ひとはかわりばえのしないまいにちだとおもいながら
たいせつなじかんを
とりこぼして
きづかないでとおりすぎてゆく
せいちょうのいたみや
きりきりするようなせつなさなんて
すくないほうがおだやかにくらせるにきまっている
なにもおきていないようでいて
まいにちは
かならずべつなじかん
おなじことをくりかえしているようでいて
まいにちは
かならずかけがえのないじかん
たとえば
ちっちゃな蛙がいたことにきがついて
うれしくなって
ゆびさきにのせて
ながめてみたり
おいしいですよと
こころからつたえたことばを
あなたがいうと
ほんとうにおいしいんだなってかんじるから
かうつもりじゃなかったけれど
ためしてみるわね
うれしい
こころからおもうことばはとどく
わたしは
うそがつかえないので
ひょうじょうが
よみとりやすいらしい
ほんとうに
すきだとおもうこと
おいしいとおもうこと
うれしいとおもうこと
とどくことにときおりきがつく
まいにちはドラマじゃない
映画じゃない
ゲームじゃない
なにもおきない
でも
あたらしいまいにちしかこない
やさしい視点で
やさしい情景を
ていねいな造作で
ていねいなこころで
うつくしくつむぎだせるひとたちこそ
だいじ
ことばあそびで
こころをみだすだけのひとは
どこかのボタンがはずれたまま
きっといつまでもとどかない
みつけられずに
ミをさらす
どこか
たりないまま
うえからみおろして
ほんとうは
みおろされているじぶんにきがつかないふりをして
どこにゆくのかな