漱石先生「こころ」前編 | 日刊「きのこ」 skipのブログ

漱石先生「こころ」前編

読者のみなさま
遅くなりましたが、

 

皇紀2680年
あけまして
おめでとうございます!


さて、去年の年末に
漱石先生の「こころ」のことで
ちょっと調査をしてきました。

調査項目は二つ。

①「上 先生と私」五に出てくる
「安得烈」の墓を見つける。
②「下 先生と遺書」四十六の
長い散歩コース
高低差を調べる。

です。

①は本文にはこう記されています。

私は安得烈と彫り付けた
小さい墓の前で、
『是は何と讀むんでせう』
と先生に聞いた。
『アンドレとでも
讀ませる積でせうね』
と云つて
先生は苦笑した。



広い雑司が谷霊園の中で
手がかりなしに探すのは
不可能ですね。
かつてネットで
法務省納骨堂の近くにある
という情報を見たことが
ありましたが。
どこで見つけたか
忘れてしまいました。

ともあれ、
死刑囚の入る
法務省納骨堂のそばで、
ちょっと古そうなお墓の
あるあたりに直行。

霊園に入ってすぐ
5分もしないうちに、
見つけました。


まるで導かれるように、
まっすぐに到達できたことに
不思議を感じました。



墓石の裏には
「  明治四十一年
俗稱 田中清四郎
   一月廿八日永眠

と彫られていました。
こころ」が
世に出たのは
大正3年のことですから、
漱石先生が見たのは
これに違いないと
思いました。

ただし
小説ではわざと
一字変えてありますね。




場所は、
霊園管理事務所の裏
(地図の印)
です。


長くなりましたので、
②の調査は次回にします。



長年気になっていた
アンドレの墓ですが、
今もお参りする人が
いるのかどうかは
わかりません。
やっと見つけることができ、
ホッとしました。
感謝を込めて、
丁寧にお参りしておきました。