ずっと夢の中に居るみたいだ
じぶんが浮いていてなにもかも遠くからみているみたいな
もしかして迎えに来ているとかじゃないよね
史多
もう少し時間がほしいんだ
としちゃんより１日だけ猶予がほしいんだ
頼むね
置いて逝けないからね
勝泰のごはん作らなきゃだし
ホテルももうちょいどうにかしたい
あんまり体調が良くない
ゴメンナサイ
キミみたいにはなれないし
ひとまえも無理だ
演技も擬態も
疲れるんだよね
フラッシュバックってわかるかな
夢の中で前の職場に居る
動悸と冷汗で
目が覚めても血の気が引いていて
ずっと続いている
相手はじぶんのほうが被害者だと
おもっているのかも
でも
徐々に空気が変わる
勝手に期待しておいて
勝手に見限る
あの恐怖がずっと離れない
勝泰だけが理解してくれる
でも
消えない
永遠に記憶が消せない
どこから間違えたのかわからない
パソコン教室に通おうとしたところかな
冬山で車滑って天井から雪の中に落ちた
生きてはいたのに
あのときなにかヒビが入ったのかな
ツバメさんだったかな
工事関係者が助けてくれて第一声
生きてるか
だった
もし車高低かったらCinderella
いろいろあって徐々に亀裂が大きくなって
たえがたいと言うか
忘れない記憶力を恨む
頭の中の消しゴムなんて
私には無い
ひとは記憶の重さに耐えられないから
永久に生きることができない
だったら既に
溢れてしまった状態で
生きていたいと思えるのだろうか
憶えていたかったことは
箪笥の奥に
だいじにしまうからおもいだせなくなる
めのまえにある些細なものは
見たら記録されていく
直ぐ届く場所に収納される
おもいだせない空っぽの部分に
なにがあるのか
史多はなんともなかったのかな
低酸素で
消えてしまったもの
いっぱいあったんじゃないのかな
よく頑張ったね
もうちょっと時間チョーダイね
たぶんなんとか頑張るとおもう
したっけ