



店長のも作ったのに
間に合わず
おとうさんのぶんは
撮ったつもりが消えた
どうでもエエわ
また悪たれて
憎たらしい
コイツに
一所懸命ごはん作って
一銭にもならんのは
業務として
イラつく
買い物して
物価の違いに怯えて
勝泰には
おかねない
節約しろ
今後のためにも
って
おれひとりなら
困らない
働いて
税金納めて
残ったぶんで生活する
あたりまえのことだ
車ナシ
だから諸経費ナシ
家族ナシ
だからしょっちゅう腹減ったって
言われない
1日2回でじゅうぶんだ
なにをするのも
おかね
そんなに使わなくても
生きられる
知ってる
実際500円すらなくても生きてた
ショッピングでカード使って
あっちこっち行って
借金したのは
かあちゃんがおかねくれるって
言ったからだ
シゴトしていないときにしか
できない
ライヴ行くのは2日休みがないと無理
田舎で週休2日なんて無理
有給なんて夢の国ねぇし
おれは
限られた無職期間に
目一杯楽しんで
反芻して
もぐもぐしながら生きる気だった
かあちゃんの嘘つき
オマエのせいで
したいこと失くした
遊び尽くす計画も
家族としあわせに暮らす夢も
オマエがおとうさんみたいな
奇妙な異星人に
ストーカーされて絆されて
いま
おれが
オマエのせいで
身動きできない
18年間
たかが1000万円
使ったからなんだって言うんだ
オマエのせいで
54年間
しあわせなんて見つけられていない
生まれたくなかった
勝手に産んでおいて
おれを
飼い殺して
いまは檻の中で
首輪
手枷
足枷
何処へも行けない呪い
オマエのせいで
オマエが
オマエがおれを呪うから
動けない
暴力は身体的なことよりも
ことばのほうが重い
どれだけ呪えば気が済むんだろう
キチガイ
泥棒
親を虐待した
親を追い出した
お前は迷惑ばかりかけて
みんなお前が狂ってるとおもっている
どこにいっても役に立たない
みっともない
どうにもならない性格だ
親になんてこというの
こんな母親だと
おしえてくれてありがとう
栗城家
おれの
まとも仮面つけて頑張っていたかあちゃんを
返してくれんかな
素顔がクソでも
もっとはやく
救えば良かった
壊れる前に
敏雄から引き離せば
良かったね
加害者
だれだか
わかってるのかな
おとうさんだよ
周り中
壊せるの
それでね
もう良い!
って怒鳴って
舌打ちして
うるせぇこの野郎
てめぇバカにすんな
ふざけんなてめぇ
つぶやいて
じぶんだけドア閉めて
なかったことにして
すぐ
おなか減ったってドア開けて
にっこり笑えるの
慣れた
