11月23日は「勤労感謝の日」ですね。
宮中や全国の神社では,新穀の収穫に感謝する新嘗祭(にいなめさい)が行われます。
新嘗祭は元々,旧暦11月の2回目の「卯の日」に行われていました。
現在の新暦だと,12月上旬~1月初旬頃で,今年だと12/16(金)です。
1873(明治6)年,新暦に移行する時に11月23日になり,そのまま「新嘗祭」という祝日も生まれました。
戦後は,「稲作だけではなく世の中をかたち作るすべての勤労に感謝しよう」という思いから,「勤労感謝の日」と名前が変わり,現代まで続いています。
勤労感謝の日は現代の国民の祝日の中で、最も長い伝統を持つ祝日の一つといえます。

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宮中で,新嘗祭の前日(11/22)鎮魂祭が行われますが,本来は旧暦11月の2度目の寅の日,つまり,今年だと2024年1月3日(冬至の2日前)の申の刻(15時~17時)から行われる儀式です。

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11/22夕方から宮中では鎮魂祭が…

鎮魂目的は生きながら,神となること!

➊鎮魂祭とは…
①鎮魂祭(ちんこんさい,みたましずめのまつり)とは、宮中で,新嘗祭(にいなめさい)の前日(11/22)に天皇・中宮(皇后)の鎮魂を行い,寿命の長久を祈る神秘的で呪術的な儀式です。
②「たましずめ」&「たまふり」のまつり

「たましずめのまつり」「たまふりのまつり」とも言われています。

身体から遊離した魂を体内に鎮めることを『たましずめ』,体内で静止した魂を振り起こして活動させようとする作用を『たまふり』と言い,2要素が見られますが,古くはシャマニズム的色彩の濃い後者が主流を占めました

天皇に対して行う場合には…『みたましずめ』『みたまふり』と言います。
天の岩屋戸神話における天鈿女(あめのうずめ)命の故事にも,それが反映しています。
③宮中三殿に近い綾綺殿(りょうきでん)で行われます。

④一般的ではないですが、宮中と同日に行われている石上神宮彌彦神社(年2回)や物部神社(11/24大田市)等,各地の神社でも行われる例もあります。


鎮魂祭歴史
①かつては

⑴新嘗祭の前日旧暦11月の2度目の寅の日(2022年12月15日)の申の刻(15時~17時)に,
宮内省正庁において,
神祇官八神殿の神々と大直日神の神座を設けて,行われていました。
平安時代末期以降は廃絶した宮内省の跡地に幄舎を張り,内侍らの牛車を並べて行われました(「江家次第」「薩戒記」等)。
その様子は『年中行事絵巻』模本残欠の「宮内省鎮魂祭」図に見られます。
戦国時代に中断し,

④近世に,白川伯家邸において再興した後,変遷がありました。

当時,「神祇官代」は白川家吉田家の「二所」と理解され,両家が重要な祭祀を分掌していました。
そして,両家それぞれが所管した 「神祇官の本主」たる八神殿のうち

鎮魂祭の祭場となるのは白川家邸内の八神殿で,新嘗祭前日の鎮魂祭は,白川家が奉修していました。
吉田家は,その宗源殿を祭場として新嘗御祈を斎行していました。

明治2(1869)年11月, 「白川家当主資訓が 「白川殿鎮魂祭次第并祭文祝文等注進状」を明治政府に提出しました。

○明治4(1871)年11月,政情の混乱から先例より遅れて,大嘗祭が催され,鎮魂祭は,大嘗祭前日に御斎行されました。
⑥太陽暦導入(1872年)後の明治22(1889)年以後は…宮中の綾綺殿で,11月22日に行われています


この宮廷祭祀(さいし)特徴は…
①御巫(みかんなぎ)猿女(さるめ)と呼ばれる神祇官に所属する巫女(みこ)が,神祇伯に率いられて行事に参加し,神事行為を行うということです。
⑴起源は,日本神話の天照大神の岩戸隠れの場面で,天鈿女命が槽に乗って踊り,魂をゆすり動かした伝承に基づく「わざおぎ(俳優)」や歌舞によるとされます。
(日本神話…アマテラスは,天界高天原(たかまがはら)の統治を命じられ,天に昇りますが,弟神スサノオの乱暴を怒って,天の岩屋戸にこもると世は暗闇となり,出てくると光が溢れれました。)
⑵『古語拾遺』に「凡(およ)鎮魂の儀は,天鈿女命の遺跡(あと)なり」とあり,神楽も天鈿女命の子孫と称する猿女が御巫となって司り,彼女らによって神饌の炊飯や神楽舞,宇気槽撞き等が行われます。
②鎮魂の儀は…
⑴同日の夕刻,神座の前に天皇の御衣の箱を安置し,「鎮魂歌」が琴や笛にあわせて歌われ,御巫・猿女らが『神楽舞』をします。
(鎮魂祭の神楽歌は『年中行事秘抄』などに載せられています。)


⑵次に…『宇気槽の儀』が行われます。
宇気槽(うきふね,うけふね,誓槽)と呼ばれる箱を伏せ,その上に御巫(女官)が乗って立ち,琴の音に合わせて,桙(ほこ)で宇気槽の底を10回撞(つ)く「宇気槽の儀」が行われます。
一撞きごとに神祇伯が玉の緒と呼ぶ木綿(ゆう)の糸を結ぶ所作を十回繰り返します。
(結ぶのは魂の遊離,すなわち,死を防ぐためで,「たまよばい」ですが,同時に,魂に活力をつける「みたまふり」でもあります。)

かつてこの儀は,天鈿女命の後裔である猿女君の女性が行っており,「猿女の鎮魂」とも呼ばれていました。
神祇伯の結んだ御玉緒の糸は,斎瓮(いわいべ)に収めて,神祇官斎院の斎戸(いわいど)の神殿(祝部殿・斎部殿)に収められ,毎年12月にそこで祭りがありました。
⑶同時に,女蔵人が御衣の箱を開いて,天皇の衣を左右に10回振る『魂振の儀』が行われます。
これは饒速日命が天津神より下された十種の神宝を用いた呪法に由来するとされています。
『先代旧事本紀』には、饒速日命の子の宇摩志麻治命が十種の神宝を使って,神武天皇の心身の安鎮を祈ったとの記述があり,「所謂(いはゆる)御鎮魂祭は此よりして始(おこ)れり」としています。


十種神宝大御名(とくさのかんだからのおんみな)

瀛都鏡(おきつかがみ)邊都鏡(へつかがみ)
八振劍(やつかのつるぎ)
生玉(いくたま)死反玉(まかるかへしのたま)

足玉(たるたま)道反玉(ちがへしのたま)
蛇比禮(おろちのひれ)蜂比禮(はちひれ) 

十種神宝祓詞(とくさのかんだからのはらえことば)
高天原(たかまのはら)に神(かむ)(づま)り坐(ま)皇吾親神漏岐(すめらがむつかむろき)神漏美命(かむろみのみこと)(も)ちて皇神等(すめがみたち)の鋳顕(いあら)わし給(たま)十種(とくさ)瑞宝(みずのたから)饒速日命(にぎはやひのみこと)に授(さず)け給い 天津御親神(あまつみおやのかみ)は言誨(ことをし)え詔(の)り給(たま)わく 汝(いまし)(みこと)この瑞宝を以(も)ちて 豊葦原(とよあしはら)の中国(なかつくに)に天降(あまくだ)り坐(ま)して 御倉棚(みくらたな)に鎮(しず)め置(お)きて 蒼生(あおひとぐさ)の病疾(やまひ)の事(こと)有らば この十種の瑞宝以ちて

(ひと) (ふた) (み) (よ) (いつ) (むゆ) (なな) (や) 九十(ここのたり)と唱(とな)えつつ 布留部(ふるべ)由良由良(ゆらゆら)と布留部(ふるべ) 

(か)く為(な)しては 死人(まかりしひと)も生き反(かえ)らんと 事誨(ことをし)え給いし随(まにま)饒速日命天磐船(あめのいわふね)に乗(の)りて 河内国(かわちのくに)の河上(かわかみ)の哮峰(いかるがみね)天降(あまくだ)坐し給いしを 爾後(そののち)大和国山辺郡(やまとのくにのやまべのこおり)の布瑠の高庭(たかにわ)なる石上神宮(いそのかみのかみのみや)に遷(うつ)し鎮(しず)め斎(いつ)き奉(まつ)り 代代(よよ)其(そ)が瑞宝の御教言(みおしえごと)を 蒼生(あおひとぐさ)の為(ため)に 布瑠部(ふるべ)の神辞(かむごと)と仕(つか)え奉(まつ)れり 故(かれ)此(この)瑞宝とは 瀛都鏡 邊都鏡 八握劍 生玉 足玉 死反玉 道反玉 蛇比禮蜂比禮 品物比禮(くさぐさのもののひれ)の十種を布瑠御魂神(ふるのみたまのかみ)と尊(とうと)み敬(いやま)い斎(いつ)き奉(まつ)る事(こと)の由縁(よし)を (たいら)けく(やす)らけく聞(き)こし食(め)して 蒼生(あおひとぐさ)の上に 罹(か)かれる災害(わざわい)また諸諸(もろもろ)の疾病(やまい)をも 布瑠比除(ふるいの)け祓(はら)い遣(や)り給い 寿命(よわい)(なが)く五十橿八桑枝(いかしやぐわえ)(ごと)く 立栄(たちさか)えしめ

常盤(ときわ)に堅盤(かきわ)に守(まも)り幸(さきわ)え給(たま)えと恐(かしこ)み恐(かしこ)みも白(まを)す

この祭祀の…
①祭神は…天皇を守護する神祇官(じんぎかん)八神殿(はっしんでん)の神々大直日神(おおなおびのかみ)…『延喜式(えんぎしき)』四時祭(しじさい)
②起源は…『先代旧事本紀』によると,神武天皇の即位の祭儀の時に,ニギハヤヒの子で物部氏の祖:宇麻志麻治命(ウマシマジノミコト)が十種の神宝(とくさのかんだから)を用いて始められたと言われています。

ニギハヤヒ天神(天照大神)から授けられた十種神宝は,『旧事本紀』で天璽瑞宝十種(あまつしるしみずたからとくさ)と言い,皇位継承の証しでした。

神武天皇から9代目の開化天皇までの間の皇后はニギハヤヒを祖とする磯城氏、穂積氏、物部氏から出ています。
天皇家の祭儀は物部氏の儀式を取り入れたのです。
「天皇」の称号が使われ,三種の神器が公式に皇位継承の象徴とされたのは、7世紀の天武天皇と持統天皇の時代からで,それまでの天皇は「大王(おおきみ)」と呼ばれていました。

鎮魂法はその後、文武天皇の時代に宮中祭祀の鎮魂祭として儀礼化され,701年の『大宝律令』において,制度の中に取り入れられました。
鎮魂祭の執行日は冬三か月の中の月である仲冬の寅の日に規定され,翌日の卯の日大嘗祭と新嘗祭が執行されました。

鎮魂法は古代の冬至祭と関係していることがわかります。
③史料上の初見は…『日本書紀』天武天皇14(685)年11月24日条で,『古語拾遺』ではこの行事の起源を「天照大神の天岩戸隠れ」と「天鈿女命の神話」に求めていますが,これを否定する説もあります。
④意義は…

⑴翌日(11/23)の新嘗祭(または大嘗祭)という重大な祭事に臨む天皇の魂を体内に安鎮させ,魂を強化することです。

天皇の魂を霊界におもむかせ,そこで得てきた霊力をもって病める肉体や魂の治癒をはかろうとするものです。

⑵古代の人々は,「身体から魂が遊離することが死だ」と考えていました。
命を復活させるのは魂を呼び戻すことなので,太陽の光(活力)が一番弱くなる冬至の時期に太陽の復活と豊作を祈って,魂の再生の儀式行ないました。
生命力が弱くなる冬至の時期に,太陽神:天照大神の子孫であるとされる天皇の魂の活力を高め,蘇生を祈るために行われた

祭儀が宮中の鎮魂祭なのです。

⑶天皇は神の依代となって,先祖からの言霊を授かる鎮魂祭大嘗祭という儀礼霊統を受けついできました
大嘗祭の霊力は1年ごとに衰えるので、新嘗祭を執り行うことで復活させていました。
尚,第二次世界大戦以後は皇后や皇太子夫妻に対しても行われています。

❺鎮魂の本来の意味とは?

①はるか太古の昔,人々は誰もが目に見えない神々と霊的交流をしていました。
女性は別な魂を呼び寄せて,体内に宿すことができたので,生命を生み出す力がある女性巫女となって,神の代理人となっていました。
なので,古代は女性が祭祀権を持っていました

②日本は縄文の母系社会から弥生・古墳時代の双系・父系社会社会構造が変わり,女性の地位は低下して,男性が支配者となりました。
古墳時代頃までは,男性と女性が入れかわり祭祀権をもっていました。
『古事記』に,仲哀天皇を弾き,武内宿禰審神者(さにわ)になって,神功皇后帰神を行なったという記述が出てきますが,男性の審神者が巫女に降りている神が本物かどうか確かめる役割をしていました。
しかし,徐々に男性がスメラミコトとなって,祭儀だけでなく,政治も兼ねるようになり,大王として軍事の指導者にもなっていきました。
室町時代に祭祀権は女性から男性に変わってしまい,現在まで続いています。
④左脳優位の父権社会になると,自己の本質である【直霊(なおひ)自我意識禍罪(まがつみ)に覆われるようになり,神様の声は聞こえなくなってきました。
なので,鎮魂の儀式をして,禊祓いをしなければ,神に帰ることができなくなくなりました
鎮魂の本来の目的直霊になること」=本当の自分に帰ること」=生きながらにして神となること」なのです。

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