大原野神社の向かいにあるお寺です。洛西三十三観音の番外札所になっています。
 

法寿山正法寺(しょうぼうじ)

■真言宗東寺派

■御本尊:聖観世音菩薩、三面千手観世音菩薩

■京都市西京区大原野南春日町1102

■洛西観音霊場番外、西国薬師四十九霊場第41番、京都六大黒天霊場第3番

 

鑑真和上と共に唐から来朝した高弟の智威大徳が当地に隠棲し、薬師如来を祀って春日禅坊と称したのが始まりとされます。智威大徳について調べたんですが正法寺絡みの記事しかヒットしませんでした。

後に最澄が大原寺を建て、子院のひとつに正法寺がありました。応仁の乱で焼失しましたが、江戸時代初期に再興され「西山のお大師さま」と呼ばれ信仰を集めました。御本尊の聖観世音菩薩は空海が巡錫の途中で立ち寄り彫刻したと伝わっています。

 

 

大原野神社の参道の入口の、川を挟んだ向かい側に正法寺の入口もあります。南春日町のバス停からはだいぶ登ってきたので、すぐ奥は山林が広がっています。
 

 
入ってすぐのところにある春日不動堂。春日不動明王と弘法大師が祀られています。
 
 
その手前にあった遍照塔(京都市指定有形文化財)。元は日露戦争の戦没者の慰霊のために1908年に亀岡末吉の設計で高台寺に建てられましたが、2010年に移築されました。当初は檜皮葺きでしたが現在はチタン製の屋根になっています。
手前のパンジーが植えられた庭と合わせて、ちょっと唐突な印象が…。
 
 
こちらの門から境内に入ります。
 
 
その横の、本来正面と思われる門。
 
 
ロウバイが咲いていました。私にとってかすかな春の訪れを感じさせてくれる花です。
 
 
境内は枯山水のお庭が緻密に作られています。全国から200tもの銘石が集められ「石の寺」とも呼ばれているそうです。
 
 
先程の正面の門の裏あたり。
 
 
砂紋がきれいに引かれています。
 
 
大きな手水鉢の上に、被るように松の木の枝が伸びています。
 
 
ロウバイが活けられていました。
 
 
庭園を進んでから建物に上がって先程の不動堂のほうに歩いていきます。
ちょっとした行き止まりにも意匠を感じます。
 
 
水琴窟。
 
 
奥に結構な水量で流れる滝がありました。
 
 
その近くの春日稲荷社。智威大徳のために麓から食べ物を神狐が運んだと言われています。
 
 
②に続きます。