明しています。
夜の気温がぐっと下がり始め,残暑が続く日中との大きな気温差から,大気中の水蒸気が露(水滴)となって,草花に降りるようになります。
その露が,朝,光の反射で白く輝いて見えることから,「白露」の名前がついたとされます。
また「白」は…方角にいる神様に応じて,色や季節を当てはめる陰陽五行で,秋の色です。(春:青,夏:朱,冬:黒)
②明け方,ひんやりし出すと,日中の暑さもようやく後退し始め,だんだんと「秋の気配」が深まっていきます。
活気あふれる季節(夏)から秋の落ち着いた空気が感じられるようになってきます。
空に目を転じれば,いつの間にか秋の雲が空に広がっていることにも気づくことができます。
また,「陽が落ちるのが早くなったな」と気がつくのもこの頃。
秋の七草が咲き始め,植物を通しても秋の風情を感じられるのもこの頃。
本格的な秋が始まろうとしています。
⑴季節の変わり目で,体調を崩しやすい時
少しずつ過ごしやすい季節になりますが,昼夜の気温の差や夏と秋の季節の変化に人の体がついていけず,体調を崩して,呼吸器系や胃腸,風邪等の病気にかかりやすい時期です。
真夏の疲れが出やすい時なので,夏の疲れはこの時期にしっかり癒やし,リセットして,そして,バランスの良い食事と良質な睡眠を心がけ,心身を健康にしましょう♪
また,シャワーだけでなく,湯船にゆっくり浸かって,これからの美しい季節のために,身体の調子をきちんと整えましょう♪
⑵スーパーや八百屋さんには,今までの夏の食材とは違う顔ぶれの秋の味覚がたくさん並び始めています。
滋味に富んだ旬の食材を使って,料理や食事,器を楽しみながら,栄養を補いましょう♪
⑶夏の家具や雑貨を片づけ,秋の準備をしましょう♪
⑷[台風]が多く発生する時期です。
台風を警戒する日の「二百二十日」(2024年は9/10(火))は農家の三大厄日の一つです。
[2]白露の七十二侯
白露の期間の七十二候は以下の通り。
➊初侯[第45候]…9/7~11…「草露白(くさのつゆしろし)」…白露と同じ意味で,夜露が降りるようになり,朝,草に降りた露が白く輝いて見える頃。
朝晩がめっきり涼しくなり,秋の気配を感じる頃です
□鴻雁来(こうがん きたる)雁が飛来し始める(中国)
❷次侯[第46候]…9/12~16…「鶺鴒鳴(せきれいなく)」…水辺で暮らす鶺鴒(セキレイ)が”チチィチチィ”と鳴き始める頃。
鶺鴒は,イザナミとイザナギに夫婦和合を教えた鳥として日本神話に登場する鳥で,「恋教え鳥」とも呼ばれます。
セキレイは日本神話にも登場する鳥で、男女の神が結ばれるきっかけを教えたという話から、「恋教え鳥」とも呼ばれています。
□玄鳥帰(げんちょう かえる)燕が南へ帰って行く(中国)
❸末侯[第47候]…9/17~21…「玄鳥去(つばめさる)」…春にやってきたツバメが,子育てを終え,暖かい南の地域へ帰っていく頃。
次にツバメの姿を見るのは,来春まで待たなくてはなりません。
□羣鳥養羞(ぐんちょう しゅうを やしなう) : 多くの鳥が食べ物を蓄える(中国)
[3]白露の季節の言葉
➊露を表わす美しい言葉
㊀「露」は…俳句や短歌の世界では,秋の季語です
㊁「白露」は…露の美称「しらつゆ」のことで,秋の訪れをいつくしむように,朝の光にキラキラと輝く露の美しさを表わす秋の季語です。
多くの名作を残した詩人:北原白秋(本名:隆吉)が活躍した時代は,「白露時代」と呼ばれています。
㊂キラキラと輝く露の美しさを表した言葉…「露華(ろか)」「露珠(ろじゅ)」「玉露(ぎょくろ)」「銀露(ぎんろ)」「月露(げつろ)」「月の雫」
・「玉露」…露を美しい玉に見立てた言葉。
・「月の雫」…「露」の異称。
㊃「露時雨(つゆしぐれ)」…たくさんの露が草木から滴り落ちる様子を表します。
②白露の頃の俳句
□「白露も こぼさの萩の うねりかな」 松尾芭蕉 季語「白露・萩」
・意味…「いっぱい露をためた萩の花は,風に吹かれても,露を落としません。枝に宿した白露をこぼしもしないで,なおやかに萩が風にうねっていることよ」…萩と白露の組み合わせが非常に美しい。
□「白露や 茨の刺に ひとつづつ」 与謝蕪村 季語「白露」
・意味…「秋も深くなってきて,朝露が庭一面に降りています。茨に近づいてみれば,一つひとつの茨の鋭い刺の先に露が付いています。」
□「露の世は 露の世ながら さりながら」 小林一茶 季語「露」
・意味…「露のようにこの世ははかないものだと知っています。知ってはいますが,諦めることができません。」
□「秋の空 露をためたる 青さかな」 正岡子規 季語「秋の空・露」
・意味…「イワシが泳いでいるような雲が空に浮かんでいる様子を見れば,秋を感じるな」…澄んだ秋の青い空がイメージできます。
□「月天心 貧しき町を 通りけり」与謝蕪村 季語「月」
・意味…「天の中心に月がかかっている夜更けに,貧しい家が並んでいる町を通りました。」
□「名月を とってくれると 泣く子かな」 小林一茶 季語「名月」
・意味…子供が,「あのお月様が欲しいので取ってよ」と言いながら泣いています。
□「秋風や むしりたがりし 赤い花」 小林一茶 季語「秋風」
・意味…「亡くなった子供のお墓参りに行けば,秋風の中に道傍の赤い花が揺れています。よく亡くなった子供がむしりたがっていた花です。この赤さが目に染めて,悲しさがこみあげてきます。」
「赤い花」は…曼珠沙華とも鶏頭ともいわれています。
□「鶏頭の 十四五本も ありぬべし」 正岡子規 季語「鶏頭」
・意味㊀…「鶏頭の花が見えるが,14、15本もあるだろうか」
・意味㊁…「私は見ていないが,鶏頭が今年もまた14,15本も咲いているだろうか」
□「この道の 富士になり行く 芒かな」 河東碧梧桐 季語「芒」
・意味…「この道の芒を辿っていくとやがて富士山に続いている」
[4]【白露のお奨めの過ごし方】
①[この時期]は…
⑴空気が澄み始め,乾燥しやすく,朝夕の寒暖差等により,体調を崩しやすい時期です。
空気が乾燥し,冷えた空気が口や鼻から肺に入ると…呼吸器系のトラブルが起きやすくなります。
さらに,乾燥で粘膜が弱り,喉の痛みや咳に悩まれる人も増えてきます。
さらに,忘れられがちなのが肌の乾燥です。
⑵気圧の変化も大きく,台風等も多い時期なので,気圧が下がることで,体内に水分が滞り,むくみや頭痛が起こりやすくなります。
②[トラブル対策]は…
⑴内側と外側の両方から潤いをチャージし,乾燥ケアをしっかりと行いましょう♪
㈠風呂上りの保湿は念入りに行いましょう♪
㈡水分補給も忘れずに行いましょう♪
㊀気温が涼しくなると…喉の渇きを感じにくく疎くなりがちですが,喉の乾燥を防ぐためにも,少量ずつこまめな水分補給を心がけましょう♪
㊁水やお茶だけでなく,梨等の旬の果物等でも潤いをチャージしましょう♪
⑵下半身を中心に身体を温めて,血や水分の巡りを良くしましょう♪
㈠涼しくなってくると恋しくなる塩分ですが,体の水分を溜め込みやすくしてしまうので,控えましょう♪
㈡余分な水分の排泄を促すために…カリウムを意識して取ってみましょう♪
㈢むくみケアには…カリウムや食物繊維も豊富なサツマイモや栗,キノコ類などがお奨めです。
[5]白露に行われる風習,行事,イベント
■「重陽(ちょうよう)の節句」(別名:「菊の節句」「栗の節句」「御九日(おくんち)」等)…9月9日(水)
□数字の並び(九九)が他の節句に比べて大きいこともあって,大変おめでたい日とされています。
□昔の日本の重陽の節句は旧暦で行われ,中国では今も五節句はすべて旧暦でお祝いします。
旧暦の重陽の節句…2024年は10/11(金)
・新暦の9/9では菊の花は少し早いですが,旧暦ならちょうど菊の花の盛りです。
□かつては「菊の節句」とも呼ばれ,平安時代の宮中では,「観菊の宴」等が催され,菊の花びらを酒に浮かべた「菊酒」で邪気払いをしていました。
・秋に美しく咲く菊の花を愛でながら,「菊酒」を飲み,旬の「栗ご飯」を食べ,「邪気」を祓い,無病息災を願います。
・「菊酒」とは…菊の花を漬け込んで,香りを移した日本酒のことです。
□秋の収穫の時期とも重なりますので,江戸時代頃から農村など庶民の間では「栗ご飯」を食べてお祝いする習慣が定着していきました。
・重陽の節句は長寿祈願の行事なので,重陽の行事食を「敬老の日」に用いてもよいです。
□前日に菊の花に綿を被せておき,朝露を吸ったその綿で身体をふく「被せ綿(きせわた)」やひな人形を飾る「後の雛」という風習があります。
・季節の風情も楽しめる雅な風習なので,フラワーアレンジに被せ綿を取り入れてみても素敵です。
※五節句とは…中国の唐時代の暦法で定められた季節の節目のことで,奇数の重なる日(旧暦)に,季節の植物を用いて,邪気を祓う習わしのことです。
人日(じんじつ,1月1日),上巳(じょうし,3月3日),端午(たんご,5月5日),七夕(しちせき,7月7日),重陽(ちょうよう,9月9日)
日本では…奈良時代より,「五節句」を宮中の行事として執り行うようになりました。
■「二百二十日」…2024年は9月10日(火)
「雑節」の1つで,立春から数えて220日目にあたり,農家の三大厄日(旧八朔(9/3はっさく)・二百十日(8/31にひゃくとおか)とされてきました。
台風の襲来や荒天続きになることが多いため,収穫を控えた農作物が被害に遭わないよう,警戒されてきたのです。
■「敬老の日」…高齢者を敬い感謝して,長寿を祝う国民の祝日…9月の第3月曜日…2024年は9月17日(月)
以前は毎年9月15日に固定されていましたが,2003(平成15)年以降は9月の第3月曜日とする規定に変わりました。
由来は諸説ありますが,兵庫県多可郡野間谷村(現在の多可町八千代区)の門脇政夫村長が提唱したもので,1947(昭和22)年9月15日に,「老人を大切に,お年寄りの知恵を借りて,村作りをしよう」という趣旨で「敬老会」を開催したのが,始まりであるとされています。
この会の活動の輪が広がりを見せ,発足から約20年後には,現在のように国民の祝日となったのでした。
■「中秋(ちゅうしゅう)の名月」=「十五夜(じゅうごや)」…旧暦8月15日…2024年は9月17日(火)…秋の行事の代名詞
「中秋」とは旧暦で「秋の真ん中]という意味で,旧暦の秋にあたる7月~9月の真ん中の日,8月15日のこと。新暦では,約1ヶ月ずれた9月から10月頃に十五夜を迎えます。
「十五夜」とは満月のことであり,空気が澄んでいる秋の時期は満月が最も美しく見えます。
そのため人々は古来より,「中秋の名月」に秋の収穫物や「月見団子」や「ススキ」を供えて,豊作を感謝し,無病息災を願ってきました。それが,「お月見」の意味合いです。
□起源は…中国で,日本では平安時代に貴族の間で浸透したと考えられ,庶民に広がっていったのは,江戸時代頃で,日本人に広く認識された習慣となりました。
十五夜に月見団子をお供えするようになったのは…秋の豊作を願い,米の団子をお供えしたことから始まりました。
□月に似た丸い形の団子を積み上げるのは…「収穫の感謝や無病息災・健康長寿の願いを天へ届けるためです。
また,昔の人々は,供えた団子を食べることで…月の力を得て,これらの願いが叶うと考えていました。
ススキを飾るのも,その形を稲穂に見立て,米の実り(=豊作)を祈るためです。
□地域によっては,収穫された里芋をお供えしたことから,十五夜は「芋名月」とも呼ばれています。
・日本では通常,月見団子やススキをお供えしますが,地域によっては,芋や栗,旬の果物が供えられます。
□京都の下鴨神社では…平安時代以来の歴史を持つ「名月管絃祭」(一般公開は1963(昭和38)年から)が執り行われ,斎庭(ゆにわ)に設けられた観月茶席で名月を楽しむ日です。
ススキの穂を飾り,かがり火が焚かれた舞台では,壮重な雅楽にのって,舞楽が演じられます。
□ちなみにかぐや姫が月へ帰ったのも,中秋の名月が輝く夜だったそうです。
□現代の中国では,中秋節が家族団らんの大事な祝日で,大切な人に月餅を送り合います。
■「秋の彼岸入り」…2024年は9月19日(木)
「彼岸入り」とは,彼岸の初日のことです。
彼岸とは,春と秋の年2回あり,秋の彼岸は秋分の日を中日とした7日間で,先祖を供養する期間を指します。
彼岸では,墓参りをしたり,お供え物をしたりして,先祖を供養します。
秋の彼岸に,餅をあんこで包んだ「おはぎ」をお供えする人は多いでしょう。
おはぎは,夏から秋にかけて開花する萩の花を模して,俵形に作られ,あんこには粒あんを使用することも特徴です。
「暑さ寒さも彼岸まで」というように,暑さがやわらぎ過ごしやすくなっていきます。
「おはぎ」の語源になった萩の花や彼岸花も咲き始めるので,自然に親しむ良い機会にもなります。
■「秋社(あきしゃ)」…2024年は9月21日(土)
社日(しゃにち)とは…春分の日と秋分の日に最も近い戊(つちのえ)の日のことで,秋分の日に近い秋の社日のことを「秋社」と呼んで区別しています。
社日の「社」とは土地の神様・産土神(うぶすながみ)のことで,秋社では産土神に収穫を感謝し、餅や収穫物を供えて参拝します。
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【図書館カフェ Habi∞Road】
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【店主】 平井克也
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To Habi∞Road(いろんな幸せな道=彼岸への道)
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今起きていることは、自分に必要なこと
感謝すべきことしか、起きていない。
気付いて感謝、学んで感謝、成長して感謝 の繰り返しで、
だんだん 満たされているって、すべて愛だって…。
幸せだって 感じる
ありがとう ご縁に感謝 (byおじぞう)
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