週末は伯母の葬儀が行われました。

従兄は50代になってから宗教学の博士課程に再入学しました。

八百萬の神だからこそなのですが、ひょっとしたら世界初の神仏習合葬でした。

神主さんがお焼香をして、お坊さんが玉串奉奠すんの。

思わず写真撮りました。

 

もともとは神式でやるつもりだったようですが、やっぱり仏式でもやろってなって従兄の友人でもあるお坊さん(由緒正しいお寺の)が仏式でやりました。神主さんの方はどこかの由緒正しい神社の神主さんにお願いしました。

従兄も神主さんの資格?免許?はあるんですが、普段やってないので失敗して祟られたくないのでちゃんとした人に頼んだとか。

 

お坊さんのお説教はとても興味深いものでした。

由緒正しいというのは、奈良仏教(南都六宗)の宗派の総本山のお寺のお坊さんでした。

テストに出ないから忘れてしまいましたが、奈良仏教はお葬式をしません。

ですがそのお坊さんは鎌倉仏教の宗派のお坊さんの資格?免許?もあるそうで、今日は(お葬式をやる)そっちの宗派の法衣を着てきましたとのこと。

そしてそのお坊さんは、神主さんの資格?免許?もあるので、神式のお葬式の一部をそのお坊....神主さんがしてくださいました。

緊張してるのがわかりましたw

途中で本職の神主さんに小声で指示されてたりしてw

 

いろんな宗派、さらに宗教を越えて複数の資格?免許?が持てるなんてまさに八百萬の神だからこそです。

一神教では極めて異例なケースでしかありません。

 

 

実際の説法ではお坊さんの話は、「東大寺や清水寺、薬師寺、唐招提寺などは何宗か知っていますか?」「○○宗や××宗なんですよ」「これらの宗派ではお葬式をしないのです。私は本職はこれらのお寺の一つのお坊さんなのでお葬式はしないのですが、私はお葬式をする宗派の僧侶でもあるので今日はそちらでやります。」というものだけでした。

そんな話をボクは

へぇへぇへぇ

テストに出るのは鎌倉仏教(という単語は覚えていた)からだもんなぁ

奈良仏教(南都六宗も覚えていた)は始祖と宗派とお寺を覚えないよなぁ

と思いながら聞いていました。(この時点では全然記憶が蘇ってない。)

隣に座っている別の従兄は知っててトーゼン顔なのにボクは気づいてました。頷いてたし、従姉も。

どちらも従兄弟姉妹の中で超優秀な人たち。

 

そして食事の雑談でその従兄から問題が出されます。

「奈良仏教と鎌倉仏教の違いを言ってみろ」

「えーと....貴族と武家」苦し紛れにこれしか言えませんでした。(選択問題だったらこれくらいで正解。記述式だとせいぜい半〇かな)

「ふーんw」答はもちろん教えてくれません。うちは 知りたきゃ自分で調べろ!ですから。

いや、あんな話を聞いてこの問題が出されたんだから、貴族と武家が求められている答ではないのはわかっています。

「お前大したことないな」の落胆の色が従兄の顔に見えました。

 

説法の時に、まさに、テストに出ないもんなぁと思った自分がいることに驚き落胆しました。

まぁもともと歴史はあんまり好きじゃないから大して勉強してないんだけど、

南都六宗、平安二宗、鎌倉仏教それぞれの始祖、宗派、総本山をどうしてまとめておかなかったのか?

なんで(平安二宗と)鎌倉仏教だけしか整理してないのに満足してしまったのか?

 

これらの特徴や背景、歴史の流れで理解しなかったのか?

 

などと打ちひしがれている間に話題は変わっていて、そこでかの従兄が「昔は死は穢れだったからねぇ」と誰かと話していました。

 

「あ、それそれ!それが答でしょ!」と思わず割って入りました。

「今頃気づいたかw」

 

 

古代仏教では死は穢れで、穢れは伝染するので葬式をしなかった。

葬式を仏教でするようになったのは末法思想の鎌倉仏教からだ。そうだ、そうだ、思い出した。

檀家制度ができたのも江戸時代からだ。だから奈良のお寺には檀家もいないから葬式もない。

あぁ、そういう流れがあるから「奈良と鎌倉の仏教の違いは?」という質問になったんだ。これで繋がったわ。

 

なんでお坊さんの話をはじめて聴いたみたいに「へぇへぇへぇ」と思ってしまったのか。

知識を繋げれば当然予想できる内容ではないか!

 

オレがいつも子どもたちに教えていることを自分ができてないことを猛省中。

 

南都六宗、平安二宗、鎌倉仏教について調べなおして微かな記憶の確認の居残り勉強をしました。