学晶山栄山寺
双十節の日曜日のことである。
ある新聞の記事
に導かれて、
奈良県五條市にある
栄山寺(えいさんじ)にお参りしてきた。
吉野山のふもと、
吉野川のほとりにある古刹である。
開山は719年、
藤原武智麻呂によるという。
このたびの「百味供」というお祭りが、
新聞で紹介されたこともあり、
次々と自家用車がやってくる。
境内には古そうなものだらけ。
この石塔婆も奈良時代のもの。
日本最古級の石造塔らしい。
重要文化財に指定されている。
60円切手の宇治平等院の鐘と
並ぶ名鐘であるらしい。
小野道風といえば、三蹟の一人。
花札の雨の20点の傘さした人物
本堂には、いずれも重要文化財の
薬師如来像と十二神将像があって、
荘厳な雰囲気である。
(堂内は撮影禁止でした)
また、この地は南朝の
後村上、長慶、後亀山三帝の
行宮でもあり、昭和13年に
史蹟指定をうけている。
こちらの八角円堂(国宝)である。
藤原仲麻呂(恵美押勝)が、
父武智麻呂の追善に建立したという。
法隆寺夢殿を思わせるこの建築は、
緑に囲まれ自然にとけ込んで、
夢殿より古びた気配をただよわせる。
屋根の上の宝珠が、
石でできているのも珍しい。
大々的な宣伝もせず、
あまり知られていないお寺だが、
落ち着いた田舎の里山の中に、
こっそり隠れた歴史や文化財に、
心を洗われる小さな旅であった。
お祭りのため、地元の人々も
たくさんお手伝いに来ておられました。
文化財の保存状態は
決していいとはいえないようすでしたが、
生活に密着した歴史あるお寺というのが
ゆかしく思われました。


