あとり硅子短編集・Ⅰ 新書館ウィングス文庫
だいすきな漫画家さんでしたが急逝してしまい呆然としました。
くわしいことはわかりませんが。
亡くなられてからイラスト集が出版され、文庫版で作品がまとめられました。
イラストレーターとしても小説などの挿絵で活躍なさっていました。
三浦しおんさんの著書にも使われていたように思います。
この一冊はファンタジー色の強い作品集なので。
好き嫌いはあろうかと思いますが。
全作品にどこかふんわりとしたあとり空調が効いていて。
読後があたたかい。
多少BLのにほいがただようところもたいそうツボ。
大事件が起きるわけでもなく。
坦々とした日常がそこにはあって。
設定が変わってもキャラクターが変わっても。
あとりさんだなぁ・・・と。
失ってしまうとなおさら。
くるしい。
どんな作品でもよかった。
描き続けてほしかった。
強烈な印象を残さなくても。
たいせつにしたい作品がある。
こんな描き手を失ってしまったことがほんとうに悔やまれる。
ひとは。
いきものは。
どんな才能を持っていても。
有限の時間の中でしか生きられない。
作品たちが優しければ優しいほど。
せつなくなります。
もっとにくたらしいもの描いてから。
お星様になれば良かったのに・・・・。