ホビット
「指輪物語」の中に出てくる
ゴラムって、もとはホビットですね。
そのときの名前はスメアゴルSméagol。
ぼくは彼の名前はデンマーク語の
Smage godt.
(スメーア・ゴーッ「おいしい」の意)
からきていると勝手に思っています。
ホビット庄Shireを離れた彼は、
生魚にかぶりついて飢えをしのぎます。
普通嫌われることの多い生魚を、
「おいしい、おいしい」と言って
食べているうちに、姿形もすっかり
醜くなり果ててしまいます。
「ゴラムGollum、ゴラム」とのどを変に鳴らせて、
それが新しい呼び名になります。
ゴクリと邦訳表記されたのは、
ゴラムが唾を呑み込む音だからですが、
それも「おいしい」と共通する発想ですね。
彼はまだホビットだったとき、
友人のデアゴルDeagolと共に釣りに出かけ、
デアゴルがたまたま発見した指輪を
強奪します。
このデアゴルという名前も
ぼくはかってにデンマーク語の
Det er godt!
(デ・エア・ゴーッ「こりゃいいや」の意)
から来ていると思っています。
初めて指輪をみつけ、
「これはいい」と思って持ち帰ったのが
彼だからです。
作者JRRトールキンが、
北欧神話や北欧語を相当研究したことは
明らかですから、
デンマーク語の音から着想を得たとしても
不思議はありません。
ついでながら、北欧神話の世界観は、
中心世界はアスゴーAsgårdと言われます。
そこにはオーディンOdinなどの神々が住んでいます。
外の世界はウッゴーUdgårdと言われます。
暗くて寒い世界で、
巨人族が住んでいます。
その中間世界がミッゴーMidgårdと言われ、
われわれ人間の住む世界です。
指輪物語の「中つ国Middle-earth」は、
ミッゴーと同じ発想と言えますね。
「指輪」では、西方の天上界アマンは、
エルフ(小神族)たちが永遠の生命を保つ世界です。
東方は未知の世界であるとともに、
邪悪な印象も強い。
神々の住む世界と
邪悪な世界の中間、
それが人間の住む「中つ国」、
つまりミッゴーなのです。
このほかにも、「指輪物語」の中にデンマーク語が
ちょこちょこ見つけられて面白いです。