先週日曜に見てきました。内容的にはいつものコナンらしさ満載で、歴史ミステリー感溢れる作品でした。でもまあ、これ序盤で気づく人はもうあっさりと気づく仕掛けだから、傑作と言われたら「うーん?」ってなる感じはある。少なくともイケメンごり押し作品(『ハロウィンの花嫁』)と比べたらまだマシかも。私の感覚では。

 

・物語

物語の感想をざっと述べるならば、とにかく見やすかったの一言に尽きる。今回歴史が深く絡んでいることもあり、情報量として前作より多かったけど、途中で謎解き整理の時間を設けていたし、所々で箸休めとなるギャグシーンやらカーチェイスやらと入れてきたこともあり見やすかったです。
 
今回の謎は予告でも噂されていた通り、「キッドの秘密」について。でも観て分かったけども、劇中でバンッって明らかになるより……何となくという匂わせ路線でキッドの秘密を解き明かしていったのは意外だったな。ドドンとキッドの秘密が明かされるかと思ったけど、それは全くの杞憂でした。
 
とはいえ、キッドが宝石ではないものを盗むのは『業火の向日葵』以来だったし、そこに新鮮味はないんだよね。その後の秘密についてもあまり匂わせ程度だったから衝撃度はそんなに伝わらない感じ。ただ、劇中ラストのシーンは誰にとっても驚く場面だし、ざわつくと思いますよ。あれは。
 
その他の謎として、「顧問弁護士が殺されたか」というベタな殺人事件の解決。この事件は福城聖が鞘を納めている二つの場面で大体の犯人像は分かるっちゃ分かる話だし、あまり衝撃度もない。でもそこに平次和葉とコナンキッドを上手く入れてきたのはよく出来ていると思います。
 
単純な事件構造だからこそ、複雑に見せることが出来る。ミステリ作家の大倉氏だからこそ出来る技だと思うし、凄いと思う。それに歴史ミステリーも加わっているし、誰にとって頭を動かせるよう見やすくしているのも良いと思います。ただ、それ以上に凄いかと思えばまた別の話になってきますが。
 
何でかと言えば……まず、平次が参加するであろう大会のシーンが全然重要な設定ではなかったということ。つまり「お飾り」でしかないということになるんだけど、まあ尺都合で使えなくなったんだろうなと推測。それでも何かしらで使って欲しかったということが少し思っています。
 
それに、ブライアンは結局の所何がしたかったのか不明。「死の商人」と呼ばれている彼だけど、深まった動機が明かされなくて少し残念って感じがした。あっても「売り飛ばそう」というありきたりな動機だから入れなかったのかな。
 
そんな感じかな。ゲスト声優の大泉洋氏は歴代の中で群を抜いて上手かったし、まさかの彼が演じていた川添刑事が全て事件の解決を導いていたなんて……最初の頃は思わなかったものの、少しだけ「あれ、なんかこの人導いてないか?」って思ってました。少しの違和感だけ見せているの、ミステリ作家らしさが出てて良き。
 

・まとめ

面白かったです。できる限りネタバレに触れずに書いてみました。
来年はどうやら長野県警が出てくるらしいけど、長野県警出身の黒田管理官が出てくるのかな。そしたら掘り下げが始まったりして……?