オランダサッカーのレジェンド、ヨハン・クライフの言葉。
「若い指導者の中には、勝つことばかり考える者がいる。彼らが気にしているのは自分の評判だ。しかし、その評判を作っているもの自体が変わらなければならない。」
これ、監督だけに「勝利至上主義をやめろ」と言ってもダメなんだと思う。
だって周りが、
勝った → 名監督
負けた → ダメな監督
という物差しで評価しているなら、監督が勝つことに最適化するのは当然だから。
変えなければならないのは、評価する側の物差しでもある。
育成年代なら、
この選手は何ができるようになったのか。
このチームは何をしようとしているのか。
失敗しても挑戦したのか。
今日の勝敗とは別に、将来につながるものを作っているのか。
そこまで見なければならない。
でも、これには見る側にも能力が必要になる。
スコアボードを見るだけなら簡単だ。
2対0。
はい、こっちの勝ち。
でも、成長やプロセスや将来性を見るためには、見る側にも知識と経験と物差しが必要になる。
これはサッカーだけの話ではないと思う。
教育だって同じ。
テストの点数。
偏差値。
合格した大学。
数字だけなら誰にでも評価できる。
でも、
その子が何を考えたのか。
何を試したのか。
何に失敗したのか。
そこから何を学んだのか。
次に何をしようとしているのか。
そこまで評価しようとしたら、評価する側の評価能力が問われる。
だから、
「結果だけで判断するな」
と言うだけでは社会は変わらない。
結果以外のものを評価できる人を増やさなければならない。
選手を育てる。
監督を育てる。
生徒を育てる。
それだけでは足りない。
見る側も育てなければならない。
社会の物差しが変わらなければ、人はその物差しで高得点を取ることに最適化する。
クライフが変えろと言ったのは、案外そこなんじゃないかと思う。
