りらは無気力なこども。
いつも本を読んでばかりのぼんやりしたこども。
いつもねむたくて。
ひるまもよるも。
どこかとおいところからじめんをながめているようなこども。
おとーさんがあそびにんだったので。
おうちにはおかねがいつもなくて。
でも。
きがついていなかった。
おかねに無関心で。
ほしいものがあまりにもすくなかったから。
おかーさんがそばにいてくれれば。
いっしょにおうちにいれば。
しあわせだった。
なんどめかのおとーさんのぼうけんがしっぱいして。
おとーさんがいなくなった。
おかーさんは。
おそとにはたらきにいってしまう。
ひとりぼっちになっても。
本がそばにいてくれた。
いつも。
ひとのなかからはなれたところでぼんやりただよっているような。
どこかおかしかったから。
がっこうにはいつもなじめない。
ひとなみがわからないから。
はみだしてしまう。
なかまになれない。
きらわれる。
あたらしい。
おとーさんができた。
おかーさんはうまくできなくて。
そのひとのところに。
りらを。
すてた。
おいだされはしなかった。
でも。
りらは。
こうこうせいのとき。
すこしのあいだすてごになった。
しかたがなかったの。
おかーさんがあとでいったことば。
疑問はおおかったけれど。
かんがえないようにしてとじこめた。
おとなになって。
おもいだすたび。
やっぱり。
なんどでもとじこめるしかなかった。
おかーさんは。
りょうほうとも。
りらのせいで。
おわったんだって。
いった。
どうして・・・・?
りらは。
ちゃんとおかねをもってかえればいいのかなとおもった。
はたらいて。
おきゅうりょうをもらって。
おかーさんにわたせれば。
いいのかなとおもった。
ほんとうはだいぶまえからおかーさんがだいきらいだった。
だけど。
おかーさんだから。
がまんしてた。
はやくけっこんしたかったのに。
こわくてできなくて。
おうち。
でるのこわい。
ひとがこわい。
めのまえでにどもこわれてしまった。
いらないこ。
りらはいつもどこかでじぶんはひつようとされていないんだって。
だれかをひつようだとおもうのがこわいおとなになった。
ふつうになりたいのに。
どうやってもおかしいっていわれるおとなになった。
ちゃんとまわりをみて。
おなじようにしたくて。
がんばろうとしても。
ぼんやりしててとろくて。
じぶんにがっかりしつづけて。
ちゃんとするにはどうしたらいいのかな。
わからないまま。
ものまねで。
なんどかれんあいをして。
やっぱりわからない。
あいてのゆーこときいていればいいんじゃないんだ・・・・。
すき。
きらい。
どっちもよくわからないから。
どうしたらいいのかわからない。
ながめていたいだけじゃだめ。
ぼんやりしてちゃだめ。
だめのいみがわからない。
どうしたらいいのかわからない。
りらはいつもぼーーっとして。
あいてにきらわれるのをまっているだけしかできない。