老化したニンゲンから漂うのは
加齢によるものだけではない病的な腐臭がある
代謝低下による生きたまま腐る病気
魚が腐った臭い
栗城敏雄はある時期から腐った
突然生臭い耐え難い体臭になった
そこから母と私は
キモチワルイと思い始める
もとから不潔
だらしない
汚い
そこに耐え難い体臭
女性の鼻が鋭いのは
繁殖相手の鮮度を確認しなければ
健全な子孫が残せなくなるから
卵ではないので
そうなんども哺乳類は出産できない
臭い相手は抹殺対象である
老化というか
性根が腐っているんだわ
欲深
じぶんのことしか考えず
出ていけという口で
お腹減った
ごはんまだかい
ぶっ殺して良いはずだ
老化でも認知症でもない
こいつは
民子お母さんにも
おなじ
もっと悲惨な接し方をしただろう
多重人格者
脳障害
性格異常
なんというか
だから彼は障がいという枷で繋がれた
もし
脊椎カリエスがなければ
大男
性欲はとても強く
暴力的
独裁者
ナニが起きるんだろうな
私が東京にいた時に
上司というか同僚の先輩というのか
ヨシオカさんというオジサンが居て
栗城家
そのオジサンと同じ系統の顔をしている
で
うっかり信用した
史多
のぶたんがなーーー
敏雄と一緒にいたんだ
結婚前に母抜きで3人で会って
のぶたんがキラキラ攻撃するものだから
父親見逃した
可愛いおとうとに目が眩んだ
結婚後
こいつオカシイなって思い始める
毎週さみしいこどもに擬態して
今金に来た
民子お母さんへお花を供えお線香を灯し
敏雄を見ていた
違和感
薄っぺらい上っ面の会話
知性が欠落していて
まともに会話が繋がらない
患者さんたちの中にも
ここまで酷いのいねぇなって
案の定
おれを母から隔離しようとして
電話を繋がなくなり
母も騙されてしまったので
もう要らねぇよオマエら
って
ことなんだが
うっかり具合悪くなって
此処で飼い殺しにされたんだな
勝泰と変わらない
おれも
金目当ての娘
そばに置きたくない
どっか行け
いまでも扱いはおんなじさ
おれ勝泰に雇用されていなければ
このジジイ殺す
しないのは
勝泰がおれの飼い主だからだ
ヨシオカさんは阿呆だった
おれ見かけどおりじゃない
警備のオニイチャンに混ざりたかった
NTTの武蔵野の研究棟なんか行きたくねぇ
あっちこっち行かされて
毎回知らんやつと
食ったり呑んだり
それで面白かった
相手が期待しても
そもそも脳にそのシステムない
性別的には男性に近い思考回路で
男性から好まれるタイプのオンナに
おれも惹かれるから
ああすりゃいいのかって
擬態の精度を上げていく
期待させる割に
まったく靡かない
ニンゲンとなんか違う
それがおれ
服とか女性のほうが良い
だから女装する
髪も長いほうがオンナっぽい
それだけ
勝泰はおなじ種族な気がする
切れって言うから髪切った
上官命令であるから
任務のためには
致し方無い
しかし
女装すると敏雄がさーーーー
色ボケしてんだよな
だからあえて
鬼むすめで良いんだ
こいつに気に入られて夜這いされたら
おれ迷わず首の骨狙って折る
階段から突き落として
放置して
朝に泣きながら通報していると思う
胸触る義父
足撫でる義父
好きになれっこねぇわ
腐った落神に興味も関心もない
さっさとどっか行きてぇなーーー