【1】雨水とは
2月19日(月)13時13分雨水です。

また雨水の期間は…2月19日(月)~3月5日(月)です。


二十四節気「雨水(うすい)とは
①㊀二十四節気の第2番目の節気…「立春」(2月4日頃)の次で,「啓蟄 (けいちつ)」(3月6日頃)の前の節気。
12個の中気の一番目
正月中(通常旧暦1月内)…旧暦では,1月には必ず雨水を入れることが約束になっています。
1月は[睦月(むつき)]と呼ばれますが,その由来は2つあります。
㊀「親睦、睦まじい」などと使われ,人々が仲良く行き来する、親しくし合うという意味からとする説。
稲の実を初めて水に浸す頃としての、[実月(むつき)]を由来とする説。雨水の頃は農耕の準備を始める目安の時期とされています。
雨水の日(二十四節気の「雨水」が始まる最初の日)は…
㈠現在広まっている[定気法]では…太陽が[黄経:330度]に達した日であり、立春から数えて15日目頃で、毎年大体[2月19日頃]です。
西洋占星術では「雨水」の日魚座(双魚宮)の始まりの日です。ではそれが起こる日ですが,天文学ではその瞬間とします。)(二十四節気は、「雨水」に限らず、太陽の位置によって変動するので、年によってずれることがあります。)
[恒気法]では冬至から1/6年約60.87日)後で、2月20日頃です。
④「啓蟄」までの“期間”を指して言うこともあり、この「雨水」の日から次の「啓蟄」までの約15日間で、毎年大体2月19日頃~3月4日頃です。
今年の「啓蟄」3月5日(火)なので、雨水の期間は2月19日(月)~3月4日(月)ということになります。


雨水の頃はどんな時期?
①雨水の意味は,「空から降るものが雪から雨に変わり,降り積もった雪や氷も解けて,水になる」ということで,本格的な雪解けの季節となります。
この頃から陽気が強くなり,大気が暖かくなり始め,雪が水に変化し始め,厳しい寒さも和らいできて,寒さが続く中でも春らしい日がちらほら顔を見せる時期です。

画像は下記アドレスからお借り致しました。

http://megandsue.com/2015usui/
⑴この雪解け水(別名:雪汁〈ゆきしる,ゆきじる〉雪消水〈ゆきげみず〉など)が大地や田畑を潤し,川や湖に張っていた氷も水に戻り,ようやく春の足音が聞こえ始めます。
また,その水の流れに勢いがあって激しい場合は,「雪代(ゆきしろ)」「雪代水(ゆきしろみず)」といい,雪代が川などに流れ込んで水が濁る様子を「雪濁り(ゆきにごり)」といいます。
この時期から春にかけて降る雨は,「養花雨 (ようかう)」「催花雨 (さいかう)」と呼ばれ、梅や桜など春の花の開花を促すと言われています。

⑵このように陽気と共に山雪が溶け出し,その清らかな水が野へと降りていきます。

昔の人は この時期になると,「【山の神】が,水となって降りてきて豊穣を呼び込む」と考えてきました。

水とは生命そのものです
⑶こうした土や水が動き始める雨水は,草木が芽生える頃で,昔から[農業の準備を始める目安]とされてきました。

冬の間,眠らせていた道具の手入れを始め,苗床を作るための準備を始める時期です。
⑷また,江戸時代の商家では『「雨水」からひな人形を飾ると良縁に恵まれる』と言われていました。
⑸北日本と沖縄を除いた地域は[春一番]が吹くのもこの頃で,九州南部では(ウグイス)の鳴き声が聞こえ始め,春の気配を感じ始めます。

春一番とは,冬から春への移行期に、初めて吹く暖かい南寄りの強風のことで,その威力は凄まじく、時に交通に影響が出る場合もあります。

暦の上での春の始まりである立春を超えてから初めて吹く強風を[春一番]と言いますが,雨水の時期に春一番が吹くのが例年の傾向です。
[雨一番]とは,北国で,立春以後初めて,雪がまじらないで降る雨のことで,この雨が降った時は,北国にもいよいよ春も近づいているということになります。
⑺但し,この時期は本格的な春の訪れにはまだ遠く,一日ごとの気温差が激しい時期でもあり,「春が来た!」と思ったあくる日,突然また真冬に戻ったかのような寒い日が続くこともあります。

三寒四温(さんかんしおん)を繰り返しながら,春に向かっていきます。
⑻そして,3月5日頃から二十四節気は「啓蟄」へと変わり,冬ごもりしていた生き物たちが姿を現し始めます


②⑴『暦便覧』(こよみびんらん)には…「陽気地上に発し、雪氷とけて雨水となれば也」と記されていて,「陽気のため、溶けた氷水が天に昇り雨水となって下る」という意味です。

(「歴便覧」は天明七(1787)年〈寛政十(1798)年に再版〉に出版された太玄斎〈たいげんさい〉こと、常陸宍戸藩の第5代藩主・松平頼救(よりすけ)の著した暦についての解説書です。)
『歓喜宝暦』(神霊館 榎本書店)では「獺祭魚鴻鴈行北草木萌動」とあり、魚を常食とする水獣が天の恩に報じて春の始めにとった魚を神に供え又鴈などの渡り鳥が北へ去り草木が芽を出し始める頃とされています。


「雨水」七十二候
①第四候[初候]…2/19~23頃…『土脈〈土脉〉潤起』

「土脈潤い起こる(どみゃく〈つちのしょう〉うるおいおこる)
冷たい雪に代わり、暖かい春の雨が降り、凍てついた大地もゆっくりと潤い始め、活気づく時期です。
⑴寒さもゆるみ、眠っていた動物も目覚め、小鳥のさえずりは盛んになって、眠っていた植物が芽吹き始め、白梅は咲き始め、モクレンやハナミズキの木々の芽吹きも始まっています。
⑵春の雨で潤い匂い立つ大地や陽射しにとけたぬかるみ等は,春に付き物の光景ですが,わずかな土に喜びを感じる北国の人にとって「春の土」は待ち焦がれる存在でした。
そんな気持ちが表れた[春の季語]には「春の土」の他、「土恋し」「土匂う」「春泥」などがあります。
また、春先の雪解けでところどころ土が顔を出している様子を「雪間」や「雪の暇」、そして、そこにもう芽吹き始めた草を「雪間草」といいます。
⑶俳人・沢木欣一の「春近し 雪にて拭ふ 靴の泥」は、雪間が見え始め、近づく春への喜びを感じさせる一句です。
中国の初候…『獺祭魚(かわうそうおをまつる)』…

「獺が捕らえた魚を並べて食べる」
カワウソという動物はこの時期になると、氷が解けた川に潜って魚を捕り、くわえた魚を岸辺に置くとまた、水に潜って漁を続け、こうして川辺には戦利品の魚がずらりと並び、それからゆっくり食べていくと言います。
このカワウソが捕らえた魚を川岸に並べている様子が、人が祭りの時に神様に物を供える様子に見えたことから生まれた季節の名前です。
②第五候[次候]…2/24~28頃…『霞始靆』

霞始めて靆く(かすみはじめてたなびく)
冬の乾いた空気に比べて、大気中に細かな水滴や塵が増え、春の日差しの中、春の霞(かすみ)がたなびき始める時期です。
⑴霧や靄(もや)のため、遠くの山の輪郭や景色がなんとなくぼやけて、ほのかに現れては消え、山野の情景に趣が加わる頃で,朝焼けや夕焼けの時はピンクがかっていて夢のような情景になります。
この遠くの景色が薄ぼんやりと,かすんで見える現象,また,春に出る霧を「」と呼び,夜の霞(おぼろ)と呼ばれ,また,近くに深く立ち込める「霧」と呼ばれています。

(霧と靄の違いは、霧は視程1kmのことで、靄は視程1~10kmの場合を指すそうです。)

(物理的には霧と霞は同じ現象なのですが,「」は春の季語,「」は秋の季語とされ、発生する時期によって呼び名を変え、区別しています。)

[春の季語]は他に「春の山」「春雨」「春雷」「春月」「春寒」など風流な言葉が並びます。
⑵昔の人は、山々の裾野にうっすらと広がるこの春霞のことを,春を司る神様「佐保姫 (さおひめ)がまとう着物の裾に喩え,柔らかくほのかにかすんで見える山々は,のどかで春らしい風景です。また「霞の衣」とは,霞がかかっている様子を衣に見立てた言葉です。
「靆=たなびく」は、霞や雲が層をなし、薄く長く漂っている様子を表しています。

霞は「たなびく」と使いますが、霧には使わず、「たちのばる」と使います。
中国の次候…鴻雁来(こうがん きたる)…雁が北へ渡って行く
③第六候[末候]…3/1~4頃…草木萌動…草木萌え動く(そうもくもえうごく(中国)・めばえいずる(日本))
草木の芽が出始める時期で、暖かくやわらかい春の日差しの中、萌黄(薄緑)色の草木がいっせいに芽吹き、新しい命が生まれます
⑴着々と長くなる陽の光が大地に降り注ぎ、春の兆しは確実な気配へと変わります。
陰暦2月の別名に「木の芽 (このめ)月」があり、「木の芽」とは、春になって芽吹く木々の芽のことです。
この時期に降る雨は、植物が花を咲かせるための大切な雨で、木の芽が膨らむのを助けるように降ることから「木の芽(起こしの)雨」と呼ばれ、雨が降るごとに日に日に暖かくなり、地中ではそのスプリングシャワーによって植物たちが芽を出し始めるのです。
木の芽が出る季節を「木の芽時」、木の芽時に降る雨は「木の芽雨」、吹く風は「木の芽風」と呼ばれます。
ひと雨ごとに春が近づいてくるのを感じられる季節です。


にまつわる
①雨水の時期の季語表現
⑴「雨水」自体が早春、2月後半頃の季語表現ですが、この時期の季語表現には他に次のようなものがあります。
⑵その他の季語表現…「春浅し、余寒、春寒」等々、まだ寒さが残ることや春が浅いことを表現する季語が多いです。
②⑴時候の挨拶「雨水の候」等の挨拶表現を使う時期です。
⑵その他の時候の挨拶
「寒さゆるみ大地が潤い始める季節になりました」
「春霞の候」「草木萌動の候」

この後に、(貴社におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。)などが続きます。


【2】雨水ごしとは?
雨水の日に全国的に一斉に行なうような[行事]はありません。
水の気のパワーが溢れる日
雨水という言葉や、雪が雨・水になり流れ始めてゆくイメージ通り、「風水的には聖なる水の気のパワーが溢れる日です」。
「水が生まれて流れ出し、停滞していたものを洗い流し、春の草木の芽吹きを促していく」といった“良質な水の気”が溢れる時期となります。
この水の気のパワーにあやかり、
春からの新生活に向けた準備
停滞していたことを進める
人間関係などのトラブルを解決する
人や空間の浄化
等を行うと、普段より効果や効率が望めるでしょう。
また,飲食業の方々にとっても,水は大切な守り神なので,いつも以上に念入りに水回りを磨き上げ,たくさんのお客様との良縁が生まれたり,いろんな新しい芽が生まれたりするのを願ってみましょう♪


雨水年中行事は?
①雛祭り(桃の節句)
⑴新暦の3月3日は暦上の節目、[五節句]の一つで、女児の健康と成長を願う桃の節句(雛祭り)」があり、「初節句」「上巳の節句」などとも言われ、日本では古くから行われてきた行事です。
元々は旧暦3月3日に行われていましたので、明治時代に新暦3月3日(雨水期間の最後の頃)変更されたため、この時期はまだ桃の花は咲いていません

桃の花は…まず白梅から咲き始め、次に紅梅が、その後にが咲くという順番になります。
桃には魔除けの力があるとされ、桃の季節でもあることから、上巳の節句が桃の節句と呼ばれるようになったといいます。
[五節句]は中国の暦から決められた季節の変わり目の境の日で、暦の中の奇数(陽)が重なると,陽×陽=陰へとなり、陰の気を祓い、季節の植物から生命力を貰うるように願ったのが始まりと言われています。
⑵その歴史は?
㈠[雛祭りの起源]は…485年の[顕宗天皇]の御代にある言われ、この中国暦法と日本の習俗が上手く重なり、宮中などで厄払いの「曲水の宴」という宮中行事が由来とされます。
㈡古くは,雛人形は今のようなものではなく,夏越の大祓「人形(ひとがた)に息を吹きかけ水に流す」という神社もありますが,そのようなもので[厄除けをする人形]だったという歴史もあります。

その頃の農耕習俗で,田の神を迎える為に人形を作り,それを撫で,穢れを移し,その人形を(海や川の)水に流して災厄を祓うという神事が行われるようになりました。

これは女の子の健やかな成長と健康を祈願するもので,女性の幸せを願うだけでなく,「季節を寿ぐ(ことほぐ)節目の行事でもあります。
その後、女児の人形遊び「ひいな遊び」と融合して、雛祭りとなっていったようです。
[室町時代]には女児の無病息災を祈る行事として旧暦3月3日に行われるようになり、いつしか、流し雛が[飾り雛]になり、宮中で盛大に祝われるようになりました。
㈣時代が下るにつれて、武家社会や裕福な氏族へと広がった雛祭りは、現在では、女の子の健やかな成長や無病息災を願うお祭りとして定着しました。
雛人形を飾り、白酒三色の菱餅、夫婦和合の意味を持つハマグリ(蛤)などを神様にお供えする雛祭りは女の子のいる家庭では大切な節句行事として祝われています
㈤雛飾りの一種、菱餅の3色:白・緑・桃色は、雪・新芽・桃の花を表現したもので春の景色を表しているのだそうです。
⑶雛祭り(桃の節句)とは?
㈠そもそも雛祭りは人形に穢れを移し、水に流す神事に由来し、風水的には女児の浄化開運を願うイベントです。
それは,雨水というのは,雪から雨に変わってきて,積もっていた雪も解けて,生命の源である水が眠りから覚めて,草木が芽吹き始める時期です。

良質な水の気が溢れる雨水にそのお雛様を出すことで,より“悪縁や悪運を流し去る”パワーが増します

『水は生命の源であり,生命の源は母』ということから,女児の健康と健やかな成長を祈願し,そして女性の幸せを願い,「女の子が良縁に恵まれ、母となり,子宝に恵まれるように」という願いが込められているのです。
また、季節を寿ぐ(ことほぐ)節目の行事でもあります。
㈡雛祭りの12日か13日前が雨水の日なので、「雨水の日は雛人形を出す日」といわれることがあり,この日に雛人形を出すことが開運行動となります。

それは「雨水に雛人形(お雛様)を飾ると,その家の女の子は良縁に恵まれる。良い伴侶に巡り合う。」という言い伝えがあるからです。

特に午後から飾るのが良いとされているようです。
ちなみに言い伝えの由来の説が2つあります。
雨水の日が氷が溶け出し,水になる頃ということに由来する説。
日本の水の女神に対する信仰のつながりに由来する説。
「水の神」を「生命の母」と考え,「子授けや安産の神様」として信仰されるようになり,安産の神を祀る神社(ご祭神:ミツハノメノカミ)もあります。
他にも、水を司る神様で、良縁のご利益でも有名な神社にも祀られるイチキシマヒメ(市杵島姫命)等もいらっしゃいます。
雨水という水にちなんだ日がこの「水の女神」に対する信仰とつながったと言われます。
雛人形と言えば、面白い説に、上から㊀内裏雛の2人㊁三人女官の3人五人囃子の5人という順番で並んでいますが、この並びがちょうど日本神話のアマテラスオオミカミ(天照大御神)、スサノオノミコト(素戔嗚尊)の2柱が誓約をした時に、宗像三女神で知られる3女神、天皇家につながる神様を含む5男神が生まれたのと同じ数字であることにつながりを持たせる説もあります。
⑷[雛人形(お雛様)]はいつから飾るのが良いのか?
雨水の日に雛人形を飾ると,その家の女の子は良縁に恵まれるという説。
立春の日(今年は2月4日)~前々日までに飾り付けをするのが良いと言う説。
長いこと楽しみたいというのであれば、立春からすぐ飾った方よいとも言われます。
㈢お人形屋さんの一般的な回答の[立春~2月中旬迄]という説。
㈣飾り付けの日は、慶事やお祝い事などを行うのに縁起の良い「大安の日」が良いと言われ、雛祭りの日に近い大安の日から飾るという説。
㈤前日に飾り付けるのは、「一夜飾り」と言い、お葬式の飾り付けを想起させるため、縁起が悪いとされ、雛人形の一夜飾りは避けた方がよいということが言われています。
雛人形の飾り付けは中々大変ですが、お子様の成長、無事を祝い、厄災の代わり身という意味もありますので、縁起を担いで飾り付けの日を選びましょう♪
雨水の日にとらわれずに臨機応変に行なって問題ありません。
行事食桃の節句の日は、女のお子様がいらっしゃる方も、そうでない方も、[ちらし寿司][ハマグリのお吸い物][甘酒][ひなあられ][菱餅、桜餅]など、食卓を鮮やかに彩る御馳走を用意して、皆で春の訪れをお祝いしてみましょう♪
時節ごとの開運行動を取り入れて、どんどん運気アップしていきましょう。
雛人形を片付ける日に良いとされる日は…二十四節気の啓蟄の日と言われていますが、長く使う雛人形の質を保つことを考えると、晴れた湿気の少ない日に片付けるのが良いそうです。
②「梅見」梅祭りがあちこちで開催される頃です。
奈良時代、花見と言えば、桜ではなく梅を観賞することで、万葉歌人:大伴旅人は、中国から薬の木として渡ってきた梅を愛でる梅見の会を催し、大宰府の邸宅に人々を招きました。

この梅見の会では三十二首の歌が詠まれ、後に万葉集に収録されています。
中国では梅を「年が明けて一番最初に咲く花」という意味で,「百花初見」「百花元始」と呼んでいたそうでが,梅見の会を催す習慣はないようです。

ほのかな香りと花を愛で,歌を詠む梅見,梅を見て小さな春の訪れを感じることは日本人独特の繊細な楽しみです。
水のパワーが強まる雨水の時期のラッキーフード
①水分豊富な「ハマグリのお吸い物」等の「汁物(すまし汁など)」
スープたっぷりの「麺類」
「お酒」…特に日本酒(「雛祭りの時に飲む『白酒』)はそれ自体が浄化力の強いものなので、雨水との相乗効果“スーパー開運ドリンク”となります。
[甘酒]


雨水える食べ物
春告鳥はウグイス春告草は梅春告魚メバル・ニシン・サワラ(地域によって諸説あり)…春はいろんなものが『ほらほら、そろそろ来たよ!』と告げに来てくれます。


①[旬の野菜]…タラの芽[フキノトウ]セリ、かんぞう、セロリ、菜の花、[ナバナ][からし菜]ワラビ[春キャベツ][ブロッコリー]カリフラワーなど。蕗の薹など、ほろ苦い春の味を楽しみましょう♪
[フキノトウ(蕗の薹)]は…この時期に旬を迎える山菜で、雪解けの大地からちょこんと顔を出す春の兆しの象徴です。

・春の山菜には独特の苦みがありますが、この天然の苦味や辛味が冬の間に縮こまっていたからだに刺激を与えて目覚めさせ、活動的にしてくれるといいます。

・1~3月頃に採れ、花が開く前のつぼみを味噌などと食べるのがおいしいと言われています。
・スーパーなどの店頭でも手に入るので、早春の味を楽しんでみましょう♪
・昔から胃腸の調子を整える保健食として食べられていました。
[ナバナ(菜花)]は…「菜の花」の花が咲く前の状態で、若くてやわらかい茎や葉、つぼみを、おひたしや炒め物などにして食べます。ナバナがおいしいのは、花が咲き始める前です。
免疫力を高めてくれるβカロテンが豊富に含まれているのが特徴。
[菜の花]は、特定の品種を指す名称ではなく、アブラナ科の黄色い花の総称で、ナバナにも和種や西洋種など、様々な種類があります。
大らかにひとまとめにされる一方で、江戸東京野菜「のらぼう菜」京野菜の「伏見寒咲花菜」といったブランド種もあります。
[辛子菜(からしな)]は…特有の辛味と香りがあり、その種子は和からしの原料となる[からしの菜っ葉]のことで、葉に辛みがあって、栄養価が高いのが特徴です。
種子は生薬としても効果があり、神経痛や捻挫などにも湿布として用いられます。
種を絶やさない「金沢の伝統野菜」に認定されました。
[春キャベツ]は…他のキャベツよりも独特の丸みがあり、重なりや巻きが緩やかで葉が柔らかく、比較的中のほうまで緑が濃く甘みがあります。
[ブロッコリー]温野菜としてポピュラーな野菜で、日本には明治初期にやってきました。甘みも増しておいしい[秋~3月]までが旬です。
・濃い緑のモコモコした部分はつぼみで、ビタミンCが多く含まれるのが特長です。また、茎も栄養が豊富なので、一緒に調理して食べましょう。
・おいしいものを選ぶには、蕾が小さく、きっちり詰まっていて、鮮やかで濃い緑色のもの、茎の切り口にすが入っていないものが新鮮です。
・あまり日持ちしないので、早めにゆでて、ビニール袋に入れて冷蔵保存するか、ラップに包んで冷凍保存するのがお奨めです。
②[旬の果物]…[八朔(はっさく)][イヨカン]など
㈠[八朔]は…12月頃から収穫し、出荷まで一か月程度おき、追熟させて、2月頃から出荷され、3月頃までが旬になります。
[イヨカン]は…伊与国(愛媛県)で栽培されていたことから名付けられました。1~3月に生産され、2月に旬を迎えます。
③[旬の魚介類]…[サワラ(鰆)][メバル][ニシン]サヨリ、あいなめ、白魚、ワカサギ、シラウオ、[トビウオ]鯛、ワカサギ、アンコウ、イイダコ、アサリ[ハマグリ]アオヤギ、甘エビ、ズワイガニ[ワカメ]など
[ハマグリ]は…夏の産卵期を前に身が太る春が最もおいしい時期ですが、かつては旧暦3月の雛祭り(3月下旬~4月頃)が食べ納めとされていました。
鉄やビタミンB12が豊富で、貧血予防の効果が期待でき、タウリンもたっぷり豊富なので、コレステロールを下げると言われています。
ハマグリは、雛祭りや結婚式等の祝い事には欠かせない縁起のよい貝です。二枚の貝殻が元々の対の組み合わせ以外はピッタリ合わないことから、貞節や夫婦和合の象徴とされ、祝事に用いられる食材となりました。
[ワカメ]は…生産量が最も多い海藻類であり、様々な料理で活躍します。乾燥させたものや塩蔵処理をしたものがおなじみですが、春先のこの時期だけは「生ワカメ」が出回ります。
さっと茹でると鮮やかな緑色になり、歯ごたえも香りも味も格別です。(持ち味を壊さないポイントは、加熱し過ぎないことです。)
多種多様な栄養素がつまっていて、肥満や高血圧を予防し、コレステロールを下げる働きがあると言われています。


[雨水期間中養生法]は?
①[東洋医学の経絡]では…[大腸の経絡]に異常が出やすい期間です。
手の陽明大腸経人差し指から始まって、肩の前面を通り、鎖骨付近を通って、肺と大腸に繋がる経路肩甲骨の上部から首の後ろの第7頸椎を通り鼻を中心とした顔面部に繋がっています。なので、インフルエンザなど呼吸器系の疾患、花粉症などのアレルギー症状、皮膚疾患・下痢や便秘などの症状の他、四十肩・五十肩・手のしびれ・顎や歯の痛み・眼のかすみや疲れなどが出やすい季節になります。
⑵[簡単な養生法]は…
手足の人差し指を揉んでみましょう♪
鎖骨周囲のセルフマッサージ
胸を拡げるようなストレッチもお勧めです。
昔からの家庭民間療法(=おばあちゃんの知恵)で三寒四温対策をしましょう♪
この時期、暖かかったり、寒かったりが交互にやってくることを「三寒四温」といい、春がすぐそこまで来ているかのように、暖かいポカポカ陽気が続いていたかと思うと、突然、冬のような寒さがぶり返すことがあり、これを「寒の戻り」といいます。
一時的とはいえ、寒暖差が激しいので、身体がビックリして風邪がぶり返したり、体調を崩したりする人も多いようです。
⑴身体を冷やさないよう
[しょうが湯]は…すりおろしたショウガ汁水で溶いた葛粉を合わせ、熱湯とハチミツを加えます。

身体が温まるショウガの作用と、葛粉のとろみで、体の芯からポカポカになります
[梅茶]は梅干しをゆっくり真っ黒になるくらいに網で焼き、湯のみにいれ熱い番茶を注ぎます。

「咳の出始めなどに良い」と言われています。
花粉症の不快感を和らげるアロマ(精油)として…[ユーカリ][ティートリー]があり、共通の特性を持ち、どちらも[花粉症対策]にお奨めです。
偏西風により、中国から飛来する黄砂や強烈な大気汚染物質、また、スギ花粉も多く飛来する春です
ユーカリ…殺菌・抗ウイルス作用に優れ,免疫力を高める働きがあり,㊀花粉症や風邪による鼻水と喉の痛みの軽減、㊁感染症にかかりにくくする効果があります。
ハーブ調ミント調透明感のある香り室内香としても適しています。
主な産地はオーストラリア。

コアラの餌という印象が強いかもしれません。
オーストラリア原産の大木は大自然の中で大地のエネルギーを充分に取り入れ、太古の時代から有用な薬用植物として重宝されてきました。
ユーカリの枝や葉を部屋に飾ると、空気がクリアになって、気分もすっきりします。
科名:フトモモ科 /抽出部位:葉  /抽出方法:水蒸気蒸留法、主な成分…1,8-シネオール、α-ピネン
ティートリー…感染症を防ぎ,呼吸器系の炎症を和らげます。
科名…フトモモ科 / 抽出部位:葉 /抽出方法:水蒸気蒸留法、主な成分…テルピネン、1,8-シネオール
※1,8-シネオールはまれに皮膚刺激を引きおこすことがあるので、使用にあたっては1%以下の低濃度から始めましょう♪
④この季節の入浴法
⑴[日本酒風呂]…お風呂に少し日本酒を入れて入れば 入浴自体の浄化力とも相まって、さらなる浄化力を発揮します。
「最近ついてない」と思う方に限らず、悪い気・悪運は知らず知らずのうちに溜まっているものですので、“日本酒風呂”で浄化してみましょう♪
なお、お酒を飲んでからの入浴は危険ですので、お控え下さい。
⑵「寒の戻り」にはゆっくりとお風呂に入りましょう♪
体調を崩しやすくなってしまいそうです。

このような急に気温が下がった日には、ゆっくりとお風呂に入って体を温めましょう。
入浴による「温浴効果」で副交感神経が刺激され、寒さで緊張した心や体がリラックスしやすくなり,質の良い睡眠を促してくれます。


雨水「季節じる花」
⑴[クロッカス]は…春咲きの種と秋咲きの種がありますが、春咲きのものはちょうど雨水の頃に咲きます。暑さ寒さに強いクロッカスは、ガーデニング用の花としても人気です。
沈丁花(ジンチョウゲ)は…春の香りが良い花の代表で、「ジンチョウゲの香りをかぐと春だなあ」と感じます。
クチナシ、キンモクセイと合わせて三大香木と呼ばれています。
サンシュユ(山茱萸)は…黄色い花をたくさんつけ,秋にはグミのような赤い実がなりますが,それは果実酒にすることができます。

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★【二十四節気(にじゅうしせっき)】とは、太陽暦の一年間、春夏秋冬を24分割したもののことです。
この一年は二十四節気の「立春」から始まり「大寒」で終わります。
(立春・雨水・啓蟄・春分・清明・穀雨・立夏・小満・芒種・夏至・小暑・大暑・立秋・処暑・白露・秋分・寒露・霜降・立冬・小雪・大雪・冬至・小寒・大寒)
中国から伝わった二十四節気は日本の気候に合わないものもあったので、農耕が盛んだった日本では「雑節(ざっせつ:節分や彼岸など)」という暦を合わせて、日本では旧暦として用いていました。
二十四節気をそれぞれ初侯・次侯・末侯という5日毎の侯に三分割し、一年間を七十二個に分けたものを【七十二侯(しちじゅうにこう)】といいます。(24×3=72)
七十二候は、その時期に起きる自然界の変化をとらえた言葉で、私達の肌感覚では感じられないような、季節の移ろいを表現しています。
二十四節気や七十二侯は季節をより身近に感じることのでき、これを意識して暮らしていくと、身体のリズムが季節と調和してきます。
季節の花やことば、旬の食材を生活の中に取り入れて、自分のペースを作って行きましょう♪