日付はおぼえていないけれども
東京から新幹線で帰る駅で起きたこと
荷物は巾着袋ひとつだけ
旅行するにはあまりにも身軽な人懐っこいおばあちゃんに会った
北海道に行くという
いしかりに友達に会いに行くといって
メモを見せてくれた
電話番号らしい数字はあるが
06から始まっている
大阪じゃなかったっけコレ
熱海から来たという
誰にでもニコニコ話しかける
もしや、いや、でも
発車時間は迫っている
駅員さんにお願いする時間はないし
切符は揃っている
ダガシカシ
札幌まで
石狩はその先だ
とりあえず乗ってみる
乗り換えないと北海道には着かない
おばあちゃんは各席でちゃんと誰かに話しかけ
乗り換えの時も他のオバチャンと歩いていた
気になる
もう一回青森と函館で乗り換える
コレはやはり奇妙だ
札幌がチャンスだ
携帯でホテルに電話する
ルートインにお願いする
空き室はある
もしもおばあちゃんが行ったらよろしくと伝える
おばあちゃんは無事函館到着
上着なし
寒いだろうに
特急乗車
降りなきゃならん
メモをおばあちゃんに渡す
携帯番号を書いて
下車
眠るおばあちゃんを見送って帰宅
ザワザワ胸騒ぎで札幌駅に電話
おばあちゃんを改札でつかまえてほしい
おばあちゃんの話では貯金通帳を持っているので
身元が分かるはずだと伝える
よくしゃべるおばあちゃんはお金はある通帳はあると大きな声で言い続けていた
アブね…(ΦωΦ)
アヤシいひとがおらんくてナニヨリ
寝てたら電話
おまわりさんから
おばあちゃんは無事です
認知症でご家族とも連絡がつきました
なんてこったい
日本の鉄道は認知症でも安全に旅行可能だ
最後の大冒険だったかも
後日
地元で日曜日の普通列車に乗ったらば
宝くじの換金に銀行に行くという高齢のご婦人に会った
日曜日だよ…(ΦωΦ)
降りて別れてから
乗車した駅に電話
認知症かもしれないので
伝えたんだが
駅長さんはワタシではどうすることもできません
そうじゃねぇ
捜索願が出たときのために記録しとけって意味じゃ
田舎は呑気だ
札幌駅の対応は素晴らしかった
得体の知れないワタシからの電話で
おばあちゃんを見つけてくれた
認知症は増えているから
些細なことでも
連携して事故を防ごうよ
ヒトゴトじゃないよ
って
なんか急に思い出したから書いてみた