心が風邪をひいた日 | 気がつくと

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東京ステイを終え故郷高知に戻りました。地味に、普段の気づきをアップしていきます。

太田裕美さん

「木綿のハンカチーフ」はご存じではないでしょうか。

アイドル? 歌謡曲の歌手? シンガーソングライター? 

と言われますが,現在もステージ中心にご活躍で,朝ドラの挿入歌も担当されています。マイク

 

裕美さんは1975年辺りからメジャーな感じになったと覚えています。

そのころ,私はブリティッシュロックに熱中しており,ミュージックライフの発売日が待ち遠しい生徒でした。レコード店では邦楽のコーナーは素通りしていました。


ある日,友達の部屋で太田裕美さんのLPレコードを聴かされて,驚き引き込まれました。松本隆作詞筒美京平作曲のアルバムとしての完成度が素晴らしい。当時のアイドルはシングルレコードのセールスが絶対で,アルバムは楽曲の寄せ集めのようなものでした。

「これは違う・・・」,それからアルバムを聴き続けました。

 

 

4月にNHKBS放送で,アルバム「心が風邪をひいた日」の制作秘話のような番組が放送され,8月に再放送がありました。録画はしていましたが,改めて,ステレオにつないで大きめの音量で聴きかえしてみました。

 

この番組では,当時のレコード原盤から,16トラックで録音されている各パートを抽出して,例えばボーカルだけを聴くといった大胆な手法を採っていたのです。カラオケ

 

「うわ~,すごい。これって,裕美さんが丸裸・・・」ラブ

そう,ビートルズが「LET IT BE・・・NEKED」を発売したとき,ポール・マッカートニーが,

「わお,これって危険。だって僕たち丸裸・・・」びっくり

とコメントしたのと同じ,いや,裕美さんの方がもっと危険な手法だと思います。

 

よく裕美さんが承知したなあ。勇気ある行動です。

おかげて楽曲ごとの作詞,作曲,編曲の意図,進行,工夫がよく分かります。

 

松本・筒美のコンビはレノン・マッカートニーとは少し違いますが,双方が意識し合ってぶつけ合って楽曲を作っていたことが,想像はしていましたが,番組ではっきりしました。

 

レコード会社も,「太田裕美」に,当時のアイドル歌謡路線でなく,アルバムとライブで長く勝負するボーカリストに育てようと,よく決断したなと思います。最初から松本・筒美で方針を代えなかったことが,ファンを引きつけていったと思います。

 

私もその「太田裕美ファミリー」に引きつけられたままです。アルバムは徐々に本人の作詞作曲が増えていき,「背中合わせのランデブー」ではA面が吉田拓郎作成の楽曲,B面が太田裕美の楽曲という,大胆チャレンジアルバムが発表され,成功しています。ギター

 

ファンにとって「太田裕美」のルックスも声質も魅力的です。しかし,なんといっても制作側が太田裕美という素材を一番良い方法で送り出し続けたことに,ファンとして感謝します。お母さん

 

そして,NHKはよくこの番組を制作したなあと,ちょっと見直しました。ニコニコ

 

 

余談:「こちら葛飾区亀有公園前派出所」では両さんが彼女のファンで,太田裕美コンサート会場を物語りの舞台としたストーリーがありました。このマンガに登場する裕美さんも素敵です。